
Zoho は、インドに本社を置く Zoho社の提供するビジネスアプリケーションやサービス全般の俗称です。
Zohoは、CRM(顧客管理)、会計、プロジェクト管理、メールマーケティングなど、40以上の業務アプリケーションを一元提供するクラウド型ビジネスプラットフォームです。世界中で8,000万人以上のユーザー、日本でも中小企業から大手まで広く導入が進んでおり、業務のデジタル化・効率化を支援しています。
この記事では、ZohoCRMの導入支援実績多数の株式会社ArchRiseが、Zohoの特徴やメリット・デメリット、各種パッケージなどを丁寧に解説します。
Zohoの特徴
Zohoのサービスには、主に次の3つの大きな特長があります。
それは 「導入しやすい価格」「幅広い業務をカバー」「高いカスタマイズ性」 です。
利用しやすい価格
Zohoが提供する各種サービスは、類似の競合サービスと比べて利用しやすい価格設定となっているものが多いです。そのため、インターネット上では「Zoho=低価格」という声がよく見られます。
ただし、実際の料金は利用するアプリの種類や契約アカウント数によって異なります。そのため、導入規模が大きくなると、他社サービスと大きな価格差が出ないケースもあります。
とはいえ、他社よりもリーズナブルな料金で利用できるサービスが多いのも事実です。
例えば、Zohoの中でも特に人気のある「Zoho CRM」は、1ユーザーあたり月額1,680円から利用可能です。これは、類似サービスと比べて約1/3〜1/5程度の価格であり、コスト面で大きなメリットがあると言えるでしょう。
しかし、導入時に最も重視すべきなのは「自社で何を実現したいのか」という目的です。
コスト面だけを優先してしまうと、必要な機能が不足してしまい、期待した効果が得られないこともあります。
料金の安さは魅力のひとつですが、それ以上に自社の業務に必要な機能がしっかり備わっているかどうかを見極めることが、満足できるツール選びのポイントです。
Zohoで対応できる業務範囲
導入後にどんな業務が効率化できるのかを把握するためには、Zohoがどのような機能を提供しているかを理解することが重要です。
現時点で、業務カバー範囲の広さという点では、Zohoに匹敵するサービスはほとんどありません。
実際に、Zohoがカバーできる業務領域は以下の通りです。
サービス | カテゴリー | 説明 | 他社製品比較 |
---|---|---|---|
Zoho CRM | 営業 | 顧客管理・営業支援 | SalesForce |
Zoho SalesInbox | 営業 | 営業担当者向けメーラー | Outlook、Gmail |
Zoho Bigin | 営業 | 低価格・中小企業向けCRM | Kintone、HubSpot Sales |
Zoho Bookings | 営業 | ネット予約システム | STORES、Airリザーブ |
Zoho Marketing Automation | マーケティング | マーケティングオートメーション | Marketo Engage、SATORI、b→dash |
Zoho Campaigns | マーケティング | メールに特化したマーケティングオートメーション | オートビズ、配配メール |
Zoho Social | マーケティング | SNSマーケティング | Instagram Insights、Social Insight |
Zoho Survey | マーケティング | アンケート集計・顧客満足度調査 | SurveyMonkey、Fastask |
Zoho Forms | マーケティング | アンケート、メールフォーム作成 | Googleフォーム、formrun |
Zoho Sites | マーケティング | Webサイト作成(レスポンシブ対応) | Wix、ペライチ |
Zoho PageSence | マーケティング | ヒートマップ | Mouseflow、User Insight |
Zoho SalesIQ | マーケティング | チャット型Web接客 | KARTE、Sprocket |
Zoho Backstage | マーケティング | イベント運営・管理 | DoorKeeper、Peatix |
Zoho Desk | サポート | ヘルプデスク・カスタマーサポート | Zendesk |
Zoho Assist | サポート | リモートデスクトップ・遠隔サポート | TeamViewer |
Zoho Lens | サポート | スマホ・ARを活用した対話型リモートサポート | Teamviewer、ISL Online |
Zoho Mail | コミュニケーション | メーラー | Outlook、Gmail |
Zoho Cliq | コミュニケーション | ビジネスチャット | Chatwork |
Zoho Projects | コラボレーション | タスク・プロジェクト管理 | Backlog、Brabio! |
Zoho Sprints | コラボレーション | アジャイル管理 | Redmine、Backlog |
Zoho Connect | コラボレーション | グループウェア | Cyboze |
Zoho Meeting | コラボレーション | オンライン会議・Webセミナー | Zoom |
Zoho WorkDrive | コラボレーション | チームのファイルを安全に保存、整理、管理 | Dropbox、Google Drive |
Zoho Learn | コラボレーション | 従業員向けトレーニングプラットフォーム | Smart Boarding、Teachme Biz |
Zoho TeamInbox | コラボレーション | チームコラボレーションメーラー | Teams、 Outlook |
Zoho Writer | 生産性 | 文書作成・管理 | Word、Googleドキュメント |
Zoho Sheet | 生産性 | 表計算シート作成・管理 | Exel、スプレッドシート |
Zoho Show | 生産性 | プレゼンテーション作成・管理 | PowerPoint、Keynote |
Zoho Sign | 生産性 | デジタル署名 | CloudSign |
Zoho Notebook | 生産性 | メモ・ノートアプリ | Evernote、OneNote |
Zoho Vault | 生産性 | パスワードの管理・共有 | 1Password、Keeper |
Zoho Books | 財務 | 会計管理 | Manageboard、Jedox |
Zoho Invoice | 財務 | 見積テンプレート・請求管理 | 楽楽明細、MakeLeaps |
Zoho Expence | 財務 | 経費申請・管理 | 楽楽精算、Concur Expense |
Zoho Checkout | 財務 | オンライン決済 | Stripe、PayPal |
Zoho Subscriptions | 運用 | サブスクリプション・定期販売・請求管理 | Can Manage、Scalebase |
Zoho Inventory | 運用 | 商品・在庫管理 | 楽楽販売、TS-BASE |
Zoho People | 人事 | 人事・勤怠・工数管理 | jinjer 勤怠、Touch On Time |
Zoho Recruit | 人事 | 採用管理 | クラウドハウス採用、sonar ATS |
Zoho Creator | ビジネスプロセス | カスタム業務アプリ作成 | AppSuite |
Zoho Analytics | ビジネスプロセス | BIツール・ビジネスレポート | Fine Report、Microsoft Excel |
Zoho Flow | ビジネスプロセス | アプリ連携・システム連携 | Bitnami、Google Apps Script |
Zohoのパッケージサービス
Zohoでは、必要なサービスを個別に契約して利用することができますが、
特定の業務領域をまとめて強化したい場合には、分野ごとに最適化されたパッケージ製品も用意されています。
以下は、その代表的なパッケージです。
45種類以上のZohoサービスを全て利用できる最上位パッケージです。 月額4,440円/ユーザーと比較的利用しやすい価格が特徴です。 | |
顧客管理・営業・マーケティングに必要なサービスが揃ったパッケージです。 | |
財務、会計などが揃ったパッケージです。 | |
チームメンバーとのコミュニケーションやドキュメント作成に特化したパッケージです。 | |
採用・勤怠など人事労務に関するサービスが揃ったパッケージです。 | |
リモートワークに特化したパッケージです。チームメンバー間のコミュニケーション、生産性の向上を支援します。 | |
クラウドでIT化を促進するパッケージです。 | |
企業のマーケティングに関わるサービスが揃ったパッケージです。 |
カスタマイズ性の高さ
Zohoには多彩なサービスが揃っていますが、自社の業務内容や目的に合わせて柔軟にカスタマイズできるのが大きな特徴です。
サービスは必要なものだけを個別に購入できるため、不要な機能にコストをかけることなく、無駄のない導入が可能です。
また、導入後に必要なサービスを追加することも簡単なので、最初は最低限のツールから始めて、業務に慣れながら徐々に拡張していくこともできます。
一般的なパッケージ製品では、使わない機能にも料金が発生することがよくありますが、Zohoならその心配はありません。
柔軟な運用ができることこそが、Zohoの大きな魅力のひとつです。
Zohoサービスの口コミ・評価は?
実際にZohoを導入している企業からは、高い評価や具体的な改善事例が多数報告されています。
ここでは、Zoho公式サイトに掲載されている導入事例の一部をご紹介します。
シンプルに自社用にカスタマイズできるZOHO CRM ★5
経営コンサルティング|経営・経営企画職|20人未満|導入決定者|契約タイプ 有償利用
良いポイント
優れている点・好きな機能
・見込み客の管理
・WEBフォーム機能
その理由
・見込み客の管理画面が自社用に必要な項目を追加や位置の変更など自由自在にできる点が気に入っています。
長年利用しているので、過去の全見込み客について瞬時に再確認ができるため、数年振りに問合せ頂いた過去見込み客とも当時のメモや添付資料を確認できるのでスムーズに商談が出来ています。
・WEBフォーム機能は自社開催のオンラインセミナーの受付とメール相談の受付用フォームに活用していて、自社サイトの該当ページから申込みがあれば、即座にZOHO CRMと連携されて、設定済みの自動受付メールを送信してくれるので、営業効率が良く重宝しています。
改善してほしいポイント
欲しい機能・分かりづらい点
・機能が多く、新機能もリリースされる点
・日本語での画面共有などでのサポート機能がほしい
その理由
・できる機能が多く、連携も充実しているのは良い点だが、自社側の問題だが全てを使いこなすのが難しいと感じます。
・ヘルプページを読み込むのも時間がかかる場合もあるので、サクッとオンラインで画面共有や遠隔操作などで、やりたい要望を伝えたら簡単に設定できるようなサポート体制がほしいです。
どのような課題解決に貢献しましたか?どのようなメリットが得られましたか?
解決できた課題・具体的な効果
・増え続ける見込み客の管理
・セミナーや問合せの見込み客の管理
課題に貢献した機能・ポイント
・見込み客の管理については、ZOHO CRM導入でかなり改善できた。
・セミナーや問合せの見込み客の管理手法についてもEXCEL管理から離れてZOHO CRMで全体を俯瞰できるようになったし、セミナー参加者への受付、開催前のリマインド、終了後のお礼、後日の追客フォローなど、見込み客をソートして事前に用意していたメール定型文を利用して一斉送信できることが営業効率アップに貢献しました。
検討者へお勧めするポイント
セミナー開催して見込み客の集客やウェブサイトからの問合せ等のインバウンド営業を中心にしている企業にとって、便利な機能が多いのでお勧めです。
引用元:https://www.itreview.jp/products/zoho-crm/reviews/199242
面倒な顧客管理や一斉メールが効率化できています ★4.5
経営コンサルティング|経営・経営企画職|20人未満|ユーザー(利用者)|契約タイプ 有償利用
良いポイント
優れている点・好きな機能
・個人事業主なので小規模ですが、上手に運用するととても便利です。
・見込先や連絡先がグループごとに管理でき、一斉メールで必要な情報を送信しています。
・テンプレートを一度作っておくことで、いろいろなパターンの発信ができます。
・CRMのシステムはコストが高いイメージがありますが、ZOHO CRMは比較的リーズナブルなので助かります。
・申込顧客に対して自動でサンキューメールが流れたり、料金の支払い連絡メールが届くなど、人の手による手間が省けています。
・はじめのうちはZOHOに詳しいコンサルタントの方に有料でいろいろ教えてもらい操作しましたが、今はその知識を応用して独力で運用しています。そのコンサルの人が多少のことなら無料でアドバイスもしてくれていて、スポットでの契約も可能なので安心しています。
改善してほしいポイント
当社では使っていないサービスが相当数あります。
会社の規模などにもより、担当者ごとの管理なども必要なのかもしれませんが、出来れば使える機能をもう少し絞って料金を安くしてもらえると助かります。
当社が活用しているのは見込先と連絡先の管理と、それぞれにグループ分けして一斉メールを送っています。
あとの部分は満足しています。
どのような課題解決に貢献しましたか?どのようなメリットが得られましたか?
解決できた課題・具体的な効果
・事務手続きの省力化
・効率的な顧客管理
課題に貢献した機能・ポイント
・自動返信メール・サンキューメール・支払い手続きメールなど
・見込客への営業が有効でした。
・連絡先(契約先)への次の営業で、バックエンド商品が売れています。
検討者へお勧めするポイント
顧客管理やシステムを利用した営業管理、フロントエンドからバックエンドへの営業推進に活用できます。
初期設定や慣れるまでの時間は多少かかりますが、比較的リーズナブルなので、十分価値はあると思います。
システムを理解するまでは専門のコンサルタントの方に指導してもらうか形を作ってもらうのも良いと思います。
昨日はたくさんありますが、全部を使おうとせず、自社に必要な機能に絞って利用すると良いと思います。
引用:https://www.itreview.jp/products/zoho-crm/reviews/208977
顧客との応対が一括で管理でき、顧客フォローが丁寧になります。 ★4
一般機械|経営・経営企画職|20-50人未満|導入決定者|契約タイプ 有償利用
良いポイント
Gmail・Googleドライブ、sansan連携などの連携があり、顧客とのコミュニケーションを時系列で確認できるため顧客応対が丁寧にでき信頼を得ることができます。出張時にスマホアプリのマップ機能を使用すると近隣の顧客情報を確認できるため、効率の良い営業活動ができます。
改善してほしいポイント
カスタマイズ機能が充実しているのですが、専門的でない従業員でも設定できるようにしてほしい。より自動化や情報の整理がし易くなると、競合に対して営業的に優位に立てると思います。
どのような課題解決に貢献しましたか?どのようなメリットが得られましたか?
顧客の対応不足により売上向上に問題がありましたが、2016年に導入後、営業活動を記録していくことにより顧客応対や、販路の拡大に大きく貢献してくれています。導入後、主力製品の売り上げが2016年比の2.5倍に成長することができました。顧客情報や活動内容の管理が非常に重要なことを実感しております。
検討者へお勧めするポイント
営業活動を管理・実施するうえで顧客情報の管理は非常に重要です。Zoho CRMは価格的に導入がしやすく機能的にも十分だと思います。システムを理解するのに多少の努力は必要ですが活用をし続けるにつれメリットが大きくなります。
引用:https://www.itreview.jp/products/zoho-crm/reviews/209108
ちょっとクセがあるけれども、使い方次第で良いアプリです ★3.5
その他サービス|経営・経営企画職|20人未満|ユーザー(利用者)|契約タイプ 有償利用
良いポイント
良いポイント(Zoho CRMの優れている点・好きな機能)
Zoho CRMはB to Cビジネスにおいて、顧客管理の効率化とパーソナライズ対応を実現できるツールです。コストパフォーマンスが高く、豊富な機能を備えながら手頃な価格で導入可能。Google WorkspaceやSNSとの連携もスムーズで、購入履歴や問い合わせ管理が簡単にできます。ワークフローの自動化によりフォローアップ作業も効率化。さらに、ユーザーコミュニティや勉強会が充実しており、活用ノウハウを学びながら運用できる点も魅力です。
改善してほしいポイント
Zoho CRMは機能が豊富ですが、UIがやや複雑で直感的に操作しにくい部分があります。特にB to C向けには、シンプルな導線があるとより使いやすくなると感じます。また、カスタマイズの自由度は高いものの、細かい設定にはIT知識が必要で、ノーコードでの直感的な編集が強化されると便利です。公式サポートのレスポンスが遅いことがあり、トラブル時の対応を改善してほしい点もあります。さらに、モバイルアプリの操作性がPC版に比べて使いづらいので、外出先でもスムーズに管理できるよう改善されるとより活用しやすくなると感じます。
どのような課題解決に貢献しましたか?どのようなメリットが得られましたか?
Zoho CRMを導入したことで、顧客情報の一元管理が可能になり、B to Cの顧客対応がスムーズになりました。これまで手作業で行っていた顧客管理やフォローアップが、自動化機能を活用することで効率化され、対応漏れの防止にもつながりました。また、メールやSNSとの連携により、マーケティング施策の効果が向上し、リピーター獲得にも貢献。
検討者へお勧めするポイント
IT導入補助金等使用すればカスタムしてもらい導入障壁は低くなると思います。通常のコストでも、他のCRMよりも安いので、まずは1回試してみてもいいかもしれません。
引用:https://www.itreview.jp/products/zoho-crm/reviews/203941
コスパが最高!! 機能も十分!! ★4
経営コンサルティング|経営・経営企画職|20人未満|ユーザー(利用者)|契約タイプ 有償利用
良いポイント
優れている点・好きな機能
・とにかく、コスパが良い!
・機能が豊富であり、Google Workspace等の外部サービスとの連携も豊富!
・新機能のリリースが速い
その理由
・色々と簡単なカスタマイズできる
・機能を覚えるのが大変
使い始めて間もないが、現在ZOHO ONEを契約し、CRMの部分を色々試して使い慣れてきている状況です。
そのため、ZOHO Signでお客様との電子契約や見積書発効後の会計クラウドへの連携等自社で使っているサービスとの連携やZOHO Signalのホームページへの設定等も実施しています。
改善してほしいポイント
欲しい機能・分かりづらい点
・日本語は対応は、Google翻訳を使いながら対応している部分があるが、もう少し強化してほしい。
・日本のサービスであるIVR連携ができると有難いです。
どのような課題解決に貢献しましたか?どのようなメリットが得られましたか?
解決できた課題・具体的な効果
・顧客管理、進捗管理(パイプライン)、TODO管理
・各種契約書やメール等のコンタクト履歴
これらを一元管理できるようになった。
課題に貢献した機能・ポイント
・All IN ONEと他システムとの連携機能
検討者へお勧めするポイント
投資対効果は、大きいと思います。
ただし、機能が豊富なのですが、自社の課題解決に必要な部分に特化して使用していくことが肝要であり、迷わなく使えると思います。
引用:https://www.itreview.jp/products/zoho-crm/reviews/203903
Zoho と他を比較
サービス名称 | ||||
料金 | 1,680円〜1ユーザー/月額 | 1,500円〜1ユーザー/月額 | 3,200円〜1ユーザー/月額 | 10,330円〜1ユーザー/月額 |
無料期間の有無 | 〇15日※サービスによって期間が異なる | 〇30日 | 〇14日 | 〇30日 |
カスタマイズ性 | 〇 | △ | △ | △ |
外部サービスとの連携 | 〇 | △ | △ | △ |
日本語対応 | △ | 〇 | △ | 〇 |
幅広い業務効率化を実現するZohoですが、同様のサービスは他にもいくつかあります。
そこでこのパートでは、Zohoと他のサービスの違いについて説明します。
この比較では、 Zohoアプリの中でもメジャーな顧客管理・営業支援システムの Zoho CRM を軸に、類似サービスと比較していきます。
Zoho CRM とは
Zohoのサービスの中でも最も広く知られているのが「Zoho CRM」です。
Zoho CRMは、顧客情報を一元管理できるシステムと、そこから営業活動を支援する多彩なツールが統合されたサービスです。
多くの企業が抱える課題のひとつが、せっかく集めた顧客情報を営業活動に活かしきれないという点です。
Zoho CRMは、顧客情報の一元管理はもちろん、
その情報をもとに顧客フォローやマーケティング施策までスムーズに実行できる機能が豊富に揃っています。
さらに、分析やレポート作成といった手間がかかる作業も自動化できるため、
業務効率の向上はもちろん、生産性アップにも貢献します。
Zoho One とは
Zohoの中でも最も有名なのは「Zoho CRM」ですが、
それ以外にも、中小企業にとって使いやすいパッケージ製品「Zoho One」があります。
Zoho Oneは、CRMのように顧客管理や営業支援といった特定分野だけでなく、
会計や人事管理、業務効率化ツールまで含めた“すべての業務領域”をカバーするオールインワンパッケージです。
料金プランはユーザー数によって異なりますが、
1ユーザーあたりの月額料金が一定で、
Zoho CRM単体よりもできることが多いのに、コストも抑えられるという大きな魅力があります。
営業・マーケティングはもちろん、
会計、人事、日々の業務効率化まで
ビジネス全体をZoho Oneで一元管理することが可能です。
CRM Plus とは
Zohoのサービス群の中でも、営業やマーケティング業務に特化したパッケージが「CRM Plus」です。
Zoho CRMを中心に、顧客管理・営業支援に加えて、マーケティングやカスタマーサポートまでをカバーしています。
営業活動に必要なツールが個別に揃っているだけでなく、複数のアプリケーションが統合されているため、
顧客対応を一貫して行うことができ、部門間の情報共有もスムーズになります。
料金プランはユーザー数に応じて変動しますが、
営業~マーケティング~サポートまでを一元化できるため、
それぞれのツールを個別に契約するよりもコスト効率が良いのが特長です。
Finance Plus とは
「Finance Plus」は、Zohoが提供する財務・会計業務を効率化するパッケージ製品です。
会計管理を中心に、請求書発行、経費精算、在庫管理、支払い処理など、
お金に関わる業務全体を一元管理できる構成になっています。
このパッケージでは、Zoho Books(会計管理)をはじめ、
Zoho Invoice(請求書発行)、Zoho Expense(経費管理)などの複数アプリが連携し、
財務関連の業務フローをスムーズに進めることが可能です。
料金プランは、利用するアプリやユーザー数によって異なりますが、
個別に契約するよりも割安に全体をカバーできるのが魅力です。
これにより、会計・経理業務の効率化とコスト削減の両方が実現できます。
Workplace とは
「Workplace」は、Zohoが提供するビジネスコミュニケーションとコラボレーションに特化したパッケージ製品です。
メール、チャット、オンライン会議、ファイル共有、ドキュメント作成など、
日常業務に必要なツールが一つにまとまっているのが大きな特徴です。
具体的には、
- Zoho Mail(メール管理)
- Zoho Cliq(チャット・メッセージング)
- Zoho Meeting(オンライン会議)
- Zoho WorkDrive(クラウドストレージ)
- Zoho Writer(文書作成)
などが統合されており、チーム内の情報共有や業務連携がスムーズに行えます。
料金はユーザー数によって異なりますが、
複数のツールを個別に契約するよりも割安で、
すぐに使い始められる利便性が高く評価されています。
People Plus とは
「People Plus」は、Zohoが提供する人事・労務管理に特化したパッケージ製品です。
採用、労務管理、勤怠管理、従業員データベース、給与計算といった、
人事関連業務を一元管理できるのが大きな特徴です。
このパッケージには、
- Zoho People(人事・勤怠管理)
- Zoho Recruit(採用管理)
- Zoho Expense(給与計算)
などが含まれており、従業員のライフサイクル全体をカバーできます。
これにより、人事部門は手間のかかる作業を効率化しつつ、従業員データを一元的に把握できるようになります。
料金プランはユーザー数や利用機能によって変わりますが、
必要な人事機能がまとまっているため、コストを抑えながら運用可能です。
Remotely とは
「Remotely」は、Zohoが提供するリモートワークを支援するパッケージ製品です。
オンライン会議、画面共有、リモートアクセス、ドキュメント共有、タスク管理など、
離れた場所でもスムーズに業務を進められるツール群が一つにまとまっています。
具体的には、
- Zoho Meeting(オンライン会議)
- Zoho Assist(リモートアクセス・サポート)
- Zoho WorkDrive(ファイル共有・クラウドストレージ)
- Zoho Writer(文書作成・管理)
などが含まれており、リモート環境でも生産性を落とさずに業務遂行が可能です。
料金プランはユーザー数や利用するアプリによって異なりますが、
リモートワークに必要な機能をまとめて利用できるため、
個別契約よりも手間なくコストも抑えられるのが特徴です。
IT Management とは
「IT Management」は、Zohoが提供するIT資産管理・運用・セキュリティ強化に特化したパッケージ製品です。
社内のデバイス管理、ネットワーク監視、リモートサポート、ヘルプデスク対応など、
ITインフラ全体を効率的に管理・運用できる仕組みが整っています。
このパッケージを導入することで、
IT部門の負担を軽減しつつ、セキュリティと運用の安定性を強化できます。
また、クラウド環境やリモートワークにも対応しており、
柔軟で安全なIT管理体制を構築できるのが大きな魅力です。
Marketing Plus とは
「Marketing Plus」は、Zohoが提供するマーケティング活動全体を統合管理できるパッケージ製品です。
メールマーケティング、SNS運用、広告管理、ウェビナー開催、アンケート調査など、
さまざまなマーケティング施策を一元的に実行・管理できるのが特徴です。
これにより、複数のツールを行き来することなく、
マーケティングチーム全体の業務効率化と施策の最適化が実現できます。
施策ごとの成果分析も可能なため、
PDCAを回しやすく、より効果的なマーケティング戦略の構築に役立ちます。
Zoho を選ぶ5つのメリット
これまでご紹介してきた内容を踏まえて、
Zohoを導入することで得られる主なメリットを改めて整理します。
Zohoには、特に注目すべき5つの強みがあります。
メリット1:低価格で利用できるサービスが豊富
すでにお伝えした通り、Zohoのサービスは他社と比べて比較的リーズナブルな料金設定が特徴です。
システム導入が初めての企業や、コストを抑えて始めたい企業にとって、
Zohoは導入しやすく相性の良い選択肢と言えるでしょう。
メリット2:1アカウントから利用可能
料金の手頃さに加えて、最低導入数の制限がないこともZohoの大きなメリットです。
多くのサービスでは最低利用人数が決められていて、必要以上のコストが発生することがありますが、
Zohoなら1アカウントから契約できるプランも用意されており、
必要な分だけ無駄なく導入できます。
もちろん、全社員向けの一括契約プランも選べるため、企業規模に応じて柔軟に対応可能です。
メリット3:無料お試し期間が充実
「まずは試してみたい」という方には、無料体験が充実しているのもZohoの魅力です。
特にZoho Oneでは、導入前に30日間無料でフル機能を体験することができます。
しかも、クレジットカードの登録は不要なので、気軽に試せます。
導入を検討している方は、まずこの無料トライアルで使い勝手や機能をじっくり確認するのがおすすめです。
メリット4:自社に合わせて柔軟にカスタマイズできる
Zohoは、自社の業務に最適な仕組みを構築するのに適したツールです。
カスタマイズ性が高く、豊富なアプリケーションの中から必要なものだけを選んで組み合わせることができます。
最初は最低限の機能だけをカスタムして導入し、
業務に慣れてきたタイミングで、必要に応じて機能を追加していくという柔軟な運用も可能です。
これにより、無駄なコストや機能を省きつつ、自社に合った最適な業務システムを構築できます。
メリット5:他のサービスと連携できる柔軟性
Zohoは、他のサービスとスムーズに連携できるのも大きな魅力です。
連携可能なサービスの数は他社と比較しても多く、
その連携性を重視してZohoを選ぶ企業も少なくありません。
複数のツールを使っていると、
情報が分散して管理が煩雑になりがちですが、
Zohoで一元管理できるようになると、
管理の手間や複数ツールを立ち上げる手間も大幅に軽減できます。
Zoho のデメリット
日本語翻訳が不十分な部分もある
Zohoは多機能で優れたツールですが、
すべてが完璧というわけではありません。
海外発のサービスであるため、日本語には対応しているものの、翻訳の精度に課題が残っている箇所があります。
基本的には日本語で問題なく利用できるものの、
一部の画面や説明文に英語表記が混在することもあるのが現状です。
ただし、こうした翻訳の不具合や未対応部分は、日々改善が進んでおり、徐々に解消されつつあります。
国内での認知度がまだ低い
Zohoは海外では広く利用されていますが、
国内での認知度はまだそれほど高くありません。
そのため、インターネット上で情報を探しても十分な情報が見つからないことがあり、
操作に迷ったときに、利用者のリアルな声やノウハウが少ないのがデメリットの一つです。
とはいえ、Zohoには公式のZohoコミュニティがあり、
そこで質問を投稿すれば、詳しいユーザーやサポート担当者から回答を得ることができます。
国内情報は少なくても、こうしたコミュニティを活用することで、問題解決の糸口をつかむことが可能です。
Zohoの導入が特にオススメな事業者は?
Zohoは幅広い業種・業態に対応できる便利なツールですが、
その特徴を踏まえると、特に相性が良い事業者があります。
以下のような事業者には、Zohoの導入が特に効果的です。
顧客管理をアナログからデジタル化したい事業者
これまで名刺や顧客情報を紙ベースで管理してきた企業が、
今後デジタル化を進めたいと考えた際、
「どのツールが自社に最適なのか」と悩むケースは少なくありません。
Zohoは、営業・マーケティング・会計など幅広い業務領域をカバーしているため、
まずは顧客管理(CRM)からスタートし、
必要に応じて他の機能を段階的に追加することが可能です。
柔軟な導入ができる点が、デジタル化を検討している企業にとって大きなメリットとなります。
省コストで導入したい事業者
CRMや業務効率化ツールの導入には、初期コストが高くなりがちで、
最低導入人数の制限があるなど、使いづらさを感じることも少なくありません。
その点、Zohoは1アカウントから利用できるため、
小規模な導入でもコストを抑えられるのが大きなメリットです。
特に、大人数での利用でなければ、他社サービスと比べて導入コストは圧倒的に安価です。
また、初めての導入で自社に合わなかった場合でも、リスクが最小限に抑えられるため、
低コストで手軽に試せる選択肢として最適です。
やりたいことが多い、複数のサービスを一元化したい事業者
複数のツールをまとめて一元管理したい、
あるいは幅広い業務領域で効率化を進めたいと考えている事業者にも、Zohoはおすすめです。
特にZoho Oneを導入すれば、
CRM、会計、人事、プロジェクト管理など、すべてのアプリケーションを利用できるため、
Zohoだけで情報管理や業務効率化を実現できます。
他のサービスでは、やりたいことがあってもその機能が用意されていない場合、
別のツールを追加して使う必要があり、
結果として複数のサービス間で情報が分散し、管理が煩雑になりがちです。
しかしZohoであれば、一般的に必要な機能が網羅されているため、
ツールの切り替えや情報の分散に悩まされることがありません。