日々蓄積されていく営業データやマーケティングデータ。「この情報、もっと活用できないだろうか?」「レポート作成に毎月何時間もかかっている」——そんな悩みを抱えていませんか?
本記事では、クラウド型BIツール「Zoho Analytics」の基本機能から導入手順、業務改善にどう活かせるかまでを体系的に解説します。特にZoho CRMと連携した営業活動の見える化や、広告施策のROI分析・管理に焦点を当て、ビジネスにおけるデータドリブンな意思決定を加速させたい方のための実践的な活用術を紹介します。
Zoho Analyticsとは?業務改善に効くクラウドBIツール
Zoho Analyticsは、クラウドベースでデータを収集・分析・可視化できるBIツールです。多様なデータソースからの取り込みや、高度なグラフ・レポートの作成をノーコードで行えるため、ITスキルに不安がある現場担当者でもすぐに使いこなせます。
Zoho製品については以下の記事でも紹介していますので、ぜひこちらもお読みください。
Zoho Oneとは?その概要と使い方を徹底解説!
Zohoとは?サービスと機能、費用について徹底解説!
Zoho Analyticsの基本概要
引用元:Zoho Aalytics
Zoho Analyticsは、表計算ソフトや外部クラウドサービスからのデータ収集、レポート・ダッシュボードの作成、共有までをワンストップで提供するデータ分析に特化したBIツールです。対応している主なデータソースは以下の通りです
- Zoho CRM(商談、リード、取引先など)
- Google Sheets、Microsoft Excel
- MySQL、PostgreSQL、SQL ServerなどのRDB
- Google Ads、Facebook Ads などの広告ツール
これにより、営業・マーケティング・カスタマーサポートといった部門横断のデータをまとめて分析することが可能です。
参考:Zoho CRMの使い方を徹底解説!概要から実際の手順まで紹介します
他のBIツールとの違い
他のツールと比較した場合、Zoho Analyticsの最大の特長は「価格と使いやすさ」です。中小企業向けに設計されているため、2,880円/月から利用可能であり、直感的な操作性を実現しています。また、Zoho CRMをはじめとする他のZoho製品とネイティブに連携している点も、導入の決め手になります。
Zoho Analyticsでできること
Zoho Analyticsには、日々の業務に役立つ機能が多数搭載されています。ここでは代表的な3つの機能を紹介します。
レポートとダッシュボードの作成
Zoho Analyticsでは、Zoho CRMなどのデータベースから、データの項目をドラッグ&ドロップすることで簡単に棒グラフ、円グラフなどがすぐに作成可能です。例えば、営業担当別の商談進捗や、月別売上推移をリアルタイムで可視化することができます。
データのドリルダウンとフィルター機能
作成したグラフについて、日別や担当者別など、データのドリルダウン、つまり深掘りが可能です。ユーザーごとのフィルタ設定も行え、閲覧者のニーズに合わせた分析が実現します。ドリルダウンを活用することで詳細な分析が可能になり、社内の情報共有や商談の進捗状況の把握ができます。
データの取り込みと自動更新
Zoho Analyticsでは、各種データをAPIやCSV/Excel形式で取り込み、自動更新スケジュールを設定することが可能です。たとえば、Googleスプレッドシートから毎日7時に売上データを自動取得するといった設定が簡単に行えます。
Zoho Analyticsの活用方法
ここでは、Zoho Analyticsの活用方法について簡単に紹介します。ちなみに、導入効果を実感しやすいのは、営業・マーケティング・カスタマーサポートの3部門です。
営業活動の可視化
Zoho CRMと連携することで、営業活動のKPI(商談化率、受注率、リードソース別CVRなど)を自動で分析・表示できます。営業担当別の成績や、失注理由の傾向も簡単に把握できるため、マネジメントの精度が向上します。
マーケティング施策の効果測定
メール開封率、クリック率、フォームからの申込情報などを一元的に確認・管理できます。また、広告チャネルごとの費用対効果も比較可能で、無駄な出稿を削減する意思決定がスムーズになります。
カスタマーサポートの品質改善
Zoho Deskとの連携により、問い合わせ件数や対応までの時間、対応品質の可視化が可能になります。サポートチームの業務改善や教育にも役立ちます。
Zoho Analytics導入のメリット
初期費用を抑えた導入が可能
Zoho Analyticsは1ユーザーあたり2,880円/月/年額払い〜で利用可能です。無料トライアルもあるため、初期投資を抑えて導入検討が可能です。
データ活用が属人化から脱却できる
これまでマーケティング担当者、営業担当者がExcelなど情報を管理・分析していた場合、複数のファイルでデータを管理したり、データ更新のために毎回エクセルを入力し直したりという状況が一般的でした。また、情報を更新・修正する場合は複数の担当者が同時に行うことが困難な状況でした。そのため非効率かつ抜け漏れのリスクが懸念となっていました。しかし、Zoho Analyticsの場合は、全社員がリアルタイムにアクセスできるダッシュボードで共有できるようになり、組織全体での意思決定が高速化されます。
施策改善のPDCAが高速に回る
施策実行→結果データの可視化→改善点の発見→次施策への反映というサイクルが迅速に回るようになります。
Zoho Analytics導入前の準備
ここでは、実際にZoho Analyticsを導入する前段階として必要な準備について解説します。
自社のデータ構造を棚卸しする
まずは自社について、どの部門でどのようなデータが蓄積されているか、誰が使っているのかを整理するところから始めましょう。データ構造を整理せずに導入を進めた場合、連携ができず、上手く活用できない恐れがあります。
ダッシュボード構成を設計する
次に、ダッシュボードの構成を設計しましょう。ダッシュボードは複数作成することができ、どのような指標・データをグラフで表すのかを事前に整理し、誰が・いつ・どの画面を見るかを想定してダッシュボードを設計すると効果的です。
社内展開と活用のための研修・支援
Zoho Analyticsを利用する担当者全員が同じレベルで利用できるように、社内での研修や教育を行うことが非常に重要です。場合によっては、Zoho導入支援を行う専門業者のサポートを活用しながら、操作研修や定着支援を行うと、浸透がスムーズです。
Zoho CRMや他ツールとの連携で広がる分析の可能性
Zoho CRMとの連携
営業活動のデータをZoho Analyticsに取り込むことで、商談化率、受注率、平均リードタイムなどが自動的に可視化されます。
Googleアナリティクスや広告データとの連携
Google AdsやFacebook Adsとの連携により、広告クリック→CV→営業成果までの一気通貫のレポートが作成可能です。
Zoho Analyticsの導入を成功させるための注意点
「ただデータを可視化するだけ」にならないために
分析結果をどう読むか、どう改善につなげるかという”解釈”のプロセスが極めて重要です。
データの可視化がゴールになってしまうと、改善までの道筋が立てられず、状況を可視化して終わりとなるリスクがあります。Zoho Analyticsの利点はもちろん情報をグラフで可視化できる点ですが、重要なのはそのグラフを見てボトルネックを特定し、改善点を洗い出すこと、そして営業担当者が顧客へアプローチを行うことです。データを視覚的に見るだけで終わらないように全体の流れを意識しましょう。
操作に慣れるための初期フェーズの工夫
Zoho Analyticsには、あらかじめテンプレートやレポートが存在します。1から作成することも可能ですが、まずは操作に慣れるために、テンプレートをカスタマイズする形で導入すると、社内での理解が深まりやすくなります。
株式会社ArchRise はZoho構築に対応しています
株式会社ArchRiseでは、ZohoCRMや今回ご紹介したZoho Analyticsをはじめとして、さまざまなZoho 製品の構築や他社からの移行に対応しています。Zoho Analyticsの導入を検討しているけどやり方がわからない。効果的に運用するためにはどのようにしたら良いか。そのようなお悩みを持つクライアントを丁寧かつ徹底的にサポートいたします。
ご相談は無料ですので、興味があればぜひ一度ご連絡ください。
まとめ
Zoho Analyticsは、営業やマーケティングのKPI可視化、広告ROI分析、カスタマーサポートの品質改善など、多方面で効果を発揮するBIツールです。Zoho CRMとの連携により、より一層の活用価値が高まり、データドリブンな組織文化の実現を後押しします。
特に、中小企業にとっては「コストを抑えつつ成果を上げる」ための強力な武器となるでしょう。導入支援パートナーの活用とともに、自社に最適なデータ活用を始めてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。