化粧品・コスメ業界のリスティング広告|成果が出ない原因と改善策

「リスティング広告を活用して、新規顧客を獲得したい」
「化粧品業界の競合と比べて、広告成果を伸ばしていきたい」

このように考えている企業担当者の方も多いのではないでしょうか。

近年、実店舗での購買行動は変化しており、化粧品・コスメ業界においてもオンライン上での集客や売上拡大の重要性が高まっています。その中で、検索ニーズが顕在化したユーザーに直接アプローチできるリスティング広告は、非常に相性の良い集客手法のひとつです。

化粧品やコスメに関する検索を行うユーザーは、自身の肌悩みや目的を明確に認識しているケースが多く、「比較したい」「詳しく知りたい」「購入を検討している」といった段階にあります。そのため、検索意図に合った広告と適切な遷移先ページを用意することで、コンバージョンにつなげやすい特徴があります。

一方で、化粧品業界のリスティング広告では、薬機法や景品表示法などの広告表現に関する制約を正しく理解したうえで運用する必要があります。表現ルールを誤ると、広告が配信停止になるだけでなく、ブランドイメージに影響を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。

本記事では、化粧品業界におけるリスティング広告の効果や、成果につなげるための運用ポイント、広告出稿時に押さえておきたい薬機法を意識した表現の考え方について解説します。あわせて、検索ニーズやクリック単価の傾向を踏まえた戦略的な運用方法も紹介します。

化粧品・コスメ業界でリスティング広告を活用し、新規顧客獲得や売上向上を目指したい経営者・Web担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

そもそもリスティング広告は化粧品業界でも効果はあるのか?

結論からいえば、リスティング広告は化粧品業界においても売上拡大につながりやすい広告手法です。その背景には、化粧品の購買行動がオンラインへと大きくシフトしている点が挙げられます。

近年では、化粧品をインターネットで購入することが特別な行動ではなくなり、多くの消費者にとって一般的な選択肢となっています。実際に、株式会社ワザモノが運営するWebメディア「キニナルコスメ」の調査によると、東京都内の25〜40歳女性の約60%が、スキンケア商品を主にインターネットで購入していると報告されています。

参考:https://kininaru-cosme.com/item_p057/

この結果からも分かるように、インターネットの普及とともに、化粧品の購買行動は実店舗中心からオンライン中心へと変化しています。検索エンジン上で商品名や悩みを調べ、そのまま購入に至る行動は、すでに一般化しているといえるでしょう。

加えて、リスティング広告は日本国内で最も利用されているインターネット広告手法のひとつです。電通が公表している「日本の広告費」においても、検索連動型広告は多くの広告費が投下されている媒体として位置づけられています。

参考:https://www.dentsu.co.jp/news/release/2021/0310-010348.html

多くの企業が継続的に予算を投じているという事実は、それだけ費用対効果が見込めると判断されている広告手法であることを示しています。化粧品業界においても、競争が激しい中でリスティング広告が活用され続けている理由のひとつといえるでしょう。

さらに、リスティング広告は「購入意欲が高い顕在層」に直接アプローチできる点が大きな特徴です。肌悩みや商品名、成分名などを検索しているユーザーは、すでに課題やニーズを明確に認識しているケースが多く、他のインターネット広告と比べても売上につながりやすい傾向があります。

これらの点を踏まえると、日用品でありながら比較検討が行われやすい化粧品において、リスティング広告は非常に相性の良い広告手法であるといえるでしょう。

ただし、化粧品業界であっても、運用方法を誤れば十分な成果が得られない可能性があります。キーワード選定や広告文の設計、薬機法を意識した表現、遷移先ページとの整合性など、押さえるべきポイントは多岐にわたります。

リスティング広告の他にも、ショッピング広告は化粧品業界との相性が良いです。

ショッピング広告とは

ショッピング広告とは、ユーザーが検索したキーワードに連動して、商品画像・商品名・価格などの情報を一覧形式で表示できる広告手法です。ECサイトで販売している商品の訴求や、リピート購入が見込める商品の販促に活用されるケースが多く見られます。

通常のテキスト形式のリスティング広告とは異なり、検索結果画面の上部に「画像+商品情報」が表示される点が大きな特徴です。特にスマートフォンでは、画面内で占有する表示領域が広く、ユーザーの目に留まりやすくなります。

商品画像とあわせて、商品名や価格を一目で確認できるため、視認性が高く、クリック率も比較的高い傾向があります。購入を前提に情報を探しているユーザーに対して、直感的に商品を訴求できる点が強みといえるでしょう。

ショッピング広告には、以下のような情報を表示できます。

  • 商品名
  • 価格
  • レビューによる評価(星の数)
  • 「送料無料」などの訴求文言

これらの情報が検索結果上でまとめて表示されることで、ユーザーは複数の商品を比較しやすくなります。

ショッピング広告が表示される主な掲載面

ショッピング広告は、以下のようなさまざまな場所に表示されます。

  • Google・Yahoo!の検索結果画面
  • ショッピングタブ
  • Google画像検索
  • 外部パートナーサイトの広告枠
  • YouTubeやGmailの広告枠

いずれの掲載面でも、購入意欲が比較的高いユーザーに対して、画像付きで商品を訴求できるため、クリックされやすい点が特徴です。

検索ニーズが明確なユーザーに対して、視覚的に分かりやすくアプローチできるショッピング広告は、ECサイトを運営している企業にとって、有効な広告手法のひとつといえるでしょう。

薬機法に注意!リスティング広告で使用できる表現とは?

化粧品業界でリスティング広告を運用する際には、広告表現に関する薬機法のルールを正しく理解しておく必要があります。
表現内容によっては、広告の配信停止や是正指導につながる可能性があるため、事前の確認が欠かせません。

この項目では、以下の内容について解説します。

  • 薬機法とは何か
  • コスメ業界で使用できる広告表現の考え方
  • 注意すべき広告表現(NG例)の方向性

薬機法とは

薬機法とは、医薬品・医薬部外品(薬用化粧品)・化粧品・医療機器などについて、品質・効果・安全性を確保することを目的とした法律です。
販売される商品が、使用者の健康に悪影響を与えないよう、誤解や誤認を招く表現を厳しく規制しています。

化粧品広告においても、「効果がある」「改善する」「治る」といった医薬品的な効能を連想させる表現は、原則として使用できません。

薬機法の特徴のひとつとして、化粧品を以下の2種類に分類している点が挙げられます。

  • 化粧品
  • 薬用化粧品(医薬部外品)

この区分によって、商品情報や広告文で使用できる表現の範囲が異なります。そのため、商品区分を正しく理解したうえで、それぞれに認められた表現のみを使用する必要があります。

万が一、薬機法に違反した場合は、行政指導を受ける可能性があります。内容が悪質と判断された場合には、懲役や罰金などの刑事罰が科されるケースもあるため、注意が必要です。

コスメ業界で使用できる広告表現

この項目では、化粧品と薬用化粧品(医薬部外品)それぞれで、
リスティング広告や商品紹介文に使用できる広告表現について解説します。

化粧品業界では、商品区分によって使用可能な表現が明確に定められているため、
広告文を作成する前に、どの範囲まで表現できるのかを正しく理解しておくことが重要です。

「化粧品」で使用できる広告表現

一般的な「化粧品」の広告運用で使用できる表現は、
厚生労働省が定める「化粧品の効能の範囲」に基づいています。

化粧品は、あくまで
身体を清潔にする・美化する・健やかに保つ
といった範囲での表現に限定されており、治療や改善を目的とした効能はうたえません。

以下は、「化粧品」で使用が認められている効能表現の一覧です。

「化粧品」で使用可能な56の表現(別表第1)

(1)頭皮、毛髪を清浄にする。
(2)香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
(3)頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
(4)毛髪にはり、こしを与える。
(5)頭皮、毛髪にうるおいを与える。
(6)頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
(7)毛髪をしなやかにする。
(8)クシどおりをよくする。
(9)毛髪のつやを保つ。
(10)毛髪につやを与える。
(11)フケ、カユミがとれる。
(12)フケ、カユミを抑える。
(13)毛髪の水分、油分を補い保つ。
(14)裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
(15)髪型を整え、保持する。
(16)毛髪の帯電を防止する。
(17)(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。
(18)(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。
(19)肌を整える。
(20)肌のキメを整える。
(21)皮膚をすこやかに保つ。
(22)肌荒れを防ぐ。
(23)肌をひきしめる。
(24)皮膚にうるおいを与える。
(25)皮膚の水分、油分を補い保つ。
(26)皮膚の柔軟性を保つ。
(27)皮膚を保護する。
(28)皮膚の乾燥を防ぐ。
(29)肌を柔らげる。
(30)肌にはりを与える。
(31)肌にツヤを与える。
(32)肌を滑らかにする。
(33)ひげを剃りやすくする。
(34)ひげそり後の肌を整える。
(35)あせもを防ぐ(打粉)。
(36)日やけを防ぐ。
(37)日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
(38)芳香を与える。
(39)爪を保護する。
(40)爪をすこやかに保つ。
(41)爪にうるおいを与える。
(42)口唇の荒れを防ぐ。
(43)口唇のキメを整える。
(44)口唇にうるおいを与える。
(45)口唇をすこやかにする。
(46)口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。
(47)口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。
(48)口唇を滑らかにする。
(49)ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(50)歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(51)歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(52)口中を浄化する(歯みがき類)。
(53)口臭を防ぐ(歯みがき類)。
(54)歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(55)歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(56)乾燥による小ジワを目立たなくする。

表現使用時の注意点

  • 「補い保つ」は「補う」「保つ」いずれの表現でも使用可能
  • 「皮膚」と「肌」は使い分け可
  • ( )内の表現は、使用形態を前提とした限定条件付き

※出典:https://www.89ji.com/89ji_data/pdf/230721_1cosme.pdf

「薬用化粧品」で使用できる広告表現

薬用化粧品(医薬部外品)は、一定の有効成分を含み、国の承認を受けた商品であるため、一般的な化粧品よりも踏み込んだ効能表現が認められています。
ただし、使用できる表現は商品カテゴリーごとに細かく定められており、無制限に効能をうたえるわけではありません。

ここでは、薬用化粧品の広告運用で使用可能な主な効果・効能を、種類別に整理して紹介します。

薬用化粧品で使用できる効果・効能一覧

種類効果・効能
シャンプーふけ・かゆみを防ぐ/毛髪・頭皮の汚臭を防ぐ/毛髪・頭皮を清浄にする/毛髪・頭皮を健やかに保つ(A)/毛髪・頭皮をしなやかにする(B)
※AとBはいずれか一方のみ
リンスふけ・かゆみを防ぐ/毛髪・頭皮の汚臭を防ぐ/毛髪の水分・脂肪を補い保つ/裂毛・切毛・枝毛を防ぐ/毛髪・頭皮を健やかに保つ(A)/毛髪・頭皮をしなやかにする(B)
※AとBはいずれか一方のみ
化粧水肌荒れ・荒れ性/あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ/油性肌/剃刀まけを防ぐ/日やけによるシミ・そばかすを防ぐ/日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ/肌をひきしめる/肌を清浄にする/肌を整える/皮膚を健やかに保つ/皮膚にうるおいを与える
クリーム・乳液・ハンドクリーム・化粧用油肌荒れ・荒れ性/あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ/油性肌/剃刀まけを防ぐ/日やけによるシミ・そばかすを防ぐ/日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ/肌をひきしめる/肌を清浄にする/肌を整える/皮膚を健やかに保つ/皮膚にうるおいを与える/皮膚を保護する/皮膚の乾燥を防ぐ
ひげそり用剤剃刀まけを防ぐ/皮膚を保護し、ひげを剃りやすくする
日やけ止め剤日やけ・雪やけによる肌荒れを防ぐ/日やけ・雪やけを防ぐ/日やけによるシミ・そばかすを防ぐ/皮膚を保護する
パック肌荒れ・荒れ性/にきびを防ぐ/油性肌/日やけによるシミ・そばかすを防ぐ/日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ/肌をなめらかにする/皮膚を清浄にする
薬用石けん(洗顔料含む)【殺菌剤主剤】皮膚の清浄・殺菌・消毒/体臭・汚臭・にきびを防ぐ
【消炎剤主剤】皮膚の清浄/にきび・剃刀まけ・肌荒れを防ぐ

補足事項(重要)

  • 作用機序によっては
    「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」
    という表現が認められる場合があります。
  • 上記に該当しない効能表現を用いた場合、医薬部外品として認められない可能性があります。
  • 薬用化粧品と一般化粧品の効能範囲は重なる部分も多いですが、以下は薬用化粧品特有の表現です。

薬用化粧品独自の代表例

  • 「にきびを防ぐ」(化粧水・クリーム・乳液・化粧用油・パック)
  • 「皮膚の殺菌・消毒」(薬用石けん)
  • 「体臭を防ぐ」(薬用石けん)

※出典:https://www.yakujihou.com/content/pdf/4-D.pdf

コスメ業界の広告表現NG例

化粧品・コスメ業界のリスティング広告では、一見問題なさそうに見える表現でも、薬機法違反と判断されるケースがあります。
特に、効能効果を直接書いていなくても、暗示的に効果を連想させる表現は注意が必要です。

ここでは、実際に掲載不可・掲載可と判断される代表的な広告表現例を紹介します。

コスメ業界における広告表現の掲載可否例

掲載可否広告内容例理由
掲載不可「ここでは薬機法の関係で効能効果は書けません」との表示効能効果があることを暗示する表現と判断されるため。直接的な表現でなくても、効果を示唆する手法は認められません。
掲載不可・ビタミンE配合(抗酸化成分)
・エイジングケア成分ヒアルロン酸
・消炎効果のあるグリチルリチン酸を配合
化粧品において成分名を記載すること自体は可能ですが、医薬品的な効能効果を連想させる表現や、効能効果の逸脱につながる表現は認められません。
掲載不可・成分訴求(配合成分の医薬品的効能効果を強調する広告)
・商品訴求(商品自体を訴求する広告)
成分の医薬品的効能を示す広告と、商品訴求広告を同一ページや同一ユーザーに配信する手法は、商品の効能効果を不適切に暗示すると判断され、掲載不可となります。※掲載時期をずらしても不可
掲載可「化粧品のくずれを防ぐ」
「小じわを目立たなく見せる」など
メーキャップ効果としての表現であり、事実に反しない内容であれば掲載可能と判断されます。

※出典・引用:https://ads-help.yahoo-net.jp/s/article/H000044910?language=ja#c07

コスメ業界で薬機法に抵触するリスティング広告の割合は?

化粧品・コスメ業界では、薬機法に配慮して広告を出稿しているつもりでも、実際には多くの広告が問題表示と判断されているのが実情です。

「日本化粧品工業連合会」「広告宣伝委員会」「公益社団法人 日本広告審査機構」が、
2016年7月1日~8月19日の期間に300件の広告を対象として実施した調査結果は、以下のとおりです。

リスティング広告300件に対する調査結果

判定件数割合
問題表示のおそれ255件85%
問題なし45件15%

この結果から、全体の約85%の広告に「問題表示のおそれ」があると判断されていることが分かります。

広告主単位で見た場合の割合

調査対象300件の中には、1社が複数のリスティング広告を出稿しているケースも含まれていました。
そこで、広告主単位(203社)で再集計した結果は以下のとおりです。

判定社数割合
問題表示のおそれ172社84.7%
問題なし18社8.9%
問題表示のおそれ・なし混在13社6.4%

広告主単位で見ても、約8割以上の企業が何らかの問題表示を含んでいる状況であることが分かります。

リスティング広告とランディングページを分けた場合

チェック対象を「リスティング広告」と「リンク先のランディングページ」に分けて分析した結果は以下のとおりです。

判定内容件数割合
ランディングページのみに問題表示のおそれ188件62.7%
LP・リスティング広告ともに問題表示のおそれ62件20.6%
リスティング広告のみに問題表示のおそれ5件1.7%
問題なし45件15%

この結果から分かる通り、
問題表示の多くはランディングページ側に集中している一方で、
リスティング広告単体でも22.3%(67件)が問題表示と判断されています。

問題表示が多い商品カテゴリ

「問題表示のおそれ」がある255件の広告に含まれる商品数は291商品でした。
その内訳で特に多かったカテゴリは以下のとおりです。

商品カテゴリ件数割合
美容液57件19.6%
化粧水52件17.9%
セット商品52件17.9%

美容液や化粧水など、効能訴求をしやすい商品ほど薬機法リスクが高い傾向が見て取れます。

参考:https://www.pref.okayama.jp/uploaded/attachment/215377.pdf

化粧品・コスメ商材でのリスティング広告運用ポイント6選

化粧品・コスメ商材でリスティング広告を活用する場合、
単に広告を出稿するだけでは、安定した成果につながりにくいのが実情です。
商品単価や購入ハードル、薬機法による表現制限など、他業界とは異なる前提条件を踏まえた設計が求められます。

そこでこの章では、化粧品・コスメ業界でリスティング広告の成果を高めるために意識したい運用ポイントを6つ紹介します。
いずれも、実務の現場で重要度が高く、改善効果が出やすいポイントです。

  • 成果の敷居を下げる
  • ターゲット層を絞る
  • ユーザーを安心させるコンテンツ制作
  • 決済方法の簡略化
  • 広告表示オプションを追加する
  • リマーケティング広告を使用する

これらのポイントを意識することで、
「クリックは集まるが購入につながらない」「CPAが高止まりする」といった課題を改善しやすくなります。

次から、それぞれのポイントについて順番に解説していきます。
自社の広告運用状況と照らし合わせながら、ぜひ参考にしてください。

運用ポイント1.成果の敷居を下げる

リスティング広告で成果を出すためには、自社Webサイトで設定している「成果(コンバージョン)」の敷居を下げることが重要です。

ここでいう成果の敷居を下げるとは、
最初から「商品購入」をゴールに設定するのではなく、ユーザーが行動しやすいステップを成果として設定することを指します。

化粧品やスキンケア商品は、実際に手に取って試すことができないため、
「肌に合うかわからない」「使用感がイメージできない」といった不安を抱えたまま購入をためらうユーザーが少なくありません。

そのため、いきなり本商品を購入させようとするのではなく、
お試しできる機会を用意することで、ユーザーの心理的ハードルを下げることができます。
この段階を踏むことで、最終的な本商品購入へとつながりやすくなります。

「成果の敷居」を下げる訴求例

  • 一週間分のスキンケアお試しセット
  • 無料サンプル
  • お試し購入(初回限定価格・トライアル価格)

このように、ユーザーが「失敗してもリスクが小さい」と感じられる導線を用意することで、
安心してアクションを起こしてもらいやすくなります。

まずは不安を取り除き、段階的に商品理解を深めてもらうことが、
化粧品・コスメ商材のリスティング広告では非常に重要なポイントです。

運用ポイント2.ターゲット層を絞る

リスティング広告に限らず、Web施策全般に共通して重要なのが、広告を表示するターゲット層を明確に絞ることです。
ターゲットを定めずに配信してしまうと、クリックは集まっても売上につながらないケースが増えてしまいます。

リスティング広告は、クリックされるたびに費用が発生する仕組みのため、
購入につながらないクリックをいかに減らすかが成果を左右します。
そのため、無駄なクリックを防ぐうえで、ターゲット設定は欠かせない要素となります。

たとえば、30代女性を主な購買層としている化粧品の場合、
広告の表示対象も「30代」「女性」を中心に設定することで、商品との親和性が高いユーザーに絞った配信が可能になります。

反対に、購入可能性が低い層、
たとえば「男性」や「想定年齢から大きく外れた年代」を配信対象から除外することで、
誤クリックや興味本位のクリックを減らすことができます。

購入に至らないユーザーからのクリックが増えると、
一時的にコンバージョンが発生しても、クリック数に対して売上が見合わない状態になりやすくなります。

一方で、購入意欲が高いと考えられる層にターゲットを絞ることで、
クリック数が少なくても、売上や費用対効果の向上が期待できます。

広告費を無駄にしないためにも、
商品特性に合ったターゲットを明確にし、購入につながりやすいユーザーに向けて広告を配信していきましょう。

運用ポイント3.ユーザーを安心させるコンテンツ制作

リスティング広告で成果を出すためには、広告文だけでなく、遷移先のコンテンツでユーザーに安心感を与えられているかが重要です。
ユーザーが商品や企業に対して信頼できると感じなければ、購入にはつながりません。

ここでいう「良質なコンテンツ」とは、次のような
ユーザーが判断材料として求めている情報が十分に揃っているページを指します。

・企業情報(会社概要、運営会社の実態が分かる情報)
・高評価のレビューや利用者の声
・商品の成分表示や特徴、使用イメージが分かる説明

こうした情報を丁寧に掲載することで、
「この会社は信頼できそうか」「この商品は自分に合いそうか」といった不安を解消しやすくなります。

株式会社ネオマーケティングの調査によると、
ユーザーが化粧品を購入する際に重視・不安視しているポイントとして、
「商品の使用感」や「サイト・企業の信頼性」が上位に挙げられています。

参考:https://corp.neo-m.jp/report/investigation/fashion_021_beauty-agency

この結果からも分かる通り、
インターネット上で化粧品を購入してもらうためには、
使用感がイメージできる情報提供と信頼性の担保が欠かせません。

たとえば、商品ページに
・成分の特徴
・使用時のテクスチャーや使用感の説明
・どのような人に向いているか
といった情報を具体的に記載することで、ユーザーは購入後のイメージを持ちやすくなります。

また、商品やサイトへの信頼性を高める方法として、レビューの掲載も有効です。
レビューは、心理学でいう「ウィンザー効果」が働きやすく、
第三者の意見を参考にすることで、ユーザーは商品や企業の信頼性を判断します。

実際に使用した人の声があることで、
企業側の説明だけでは補えない安心感を与えることができます。

ただし、評価の低いレビューが多い場合は、
かえって商品やサイトの信用を損なう可能性もあります。
そのため、レビューを集める以前に、商品品質やカスタマー対応に問題がないかを見直すことも重要です。

ユーザーに「安心して購入できる」と感じてもらうためにも、
自社の商品やサービス、情報提供の内容に不備がないか、改めて確認してみましょう。

運用ポイント4.決済方法の簡略化

ECサイトでリスティング広告の成果を高めるためには、決済方法の簡略化が欠かせません。
広告から流入したユーザーを確実に購入につなげるには、決済までのハードルをできる限り下げる必要があります。

ここでいう簡略化とは、
決済時に必要な入力項目や操作を最小限に抑える仕組みのことを指します。
パスワードや住所など、入力の手間が多いほど、ユーザーは途中で離脱しやすくなります。

決済フローを簡略化すべき理由は明確です。
ユーザーは購入までの操作が煩雑だとストレスを感じ、
「あとで購入しよう」と考えてそのまま離脱してしまうケースが多いからです。

実際に、HubSpotが実施した「ユーザーがフォームから離脱する理由」に関する調査では、
以下のような結果が報告されています。

ユーザーがフォームから離脱する主な理由

  • セキュリティに対する不安:29%
  • フォームが長すぎる:27%
  • 広告やアップセルへの不安:11%
  • 情報収集の意図が不明確な質問項目がある:10%

この調査からも分かる通り、
フォームが長すぎることによる離脱は全体の約4分の1を占めており、無視できない要因です。

つまり、ユーザーに購入まで進んでもらうためには、
フォーム入力をできるだけスムーズに完了できる環境を整える必要があります。

具体的なフォーム簡略化の施策としては、以下のような方法が考えられます。

フォーム簡略化の一例

  • Amazonや楽天などのアカウント連携による購入
  • 入力項目を必要最小限に絞る
  • 郵便番号入力による住所自動入力の導入

こうした施策を取り入れることで、
ユーザーが「面倒だ」と感じる前に決済まで完了できる可能性が高まります。

決済方法の簡略化は、売り逃しを防ぎ、売上を安定的に伸ばすための重要な施策です。
広告運用の成果を最大化するためにも、
今一度、自社ECサイトの決済フローを見直してみてはいかがでしょうか。

運用ポイント5.広告表示オプションを追加する

リスティング広告では、広告表示オプションを積極的に活用することで、Webサイトや商品の魅力をより効果的にユーザーへ伝えられます。

広告表示オプションとは、
通常の広告文とは別に、サービス内容や訴求ポイントを追加表示できる機能です。
限られた文字数の広告文だけでは伝えきれない情報を補完できる点が大きな特徴です。

広告表示オプションをおすすめする理由は、主に次の2つです。

広告表示オプションをおすすめする理由

  • 広告文に載せきれない魅力を伝えられる
  • 広告がクリックされやすくなり、流入数の増加につながる

それぞれ詳しく解説します。

広告表示オプションを使用する理由1.広告文に載せきれない魅力を記載できる

広告表示オプションを使えば、
広告文では伝えきれなかった商品・サービス・企業の強みを追加で訴求できます。

ここでは、化粧品・コスメ商材で特に活用しやすいオプションを2つ紹介します。

コールアウト表示オプション

コールアウトは、短いフレーズで商品や企業の魅力を補足できる広告表示オプションです。

たとえば、

  • 「無料サンプルあり」
  • 「24時間お問い合わせ可能」
  • 「国内製造・品質管理徹底」

といった情報を表示することで、
ユーザーに安心感や行動の後押しを与えられます。

購入前に不安を感じやすい化粧品商材において、
信頼性や利用しやすさを補足できる点は大きなメリットです。

プロモーション表示オプション

プロモーション表示オプションは、
割引やキャンペーン情報を直接広告内に表示できるオプションです。

たとえば、
「スプリングセール|春の新作 最大30%OFF」
といった表現を入れることで、価格を重視するユーザーの目を引きやすくなります。

特に、

  • 初回購入
  • 期間限定キャンペーン
  • お試し価格

などと相性が良く、購入の後押しとして非常に効果的です。

広告表示オプションを使用する理由2.Webサイトへの流入数を増やせる

広告表示オプションを設定すると、
広告全体の表示領域が広くなり、検索結果画面での視認性が向上します。

オプションの種類によっては、
通常の広告文よりも大きく表示されるため、ユーザーの目に留まりやすくなります。

また、クリック数の増加は、
Googleから広告の品質が高いと評価される要素のひとつです。

クリック率が改善されることで、

  • 広告の掲載順位が上がりやすくなる
  • 同じ順位でもクリック単価を抑えやすくなる

といった好循環が生まれます。

結果として、
低コストでより多くのユーザーをWebサイトへ誘導できる可能性が高まります。

Webサイトへの流入が増えれば、
認知拡大だけでなく、商品購入やリピート獲得にもつながっていきます。

広告文だけに頼らず、
広告表示オプションを活用して、ユーザーの目を引く工夫を行いましょう。

運用ポイント6.リマーケティング広告を使用する

リスティング広告で一度サイトに訪れたユーザーには、リマーケティング広告を活用して再アプローチすることが重要です。

リマーケティング広告とは、
自社のWebサイトにアクセスした履歴のあるユーザーに対して、
別のWebサイトやアプリ上で再度広告を表示できる仕組みを指します。

すでに商品や企業情報に関心を示しているユーザーへ配信できるため、
新規ユーザー向け広告と比べて、コンバージョンにつながりやすい点が大きな特徴です。

たとえば、
リスティング広告をクリックして商品ページやランディングページを閲覧したものの、
その場では購入に至らなかったユーザーがいたとします。

その後、ユーザーが別のニュースサイトやブログ、ECサイトなどを閲覧した際、
広告枠があれば、自社の商品やキャンペーン広告を再度表示することが可能です。

一度でも興味を持ってアクセスしたユーザーに対して再度接触できるため、
「あとで検討しよう」と離脱したユーザーを呼び戻しやすくなります。

化粧品・コスメ商材とリマーケティング広告の相性

化粧品やコスメは、

  • 使用感が分からない
  • 肌に合うか不安
  • 価格や成分を比較したい

といった理由から、即決されにくい商材です。

そのため、一度の接触だけで購入につながらなくても、
時間を空けて複数回接触することで、購入の意思決定が進みやすくなります。

リマーケティング広告を活用すれば、

  • お試しセットの訴求
  • キャンペーン情報の再案内
  • レビューや実績の訴求

など、ユーザーの検討段階に応じたアプローチが可能になります。

リスティング広告は「今すぐ探している顕在層」へのアプローチに強く、
リマーケティング広告は「一度関心を示したユーザー」への再訴求に向いています。

この2つを組み合わせることで、
新規流入の獲得から、離脱防止・再訪問・購入までを一貫して設計できます。

集客効率を高めたい場合は、
リスティング広告だけで完結させず、
リマーケティング広告も併用し、興味関心の高いユーザーを着実に自社サイトへ呼び戻しましょう。

化粧品(コスメ)業界で効果的なその他のターゲティング施策

化粧品(コスメ)業界では、リスティング広告だけでなく、
ユーザーの検討行動や情報収集プロセスに合わせた広告手法を組み合わせることで、
より安定した成果につながりやすくなります。

ここでは、化粧品業界と相性のよい代表的なターゲティング施策を紹介します。

アフィリエイト広告

まずはアフィリエイト広告です。

アフィリエイト広告は、ブロガーやメディア運営者に記事を執筆してもらい、
その記事経由で商品購入を促す広告手法です。

化粧品業界は、購入前に口コミやレビューを重視するユーザーが非常に多いため、
アフィリエイト広告のような「読ませる広告」と相性が良い傾向があります。

実際に使用した感想や比較レビュー、写真付きの体験談などは、
公式広告よりも信頼されやすく、新規購入の後押しにつながりやすくなります。

ただし、成果は

  • 記事を執筆するアフィリエイターの数
  • コンテンツの質や信頼性

によって大きく左右されます。
質の高いアフィリエイターと継続的に連携できれば、費用対効果の高い集客が期待できます。

SNS広告

化粧品(コスメ)業界は、
Facebook広告・Instagram広告などのMeta広告との相性が非常に良い業界です。

画像や動画を使ったビジュアル訴求がしやすく、
使用イメージや世界観を直感的に伝えられる点が強みといえます。

また、SNS広告は

  • 年齢
  • 性別
  • 興味関心
  • 行動データ

といった詳細なターゲティングが可能なため、
リスティング広告では拾いきれない潜在層へのアプローチにも向いています。

新商品の認知拡大や、リスティング広告前段階の接触施策としても効果的です。

インフルエンサー広告

インフルエンサー広告も、化粧品業界では非常に有効な手法です。

インフルエンサーには、

  • 有名YouTuber・モデル・タレントなどの大規模インフルエンサー
  • 個人で活動するマイクロインフルエンサー

など、さまざまなタイプが存在します。

フォロワー数や影響力に応じて費用は大きく異なるため、
いきなり高額なインフルエンサーを起用するのではなく、
複数のインフルエンサーでテスト・検証を行いながら、
自社商材と相性の良い層を見極めることが重要です。

特に、信頼性や共感を重視する化粧品商材では、
フォロワーとの距離が近いマイクロインフルエンサーが成果を出すケースも少なくありません。

リスティング広告は代理店への依頼がおすすめ

ここまでお読みいただき、
「リスティング広告を自社で運用するのは難しそう」と感じた方も多いのではないでしょうか。

リスティング広告は、出稿自体は簡単に始められる一方で、
成果を出すためには専門的な知識や継続的な改善が欠かせません。

特に初めて運用する場合、
設定項目の多さや専門用語の多さに戸惑い、想像以上に時間と労力を取られてしまうケースも少なくありません。

そのような場合は、広告代理店への運用代行依頼を選択肢に入れることをおすすめします。


代理店に広告運用を依頼するべき3つの理由

おすすめな理由1.工数と時間を大幅に削減できる

代理店にリスティング広告運用を依頼すれば、
広告運用にかかる工数や時間を大幅に削減できます。

リスティング広告を自社で出稿する場合、以下のような作業が必要です。

  • キーワードの選定
  • 広告文・タイトルの作成
  • ターゲット設定
  • 配信後の分析・改善

これらをすべて社内で対応するとなると、本来注力すべき業務に支障が出ることもあります。

代理店に依頼すれば、
広告の設計から出稿、運用・改善までを一括で任せることが可能です。

その結果、広告運用に時間を取られることなく、
自社の商品開発や顧客対応など、重要な業務に集中できるようになります。

おすすめな理由2.広告運用の最新情報を常に活用できる

広告媒体は日々アップデートされており、
リスティング広告も新機能の追加や仕様変更が頻繁に行われています。

GoogleやYahoo!の正規代理店であれば、
以下のような情報をいち早くキャッチし、運用に反映できます。

  • リスティング広告の新機能
  • 最新の運用事例・成功パターン
  • 媒体側の推奨設定やトレンド

こうした情報を自社だけで常に追い続けるのは簡単ではありません。

代理店に依頼することで、
常に最新の情報を活かした広告運用ができる点は大きなメリットといえるでしょう。

おすすめな理由3.経験とノウハウを活かした運用ができる

広告代理店は、さまざまな業界・商材でリスティング広告を運用してきた実績があります。

そのため、

  • どのようなキーワードが成果につながりやすいか
  • どの表現がクリックされやすいか
  • 成果が伸び悩んだ際の改善パターン

といった実践的なノウハウが蓄積されています。

特に化粧品・コスメ業界では、
薬機法への配慮やユーザー心理を踏まえた訴求設計が求められるため、
経験のある代理店に依頼することで、失敗リスクを抑えやすくなります。

弊社でも、化粧品業界のリスティング広告運用を支援しており、
以下のような成果を上げています。

化粧品・コスメのリスティング広告運用ならArchRise

化粧品・コスメ業界のリスティング広告運用では、集客力だけでなく、薬機法をはじめとした法令への配慮が欠かせません。検索ニーズが明確である一方、広告表現の制約が多く、運用を誤ると広告費ばかりがかかってしまうケースも少なくありません。

ArchRiseでは、広告を配信すること自体を目的とせず、売上や問い合わせといった成果につながる設計を前提にリスティング広告運用を行っています。化粧品・コスメ業界特有の検索傾向を踏まえたキーワード設計に加え、薬機法を意識した広告文やランディングページの内容チェック、購入ハードルを下げる導線設計まで一貫して支援しています。

また、リスティング広告単体で完結させるのではなく、リマーケティング広告やSNS広告など、他の広告手法との組み合わせも含めて検討できる点も特徴です。短期的な成果だけでなく、中長期的に安定した集客を実現するための運用設計を行っています。

広告を出稿しているものの成果が伸び悩んでいる場合や、薬機法への対応に不安を感じている場合、これから化粧品ECの広告運用を本格化したいと考えている場合でも、現状整理から改善提案まで対応可能です。化粧品・コスメ商材でリスティング広告運用を検討している企業担当者の方は、ぜひArchRiseまでご相談ください。

まとめ

本記事では、化粧品・コスメ業界におけるリスティング広告の特徴や効果、運用時に押さえておきたいポイント、そして薬機法に関する注意点について解説してきました。

化粧品業界は、検索意図が明確なユーザーが多く、リスティング広告と相性の良い分野である一方、競合が多く広告表現にも厳しいルールがあります。そのため、成果を出すためには、最初から商品購入だけをゴールにするのではなく、ユーザーの不安を和らげる導線設計や、ターゲットを絞った配信設計を行い、継続的に改善を重ねていくことが重要です。

また、広告文やランディングページの表現が薬機法に抵触しないよう注意しながら運用を行う必要があり、専門的な知識や経験が求められます。こうした背景から、広告運用に不安を感じている場合は、経験豊富な代理店に依頼することも有効な選択肢といえるでしょう。

化粧品・コスメ業界でリスティング広告を活用し、新規顧客獲得や売上拡大を目指す際には、本記事で紹介したポイントを参考に、自社に合った運用体制を検討してみてください。

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