整骨院のマーケティング戦略とは?集客・リピートを生む実践ノウハウを解説

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整骨院や接骨院の数は年々増加し、地域によってはコンビニよりも多いといわれるほど競争が激化しています。
「患者がなかなか定着しない」「近隣の整骨院に新規を取られてしまう」——そんな悩みを抱えている院長先生も多いのではないでしょうか。

ただ闇雲に広告を出したり価格を下げたりしても、思うような集客効果は得られません。
これからの時代に必要なのは、患者視点に立った戦略的なマーケティング です。

本記事では、整骨院経営に欠かせないマーケティングの基礎知識から、オンライン・オフライン両面の集客施策、リピート率を高める仕組みづくりまでをわかりやすく解説します。

目次

接骨院・整骨院の経営でマーケティングが最大の課題

整骨院・接骨院の経営を安定的に成長させるには、マーケティング戦略の構築が不可欠です。
その背景には、次の3つの課題があります。

  • 環境の変化で集客が難しくなっている
  • 競合が増えている
  • 廃業が増加している

1. 環境の変化で集客が難しくなっている

株式会社矢野経済研究所の調査によると、柔道整復師市場は減少傾向にあります。

(引用:株式会社矢野経済研究所

背景には、保険の不正請求問題や医療費増大による国の財政圧迫があり、結果として保険適用の規制が年々厳しくなっています。
不正請求に対しては審査強化や罰則強化などの対策も進んでおり、業界全体の信頼性にも影響しています。

さらに、少子高齢化による人口減少が進むことで、市場そのものが縮小する見込みです。
こうした環境下で整骨院が生き残るためには、マーケティングを通じて患者のニーズを把握し、差別化されたサービスを提供することが欠かせません。

2. 競合が急増している

厚生労働省によると、平成10年に23,114件だった施術所数は、平成26年には45,572件と約2倍に増加しています。
人口が減少する中で整骨院が増え続けているため、競争は激化の一途をたどっています。

競合が多い環境では、

  • ターゲット層の明確化
  • ブランディング
  • サービス内容の差別化

が重要です。患者の属性や悩みに合わせたマーケティング戦略の立案が、選ばれる整骨院になるための鍵となります。

(参考URL:新日本法規

3. 廃業・倒産する整骨院が増加している

整骨院の数が増える一方で、倒産・廃業件数も増加しています。
新日本法規出版のデータでは、整骨院・療術・マッサージ業者の倒産件数は2016年以降増加し、2018年には過去最多の85件を記録しました。

東京商工リサーチの調査でも、2018年の倒産件数は過去10年で最多の93件に達し、個人経営の整骨院ほど経営が厳しい傾向にあります。
中には「5年後には現存する整骨院の2〜3%しか残らない」との予測もあるほどです。

こうした背景には、保険制度の厳格化、不正請求問題、集客戦略の欠如などが挙げられます。
(参考:厚生労働省関東信越厚生局「柔道整復師等における不正請求の取扱いについて」)

それでも増え続ける整骨院の現実

帝国データバンクの調査によると、整骨院は2018年までの10年間で約1.4倍に増加。
柔道整復師が施術する院は約5万件に達し、供給過多の状態が続いています。
参考:2018年「マッサージ業、接骨院等」の倒産状況は過去10年で最多93件に急増、5年連続で前年を上回る(東京商工リサーチ)
養成学校の緩和による資格取得者の増加に加え、マッサージサロンや整形外科といった類似業種との競合も激化しています。

このように、整骨院業界はまさに“激戦市場”。
マーケティングの有無が経営の明暗を分ける時代に突入しています。

適切なマーケティングを行わずに開業すれば、ターゲット患者に情報を届けられず、リピート率も伸びません。
逆に、患者の行動データを分析し、デジタル施策と地域密着の両輪で戦略を練れば、競合を上回るポジションを築くことが可能です。

接骨院・整骨院でマーケティングを行うメリット

「技術さえあれば患者さんは自然に集まる」
そう考えている整骨院・接骨院の先生も少なくありません。
しかし、現在のように競合が多い市場では、マーケティング戦略を立てなければ安定した経営は難しいのが現実です。

ここでは、整骨院がマーケティングを行うことで得られる3つの主なメリットを紹介します。

患者数が増える

マーケティングとは、「患者の求めるものを理解し、それに基づいて集客の仕組みを作ること」です。
「どのような悩みを持つ人が、どんなタイミングで整骨院を探すのか」を分析することで、広告・Webサイト・SNSなどの打ち出し方が明確になります。

たとえば、「肩こりが慢性化しているデスクワーカー」や「産後の骨盤ケアを求める女性」など、ターゲットを具体化すればするほど、訴求が的確になり来院率が上がります。
結果として、新規患者の増加やリピート率の向上につながります。

収益が安定する

マーケティングを行うと、患者のニーズを踏まえた経営判断ができるようになります。
多くの院が陥る失敗例として、「立地や営業時間がターゲットと合っていない」ケースが挙げられます。

例えば、オフィス街にある整骨院が17時閉店では、仕事帰りのビジネスパーソンを取りこぼしてしまいます。
一方、マーケティングで患者層の生活パターンを分析すれば、営業時間やサービス内容を柔軟に調整し、来院機会を最大化できます。

こうした改善の積み重ねが、安定した来院数と収益の確保につながります。

競合との差別化ができる

マーケティングのもう一つの大きな効果が、自院の強みの明確化です。
「腰痛治療が得意」「初診カウンセリングに時間をかけて信頼関係を築く」など、自院の価値を明文化することで、競合との差別化が可能になります。

また、強みとターゲットを明確にすることで、
「地域密着型×姿勢矯正専門」
「女性向け×産後骨盤矯正」
といったように、ブランディングに一貫性を持たせた集客施策を展開できるようになります。

結果として、価格競争に巻き込まれず、ファン化した患者の継続来院が期待できます。

整骨院マーケティングに取りかかる前に知っておきたい基礎知識

整骨院で集客や経営を安定させるために、まずは「マーケティングとは何か」を正しく理解しておくことが大切です。
「マーケティング=集客活動」と考えている方も多いですが、実際にはそれだけではありません。

マーケティングとは「売れる仕組みを作ること」

マーケティングとは、企業(あるいは店舗)が市場価値のある商品・サービスを継続的に提供するための活動や仕組みのことを指します。
整骨院に置き換えると、その理想形は次のような状態です。

営業をしなくても、患者さんが自然と予約を入れてくれる。
新規患者が途切れず来院し、リピート率も高く、安定して売上が伸びていく。

つまり、「売り込まなくても売れる状態を作る」ことが、マーケティングの本質なのです。
この仕組みを整えることで、あなたの整骨院は“選ばれる院”へと進化します。

成功する整骨院に共通する「購買サイクル」とは?

すべてのビジネスには、次のような購買サイクルが存在します。

認知 → 興味 → 検討 → 予約(購入) → 継続 → 応援(紹介)

見込み患者があなたの院を知り、興味を持ち、比較・検討を経て来院し、
その後リピーターになり、さらに友人を紹介してくれる――この流れが理想的なマーケティングサイクルです。

つまり、整骨院のマーケティングとは、この6つのステップを設計し、仕組み化することです。
各ステップに対応する施策を整えれば、集客が自動化される“売れ続ける仕組み”が完成します。

オンラインとオフラインを両輪で活用する

現在、整骨院業界でもオンラインマーケティングの重要性が高まっています。
SNSでの情報発信やGoogleマップの強化、Web広告の活用などを行っている整骨院は、
どの地域でも着実に売上を伸ばしています。

「うちは高齢者が多いからネットは関係ない」と考える方もいますが、それは誤解です。
今や多くのシニアがスマートフォンを使いこなしており、検索やLINE予約を日常的に活用しています。

そのため、整骨院の集客には自院のWebサイトが必須です。
まだホームページを持っていない場合は、まず自院サイトを整備しましょう。

一方で、チラシ・看板・地域イベントなどのオフライン施策も依然として有効です。
地域の特性や患者層に合わせ、オンラインとオフラインを掛け合わせたマーケティング設計を行うことで、より安定した集客につながります。

整骨院のペルソナマーケティングとは?

地域の患者さんに選ばれる整骨院になるためには、まず「どんな患者さんに来てほしいのか」を明確にする必要があります。
この考え方の軸となるのが「ペルソナマーケティング」です。

「ペルソナって聞いたことはあるけど、実際どう使えばいいの?」
そんな方のために、ここでは整骨院におけるペルソナ設定の基本をわかりやすく解説します。

整骨院における「ペルソナ」とは?

整骨院におけるペルソナとは、理想的な患者像を具体的に描いた人物モデルのことです。
「男性か女性か」「若者かシニアか」といった属性だけでなく、
どんな悩みを抱え、どんな目的で整骨院を利用しているのかまでを細かく設定します。

このペルソナを誤って設定すると、集客施策が的外れになり、患者とのミスマッチが起こります。

例えば

  • 産後骨盤矯正を専門にしている整骨院なのに、男性を集客している
  • スポーツ外傷をメインにしているのに、高齢者をターゲットにしている

こうしたズレは、「誰に来てほしいのか」が曖昧なままマーケティングを進めてしまう典型例です。

ペルソナマーケティングを導入することで、「狙うべき患者像」×「提供すべき価値」を一致させることができます。

ペルソナとターゲットの違い

混同されがちですが、ペルソナとターゲットは別物です。
ターゲットは「30代女性・主婦・○○市在住」など、ある程度の層を指します。
一方ペルソナは、そのターゲットを代表する架空の一人の人物像です。

たとえば、次のように設定します。

例1:オフィスワーカーのサトウさん

  • 年齢:38歳
  • 職業:デスクワーク中心の会社員
  • 悩み:長時間のPC作業で肩こり・腰痛が慢性化
  • ニーズ:疲労回復、姿勢改善、リフレッシュできる空間

例2:アスリート志向の大学生タカシさん

  • 年齢:21歳
  • 職業:大学生(陸上部所属)
  • 悩み:スポーツによる筋肉疲労・パフォーマンス低下
  • ニーズ:ケガの予防・治療、トレーニングサポート

例3:介護職のエミさん

  • 年齢:60代
  • 職業:介護施設勤務
  • 悩み:腰や関節の痛み、筋力の低下
  • ニーズ:痛みの軽減、体力維持、日常生活動作の改善

例4:妊婦のユキさん

  • 年齢:33歳
  • 職業:主婦(出産を控えたママ)
  • 悩み:妊娠による腰痛、むくみ、体調変化
  • ニーズ:安全なマタニティ整体、体調管理サポート

このように、ペルソナを詳細に設定すると、
「どんな訴求をすれば響くか」「どんなコンテンツを発信すべきか」が明確になります。

チラシのデザイン、Webサイトのコピー、SNS投稿の内容、LINE配信文面など
すべてをペルソナに合わせて作ることで、一貫したメッセージ発信が可能になります。

ペルソナってどうやって設定するの?

「ペルソナを設定したほうがいいのは分かるけど、どう作ればいいの?」
そう感じる整骨院の経営者も多いのではないでしょうか。

ペルソナは架空の人物像ですが、決して感覚で作るものではありません。
根拠あるデータと実際の患者さんの声をもとに、段階的に作り上げていくことが大切です。

ステップ①:情報を収集する

まずは、ペルソナを設定するための材料を集めましょう。
以下のような情報ソースからデータを収集します。

  • 既存の患者さんへのインタビューやアンケート
  • 既存患者データの分析(年齢層・性別・来院頻度・主訴など)
  • 自院および競合他院の口コミサイト・SNS投稿
  • 政府や専門調査機関による市場データ(例:中小企業基盤整備機構、矢野経済研究所など)

とくに信頼性が高いのは、実際に通院している患者さんへのヒアリングです。
アンケートを取る際は「どんな人を増やしたいのか(理想の患者層)」を明確にしたうえで、
その患者を担当したスタッフにも「どんな悩みを抱えていたか」「来院のきっかけは何か」を共有してもらうと良いでしょう。

ステップ②:情報を整理してペルソナに落とし込む

集めた情報を整理し、以下のような視点で分類します。

  • 来院動機(例:慢性腰痛、姿勢改善、美容目的 など)
  • 抱えている悩み(例:肩こり・産後不調・疲労 など)
  • ライフスタイル(例:デスクワーク中心・育児中・スポーツ習慣あり)

分類した情報から共通点を見出し、最も典型的な人物像を1人のペルソナとして設定します。
設定後は、院内スタッフにも共有し、「この人物なら本当に来院しそうか?」を多角的にチェックしましょう。
複数の視点から意見をもらうことで、より現実的なペルソナになります。

ステップ③:データをもとに“思い込み”をなくす

整骨院というと「年配の方が多い」というイメージを持たれがちですが、
実際には20〜30代の女性が最も多く通っているというデータがあります。

整骨院利用率(出典:中小企業基盤整備機構)
30代女性:17%
20代女性:16%
30〜40代男性:16%

このデータから、「20〜30代女性」をペルソナに設定した場合、次のような悩みが想定できます。

  • 血流を良くして冷え性を改善したい
  • 肩こり・むくみを解消したい
  • 生理痛やホルモンバランスを整えたい
  • 美肌や姿勢改善を目指したい
  • 産後太りを予防したい

つまり、「美容・健康の両立」を求める層を意識した施術メニューや広告訴求が効果的になります。

新規の患者さんを整骨院に呼び込むマーケティング戦略

ここからは、設定したペルソナをもとに、実際に患者さんを集客する具体的な方法について解説します。

整骨院経営における最大の課題のひとつが「新規患者の獲得」です。
一般的に、新規患者を獲得するコストは、既存患者をリピートさせるコストの5倍以上かかると言われています。
それでも、すべてのリピーターは最初に「新規」として来院してくれた人から始まります。
つまり、新規患者の獲得は、整骨院の成長に欠かせない最重要テーマなのです。

この章では、来院経験のない新規患者が
「あなたの整骨院を知り(認知)→興味を持ち→比較・検討し→実際に来院する」
という一連の流れを生み出すためのマーケティング戦略を、段階的にご紹介します。

競合分析を行う

ペルソナを設定したら、次に行うべきは競合分析です。
整骨院の集客においては、近隣にある他院との違いを明確にすることが非常に重要です。

まずは、自院と同じ地域にある整骨院・接骨院をリストアップし、それぞれがどんな強みを打ち出しているのかを書き出してみましょう。

  • どんな症状や悩みに特化しているのか
  • どんなターゲット層(女性・スポーツ選手・高齢者など)を重視しているか
  • 口コミやSNSで評価されているポイントは何か

このような視点で競合を観察することで、自院が今後どの方向に差別化を図るべきかが見えてきます。
競合と重なる強みがあれば、より質を高める方向で磨き込みましょう。
一方で、他院が提供していない要素を見つけられれば、それが自院ならではの魅力になります。

また、整骨院だけにとどまらず、設定したペルソナに人気のあるお店(美容サロン・ヨガスタジオ・カフェなど)を参考にするのも効果的です。
競合ではなくとも、「なぜそのお店がターゲット層に支持されているのか」を分析することで、
内装・接客・発信の仕方など、整骨院経営に取り入れられるヒントが見つかるはずです。

ニーズに合った施術メニューを作る

整骨院の強みをつくるうえで最も重要なのは、施術メニューの設計です。
ペルソナで設定した患者像のニーズをもとに、他院にはないメニューを作りましょう。

オリジナル施術を設計する際の基本条件は次の3つです。

  1. 患者さんが望んでいること
  2. 他院では提供していないこと
  3. 自院で提供できること

この3点を満たすメニューこそが、自院独自の強みになります。

たとえば、

  • 産後ケアを重視するなら「産後骨盤矯正×体幹トレーニング」
  • デスクワーカー向けなら「猫背矯正×ストレッチ整体」
  • シニア層向けなら「転倒予防×バランス改善プログラム」

といった形で、「ペルソナの悩みを直接解決できるメニュー」を打ち出すと、強い訴求になります。

他院にない強みを明確に打ち出すことができれば、それが患者さんの来院理由となり、
「この整骨院でなければダメ」と思ってもらえるリピーターづくりにもつながります。

SEOで自院のWebサイトを上位表示させる

SEO(Search Engine Optimization)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで自院のWebサイトを上位に表示させるための対策です。
整骨院の集客において、SEOは最も効果的かつ費用対効果の高い手段のひとつです。

たとえば、患者さんが「○○市 整骨院」や「腰痛 整骨院」と検索したときに、
検索結果の上位にあなたの整骨院が表示されていれば、そのまま来院につながる可能性が高まります。

SEOは広告とは異なり、継続的にアクセスを得られる“資産型集客”です。
一度上位表示されれば、広告費をかけずに安定した集客効果を見込めます。

まずは「地域名」を入れたタイトルタグを設定

最も基本的で効果的なSEO対策は、Webサイトのトップページに地域名を含めたタイトルタグを設定することです。
たとえば「渋谷区の整骨院なら〇〇整骨院|腰痛・肩こり専門」といった形です。
これだけでも、地域検索での上位表示が狙えます。

症状別・施術別ページで検索ニーズを広げる

トップページだけでなく、「整骨院 ぎっくり腰」「整骨院 姿勢矯正」など、
症状名や施術内容ごとの検索キーワードで上位を狙えるページを複数用意しましょう。

このとき、前項で設定した「ペルソナのニーズ」や「自院の強み」をもとにしたテーマでコンテンツを作るのがポイントです。
患者さんの悩みを具体的に解決するページを増やすことで、検索からの流入を幅広く獲得できます。

キーワードはペルソナに合わせて選定する

たとえば、ターゲットが「デスクワークで肩こりに悩む30代女性」なら
「肩こり 改善 ストレッチ 整骨院」「姿勢改善 整体 女性専用」といった検索語を意識しましょう。

一方で、シニア層が多い地域なら「腰痛 改善 リハビリ 整骨院」など、
世代やライフスタイルに応じてキーワードを調整することが大切です。

専門業者に依頼するのも効果的

SEOは一見シンプルに見えて、実際には技術的要素や継続的改善が求められます。
自院で試してもうまく順位が上がらない場合は、整骨院SEOに強い制作会社やマーケティング会社へ依頼するのも効果的です。

「SEO+MEO(マップ対策)+SNS運用」を総合的にサポートしてもらうことで、
地域での認知を一気に高めることができます。

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MEOで自院を地域の患者さんに見つけてもらう

MEO(Map Engine Optimization)とは、Googleマップ上で自院を上位に表示させるための集客施策です。
患者さんが「〇〇市 整骨院」「〇〇駅 接骨院」などと検索した際、マップの上位に自院が表示されれば、地域の新規患者さんからの来院につながる確率が格段に高まります。

今では多くの人がスマートフォンでGoogleマップを使い、来院先を選んでいます。
整骨院のように地域密着型のビジネスでは、MEO対策を行うことで**“近くの整骨院”として確実に認知されること**が重要です。

Googleビジネスプロフィールを最適化する

まずは、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)に以下の情報を正確に登録しましょう。

  • 院名・住所・電話番号(NAP情報)
  • 営業時間・休診日
  • サービス内容・施術メニュー
  • 院内写真・スタッフ写真
  • 対応可能な症状(例:肩こり・腰痛・交通事故治療など)

この基本情報を充実させるだけでも、Googleマップ上での露出が増え、上位表示される可能性が高まります。

口コミの獲得と返信がカギ

Googleマップでは、口コミが整骨院選びの大きな判断材料になります。
既存の患者さんに協力してもらい、口コミ投稿をお願いしましょう。
口コミの数や評価が多いほど、検索上位に表示されやすくなります。

また、投稿された口コミへの返信も非常に重要です。
「丁寧なご感想ありがとうございます」など誠実な対応を心がけながら、
返信文中に「〇〇市の整骨院」「〇〇駅近く」などの地域キーワードを自然に含めることで、SEO効果を高めることができます。

クーポンやキャンペーン情報も有効活用

Googleビジネスプロフィールには、投稿機能やクーポン発行機能があります。
これを活用して、初回限定キャンペーンや季節ごとのイベントを発信しましょう。

たとえば、

  • 「初回限定!姿勢改善体験コース1,000円OFF」
  • 「夏の冷房疲れ対策キャンペーン実施中」
    などを掲載すれば、検索時に目を引き、来院への動機づけになります。

ホットペッパーへの広告出稿で知名度を高める

整骨院・接骨院の集客手段として、ホットペッパー(Hot Pepper Beauty)への広告出稿は非常に有効です。
美容・健康分野における認知度が高く、医療・施術の分野でも強い影響力を持つため、掲載するだけで多くの新規患者層に自院をアピールできます。

ただし、ホットペッパーは整骨院・整体院・リラクゼーションなど、同業他社の掲載も非常に多い一大ポータルサイトです。
そのため、他院との差別化を図る工夫が必要となります。

たとえば、

  • 掲載プランを上位グレードにする
  • 写真やキャッチコピーを改善する
  • 初回限定クーポンや人気メニューを打ち出す
    など、ユーザーの目を引く工夫を行いましょう。

また、ホットペッパーは「予約導線の最適化」や「口コミの可視化」にも優れているため、他媒体と連携させてブランディングを強化するのも効果的です。

リスティング広告で「今すぐ客」を狙う

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、関連キーワードが入力された際に表示される検索連動型広告のことです。
たとえば「〇〇市 整骨院」「肩こり 改善 整骨院」などのキーワードで広告を出稿すれば、すぐに施術を受けたいユーザー(今すぐ客)にアプローチできます。

リスティング広告の最大のメリットは、クリック課金制(CPC)である点です。
広告が表示されても、クリックされなければ費用は発生しないため、無駄な広告費を抑えながら効率的に集客が可能です。

一方で、最近ではユーザーの広告離れも進んでおり、クリック率は年々低下傾向にあります。
そのため、リスティング広告で成果を出すには、以下のような工夫が欠かせません。

  • キーワードを地域・施術内容・悩み別に細かく設定する
  • 広告文をユーザー心理に合わせて改善する
  • ランディングページ(LP)を最適化して予約まで誘導する

適切な設計を行えば、即効性のある集客施策として整骨院の新規患者獲得に大きく貢献します。

オンラインプレゼンスを強化して自院の信頼性を高める

「オンラインプレゼンス」とは、簡単に言えばインターネット上での存在感や信頼性のことです。
整骨院がどのように認知され、どんな印象を持たれているかは、今やオンライン上での発信内容によって大きく左右されます。

WebサイトやSNSのプロフィール、投稿内容、口コミ対応など、インターネット上のすべての活動がブランド形成につながります。
つまり、オンラインプレゼンスを強化することは、「選ばれる整骨院」になるための第一歩なのです。


SNS発信でブランドを育てる

整骨院のオンラインプレゼンスを高めるには、Twitter(X)・Instagram・YouTubeなどのSNSを活用した情報発信が効果的です。
特にInstagramは、店舗の雰囲気や施術の様子を写真・動画で直感的に伝えられるため、新規患者の信頼を得やすい媒体です。

投稿する内容の例:

  • スタッフ紹介や院内の雰囲気を伝える投稿
  • 施術のビフォーアフター(顔出しOKな場合)
  • 姿勢改善・ストレッチなどの豆知識
  • キャンペーンや営業時間の案内

SNSは短期的な効果を狙うものではなく、コツコツと継続して更新することで信頼を積み上げるツールです。
1日中スマホに張り付く必要はありません。週に1〜2回でも継続することが、結果的にフォロワー増加や来院促進につながります。


SNSは「検索ツール」として活用されている

近年では、整骨院を探す際にGoogle検索ではなくInstagramやTikTokで検索するユーザーが増えています。
特に20〜40代の層では、SNS上の口コミや投稿内容をもとに「雰囲気が良さそう」「ここなら安心できそう」と判断する傾向が強くなっています。

つまり、SNS上での発信は単なる宣伝ではなく、信頼を可視化するためのマーケティングとも言えます。
口コミ投稿やハッシュタグを活用し、地域名+施術内容(例:「#渋谷整骨院」「#姿勢矯正」)で投稿を最適化しましょう。


SNSでキャンペーンやイベントを拡散する

SNSは、キャンペーンやイベント告知にも最適です。
たとえば以下のような活用が考えられます。

  • 「初回限定割引」「友達紹介キャンペーン」を投稿
  • 季節ごとの健康テーマに合わせたイベントを開催
  • ストーリーズ機能で当日の空き状況を発信

投稿を見たフォロワーがシェアやコメントをすることで、自然な口コミ効果が広がり、新規患者の認知拡大にもつながります。


続けやすい方法で発信を習慣化しよう

「どうせ見てくれる人はいない」と思ってしまうと、SNS運用は続きません。
しかし、整骨院のSNSは“バズ”を狙う必要はなく、地域の患者さんに誠実な情報を届ける場と考えるのがポイントです。

・毎週1回の投稿
・Googleビジネスプロフィールと内容を連携
・スタッフ交代で発信を担当

このように「無理なく継続できる仕組み」をつくることで、安定的にオンラインプレゼンスを高めることができます。

情報誌・フリーペーパー広告で地域の認知度を高める

オンライン施策が主流になりつつある今でも、紙媒体による集客は地域密着型の整骨院にとって有効な手段です。
地域で配布されている情報誌やフリーペーパーに広告を掲載することで、インターネットをあまり利用しない層にも自院の存在を知ってもらうことができます。

広告を出す際は、以下の3点を意識しましょう。

  • 自院の強みを明確に伝える(例:肩こり特化・姿勢矯正専門など)
  • 患者さんの悩みに共感し、解決方法を提示する
  • 電話・LINE予約など、行動につながる導線を設ける

また、紙媒体はビジュアルの印象が重要です。
院内写真やスタッフの笑顔を掲載し、「親しみやすさ」「清潔感」「安心感」を伝えることで、初めての患者さんにも心理的なハードルを下げられます。

イベントやキャンペーンで来院のきっかけをつくる

地域の整骨院における集客で効果的なのが、イベントやキャンペーン施策です。
特に、他院やクリニックに通っていた患者さんを取り込むには、「お試し体験」「初回特典」などの企画が効果的です。

たとえば次のような施策が挙げられます。

  • 初回限定で施術料金を割引
  • お試しマッサージの無料体験会
  • 季節行事に合わせたプレゼント企画(例:夏の冷え対策グッズ)
  • 来院者限定の抽選会・くじ引きイベント

こうしたイベントは、前項で説明した「購買サイクル」のうちの「認知 → 興味 → 来院」を自然に促す効果があります。
特に、地域のイベントと連動して開催することで、新しい患者層との接点を生み出すことが可能です。

クーポン発行で集客効果を最大化する

イベントやキャンペーンの効果をさらに高めるには、クーポンの活用も有効です。
LINE公式アカウントやGoogleビジネスプロフィールでは、簡単にクーポン機能を設定できます。

たとえば以下のようなクーポンを発行すると良いでしょう。

  • 「初回限定:全身調整コース1,000円OFF」
  • 「口コミ投稿で次回500円OFF」
  • 「友達紹介で両方に施術チケットプレゼント」

これらを紙広告やSNS投稿と組み合わせて告知すれば、オンライン・オフライン双方から新規患者を獲得できます。
また、クーポンの使用状況を分析することで、どの施策が最も集客につながったかも把握でき、次のマーケティング施策に活かせます。

チラシで地域住民の目に留まる集客を狙う

チラシは、整骨院・接骨院の集客において費用対効果の高いオフライン施策のひとつです。
ポスティングや店頭配布を通して、地域に住む方々の目に触れる機会を作れるため、地域密着型の集客に適しています。

一方で、掲載できる情報量に限りがあり、他のチラシと並ぶと内容が埋もれやすいという課題もあります。
そのため、デザインやキャッチコピーで印象を残す工夫が欠かせません。

整骨院・接骨院のチラシ活用のポイント

チラシを制作する際は、まず目的とターゲットを明確にすることが最優先です。
誰に・どんなメッセージを伝えたいのかを明確にすることで、デザインや内容の方向性が自然と決まります。

① ターゲットを明確にする

チラシを見て来院してほしいのは、どんな方でしょうか?
年齢・性別・生活スタイルなどをできるだけ具体的にイメージしましょう。

設定のヒント:

  • 年齢層は?(例:30〜50代の女性、学生アスリート、高齢者など)
  • 来院の目的は?(例:腰痛・肩こり・骨盤矯正・交通事故治療など)
  • どんな悩みを抱えているか?(例:慢性的な疲労、猫背、姿勢改善など)

こうしたペルソナ像を明確にすることで、チラシに載せるメッセージが一貫し、反応率を高められます。

② 自院の「強み」を明確に打ち出す

整骨院・接骨院は地域内に複数存在することが多いため、他院との差別化ポイント(推しポイント)を明確に打ち出すことが重要です。
単に「〇〇が得意です」と書くだけでなく、患者さんの目線に立って「なぜ選ばれるのか」を伝えましょう。

推しポイントの例:

  • 国家資格を持つ経験豊富なスタッフが在籍
  • 症状の根本改善にこだわった施術
  • 姿勢・骨盤矯正に特化した治療メニュー
  • 平日夜遅くまで営業/キッズスペース完備
  • 女性スタッフによる丁寧なカウンセリング

さらに、先生の経歴やメディア掲載実績、専門資格などがあれば、信頼性の証拠として積極的に記載すると良いでしょう。

③ デザインとキャッチコピーで印象を残す

チラシは一瞬で目を引けるかどうかが勝負です。
「どんな悩みを解決できるのか」をひと目で伝えるキャッチコピーを用意しましょう。

例:

  • 「その腰痛、我慢していませんか?当院なら初回で変化を実感!」
  • 「姿勢改善で−5歳見え!骨盤矯正専門の整骨院」
  • 「交通事故治療に強い整骨院。夜21時まで受付中!」

デザイン面では、清潔感のある配色(白・水色・緑系)や、笑顔のスタッフ写真、ビフォーアフター写真などを効果的に使いましょう。
「安心感」「誠実さ」「地域密着感」を意識すると反響が高まりやすくなります。

④ 配布エリアを戦略的に選ぶ

整骨院・接骨院の商圏は、都市部であれば半径2〜3km以内、地方であれば5km程度が目安です。
ターゲット層が多く住む地域や通勤・通学経路に合わせてポスティングを行いましょう。

また、駅前・スーパー・ドラッグストア・郵便局など、人通りの多い場所に設置しても効果的です。
配布の際は、「初回割引券付き」や「口コミ投稿で次回500円OFF」など、行動を促す仕掛けを加えると反応率がアップします。

地域密着で選ばれる整骨院を目指す

整骨院の経営において、地域とのつながりを深めることは非常に重要なマーケティング戦略です。
どれほど技術力が高くても、地域住民に知られていなければ来院にはつながりません。
「地域で信頼される整骨院」として認知を高めることが、安定した経営の第一歩です。

街の特徴や人の流れを把握する

まずは、自院が位置する地域の特性をしっかり分析しましょう。
人口構成(高齢者が多い/ファミリー層が中心など)や、通勤・通学ルート、主要施設(駅・スーパー・学校など)の位置を把握することで、どんな層にどんな方法でアプローチすべきかが明確になります。

例えば、

  • 住宅地が多いエリアなら「主婦・シニア層向けの健康サポート施術」
  • 駅近エリアなら「ビジネスマンの肩こり・腰痛特化メニュー」
  • 学校が多い地域なら「学生アスリートのケア・スポーツ外傷対策」

といったように、地域ごとの生活リズムやニーズに合わせた施策を展開することが効果的です。

地域イベント・ボランティア活動への参加

地域で開催されるお祭り・健康フェア・地域清掃・スポーツ大会などのイベントに積極的に参加することで、自然に自院の存在をアピールできます。
「健康チェックブース」や「姿勢診断体験」「無料ストレッチ指導」などを実施すると、参加者との接点が生まれ、信頼関係の構築にもつながります。

また、地域ボランティアや学校・企業とのコラボも有効です。

  • 地元の企業イベントで健康講座を開催
  • 高齢者施設でのリハビリサポート体験会
  • 小学校・中学校での「ケガ予防セミナー」

このように、地域の健康づくりに貢献する整骨院として認知されることで、口コミや紹介が自然に広がっていきます。

市区町村の取り組みを活用する

意外と見落とされがちなのが、市区町村の地域活性化施策や健康推進イベントへの参加です。
自治体の広報誌やホームページでは、地域医療・健康に関するプロジェクトや助成制度の情報が掲載されています。

例えば、

  • 「健康フェスティバル」「地域医療週間」などの公式イベント
  • 商工会議所や地域振興会による販促支援企画
  • 高齢者向け「介護予防プロジェクト」

こうした行政主催イベントに協賛・参加することで、地域行政との信頼関係の構築や広報面での露出強化が期待できます。

患者さんにリピートしてもらうマーケティング

整骨院の経営を安定させるには、一度来院してくれた患者さんにリピートしてもらう仕組みづくりが欠かせません。
ここでは、リピーターを増やすための具体的なマーケティング施策を紹介します。

① 次回予約をその場で取ってもらう

最も効果的なリピート獲得の方法は、初回施術の際に次回予約をしてもらうことです。
その場で予約を促すことで、患者さんにとっても「予約忘れの防止」や「定期的なメンテナンスの習慣化」というメリットが生まれます。

ただし、次回予約をスムーズに取ってもらうには、初回時のカウンセリングと信頼構築が重要です。

  • 痛みの原因を丁寧に説明する
  • 治療期間や施術の目安を提示する
  • 改善の見込みを具体的に伝える

こうした丁寧な説明によって、患者さんは「この先生に任せたい」と感じ、自然と次回の予約へとつながります。

② 予約のしやすさを整える

現代の整骨院のリピーターは、忙しい30〜40代の女性や会社員層が中心です。
そのため、予約が取りにくい環境ではリピート率が下がってしまいます。

電話のみの受付では、営業時間外に予約できないという不便さから他院へ流れてしまう可能性も。
今では、24時間対応のオンライン予約システムやLINE公式アカウントによる予約受付が主流です。

LINE予約はユーザーの利用率が高く、通知も届きやすいため、リピート促進に最適です。
「簡単・スムーズ・いつでも予約できる」仕組みを整えましょう。

③ 新しいサービスや施術を取り入れる

患者さんに飽きられない整骨院であるためには、新しいサービスや技術の導入も大切です。
既存の患者さんからアンケートや口コミを通じて意見を集め、求められている施術を取り入れましょう。

例えば:

  • 季節に合わせた限定メニュー(例:冷え・むくみ対策施術)
  • パーソナルトレーニングやストレッチ教室の併設
  • 自宅ケアグッズの販売・アドバイス

患者さんの声を反映した新サービスは、「また行きたい整骨院」という印象を強め、リピート率向上につながります。

④ リピート率を定期的に分析・改善する

経営を安定させるためには、リピート率を数値で把握することが欠かせません。
単に「常連が増えた気がする」ではなく、再来率を定期的に計測しましょう。

特にチェックすべきは、

  • 何回目の来院で離脱が多いか
  • どの施術メニューでリピート率が高いか
  • スタッフごとの再来率の違い

これらを把握することで、改善ポイントを明確にできます。

たとえば「2~3回目で離脱する患者が多い」場合、

  • 効果が実感できるまでの説明不足
  • 施術メニューの内容・頻度が合っていない
    といった課題が潜んでいる可能性があります。

分析→改善を繰り返すことで、自然とリピート率は向上します。

⑤ リピート率が低い原因を見直す

リピート率が伸びない場合、以下のような原因が考えられます。

  1. 患者の悩みを的確に解決できていない
  2. 継続的な通院による効果を伝えきれていない
  3. 来院後に「また行きたい」と思わせる仕掛けがない
  4. 院内の雰囲気や接客に問題がある
  5. 料金に対して満足感が得られていない

これらの課題を洗い出し、改善していくことが、安定した経営とファンづくりの鍵です。

休眠患者さんに再来院してもらうマーケティング戦略

新しい患者さんを集客することも重要ですが、一度来院したことのある休眠患者さんに再来院してもらうことも同じくらい大切です。
なぜなら、新規患者を獲得するよりも再来院を促す方がコストも時間も少なく済むからです。

新規の患者さんを来院に導くには「認知 → 興味 → 検討 → 来院」というステップを経る必要があります。
一方、休眠患者さんの場合はすでに整骨院を知っているため、「検討 → 来院」のみで完結できます。
つまり、少ないアプローチで高い効果を得られるのが休眠患者マーケティングの特徴です。

ここでは、休眠患者さんを再来院につなげる具体的な施策を紹介します。

① ハガキやダイレクトメール(DM)を送る

最も基本的で効果的な方法が、ハガキやダイレクトメールを使ったアプローチです。
ただし、一律の文章を送るのではなく、状況やタイミングに合わせたメッセージ設計が重要です。

■ 誕生日メッセージを送る

患者さんの誕生日は、再来院を促す絶好のチャンスです。
前回の施術内容や来院からの期間、年齢層などを考慮したうえで、パーソナライズされたお祝いメッセージを送りましょう。

例:「〇〇様、お誕生日おめでとうございます!
最近お身体の調子はいかがでしょうか?
今月は誕生月特典として、〇〇施術を10%OFFでご案内しております。」

このように、誕生月限定のクーポンや特別案内を添えることで、行動につながりやすくなります。

■ 周年記念のご案内

整骨院・接骨院の開業○周年といった節目も、DMを送る絶好の機会です。
「日頃の感謝の気持ち」をメッセージに込め、イベントや割引情報を合わせて伝えましょう。

ただし、一斉送信のような定型文では特別感が薄れます。
患者さんの名前や過去の来院履歴を入れるなど、個別対応のひと工夫が信頼感を高めます。

■ 新しい設備・メニュー導入のお知らせ

新しい施術機器やメニューを導入したタイミングも、休眠患者さんに再来院を促すチャンスです。
特に、前回来院時の悩みをより深く解決できる内容であれば、再来院率が大きく上がります。

例:「以前お越しいただいた際のお悩み“肩こり”に効果的な最新機器を導入しました」
「既存患者様限定で初回体験を割引価格でご案内いたします」

このように、「あなたのための特別なご案内」であることを伝えるのがポイントです。

■ 年賀状・暑中見舞いで自然にアプローチ

ハガキを送るきっかけがない場合でも、年賀状や暑中見舞いなどの季節の便りは好印象です。
一斉送付でも構いませんが、先生の顔写真や似顔絵を入れるだけで親近感が生まれます。

また、「今年も健康をサポートします」「夏バテ予防のストレッチ体験実施中」といった季節に合わせた一言を添えると、反応率が向上します。

② 電話でのフォロー連絡を行う

DMよりも労力はかかりますが、話によるフォローは最も反応率の高い手法の一つです。
直接声を聞いてもらえるため、温かみが伝わりやすく、再来院のきっかけを作りやすいのが特徴です。

ただし、「営業目的の電話」と思われないよう、誠実なトーンでの会話が重要です。

例:「お久しぶりです、〇〇整骨院の△△です。以前ご来院いただいた際の〇〇(症状)はその後いかがでしょうか?
新しい施術メニューが加わりましたので、もしご興味があればご案内いたします。」

患者さんの健康を本気で気づかう姿勢を見せることで、「また行こうかな」という気持ちを引き出せます。


③ LINE公式アカウントでリテンションを強化

最近では、ハガキや電話よりもLINE公式アカウントを活用した再来院マーケティングが主流です。
クーポン配信や新メニュー案内をタイムリーに届けられ、既存顧客とのコミュニケーションコストも削減できます。

  • 自動配信で「○ヶ月以上来院のない方」にだけメッセージを送る
  • 誕生月限定のクーポンを自動配布
  • 来院後アンケートや健康コラムの配信

このような「再来店導線の自動化」は、少ない工数で高い効果を得られる仕組みとして注目されています。

整骨院のマーケティングなら ArchRise

整骨院・接骨院の集客・リピート・ブランディングは、単なる広告施策だけでは限界があります。。
ArchRiseでは、整骨院業界に特化したマーケティング設計と運用支援を提供しています。

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まとめ

本記事では、整骨院がマーケティングを戦略的に行うための基本概念から、
新規集客・再来院施策・休眠患者対応まで、具体的な手法をお伝えしました。

特に押さえておきたいポイントは以下の通りです:

  1. ペルソナを明確にすること で、「誰に」「何を」伝えるかが決まる
  2. 集客は Web(SEO・MEO・SNS)とオフライン(チラシ・イベント等)を組み合わせること
  3. リピーター対策・休眠患者対応も忘れずに行い、顧客生涯価値(LTV)を最大化する
  4. 定期的な数値分析と改善 を繰り返すことで、マーケティングは効果を生み続ける

マーケティングは一度取り組んで終わるものではありません。
環境変化や競合変動を常に意識しながら、柔軟に戦略をアップデートしていくことが不可欠です。
この記事が、整骨院の先生方が“選ばれる院”を創り上げるヒントになれば幸いです。

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