中古車販売店の中で、自社ホームページを整備し、閲覧数を増やすための対策や問い合わせ・来店につなげる仕組みを導入できている企業はまだ多くありません。他業種では、自社ホームページを活用した集客や、WEB広告とLPを組み合わせた成功事例が数多く見られる一方、中古車販売業界では取り組みが遅れているのが現状です。
しかし、中には他業種の成功事例を応用し、自社ホームページを中心に戦略的な施策を展開している中古車販売店も存在します。そして、そのような企業は実際に集客力を大きく伸ばす成果を上げています。本記事では、「なぜ中古車販売店が自社ホームページに取り組むべきなのか」を詳しく解説します。
きちんとした自社ホームページは参入障壁が高い理由
「自社ホームページなんて、今はどの会社でも簡単に作れる」と思っていないでしょうか。実際、自動車業界でも毎月の定額料金で格安にホームページを提供するサービスは数多くあり、形だけならどの販売店でもホームページを持つことは可能です。
しかし、本当に集客につながる“きちんとした”ホームページを作るとなると話は別です。ここで言う“きちんとした”ホームページとは、次のような要素を満たしているものを指します。
- SEOを意識したメタ情報やコンテンツが整備されている
- 在庫情報と連動し、常に最新のラインナップが確認できる
- スマートフォンでも快適に閲覧できるよう最適化されている
- 問い合わせにつながる導線がしっかり設計されている
- 毎月どこかしらのコンテンツやデザインが更新されている
- 無料の計測ツールを導入し、効果を測定できる環境が整っている
これらをすべて満たしている中古車販売店は決して多くありません。むしろ、この条件をクリアするには大きな労力と投資が必要で、参入障壁が高い領域なのです。実際、上記のような要件を満たす本格的なホームページを作成しようとすれば、300万〜400万円ほどの費用がかかることも珍しくありません。つまり、真剣にホームページを「集客の軸」として活用したいと考える販売店だけが、本格的な取り組みに踏み出しているのです。
中古車販売店でホームページ集客が上手くいかないと言われる理由
一般的には中古車販売店におけてホームページ集客は向いていないと言われることが多いです。
主な要因は以下の3点です。
- 検索結果の多くをポータルサイトが占有している
- 中古車販売店の情報はSEO対策との親和性が低い
- コンテンツが独自性に乏しくなりやすい
それぞれについて、もう少し詳しく解説していきます。
検索結果の多くをポータルサイトが占有している
「中古車」関連の検索キーワードは、大手ポータルサイトが圧倒的に強い領域です。たとえば「軽自動車 中古」や「SUV 中古車 〇〇市」といったキーワードで検索すると、結果の1ページ目はカーセンサーやグーネットなどの大手サイトがほとんどを占めています。これは「トヨタ」「レクサス」「フォルクスワーゲン」等のメーカーや車種で検索した際も同様です。
そのため、中古車販売店が自社ホームページでSEO集客を狙う場合、情報量とドメイン力に優れた大手サイトと正面から競合することになります。さらにポータルサイトは、全国の販売店から数多くの在庫情報が集まるため、結果的に「情報量の多さ=SEO上の強さ」となり、個店のサイトが上位表示されにくいのが現状です。

中古車販売店の情報はSEOと親和性が低い
SEOは記事やページを公開してから検索エンジンに評価されるまでに時間がかかります。一般的には効果が出るまでに3か月程度、場合によっては1年以上かけて検索順位が上がるケースもあります。
一方で、車の在庫情報は数週間から数か月で入れ替わることが多く、寿命が短いコンテンツです。こうした「フロー型コンテンツ」はSEOの特性と噛み合わず、情報が検索結果で上位に表示される前に在庫が売れてしまうという状況が起こりやすくなります。
そのため、SEOだけで安定した集客を狙うのは難しく、広告出稿や他の施策と組み合わせて取り組む必要があります。中古車販売店にとってSEOは有効ではあるものの、在庫情報だけに依存してしまうと成果につながりにくいのです。
コンテンツが独自性に乏しくなりやすい
検索エンジンは、ユーザーの検索意図に最も合致し、かつオリジナル性や専門性の高いページを上位に評価する傾向があります。しかし、中古車在庫の情報はどうしても差別化が難しいという特徴があります。
同じ車種・同じ年式の在庫情報では、違いといえば「ボディカラー」「走行距離」「装備の有無」等の細かな条件や「セダン」「ミニバン」などのボディタイプだけで、掲載される文章や写真は似通ったものになりがちです。そのため、検索エンジンに「このページこそユーザーに見せたい」と思わせる独自性を打ち出しにくいのです。
結果として、同じような在庫情報ページではドメインパワーの強い大手ポータルサイトが上位に表示されやすく、個別の販売店サイトは埋もれてしまう傾向があります。中古車販売店がSEOで成果を出すには、在庫情報だけに頼らず、ブログ記事や比較記事など独自性のあるコンテンツや店舗独自のサービス(買取や保証情報、車の探し方等)を併せて発信する必要があります。
中古車販売店は本当に自社ホームページから集客できるのか
ここまでお読みいただいた方の中には、まだ自社ホームページの見積もりを取ったことがなく、制作に300万~400万円もかかることに驚かれた方や「中古車販売店や自動車販売店にはホームページ集客が向いてないんじゃない」と思う方もいらっしゃるかもしれません。確かに、一般的には「ホームページ制作は50万円程度でできる」と思われがちですが、集客につながる本格的な機能を備えたサイトを構築しようとすると、そのくらいの投資が必要になるのが実情です。
では、その投資に見合った効果が得られるのか、つまり「本当に自社ホームページから集客できるのか?」という点が気になるところでしょう。結論からお伝えすると、中古車販売店でも自社ホームページ経由でしっかりと集客は可能です。実際、弊社がサポートさせていただいている販売店様においても、ホームページ改善をきっかけに問い合わせ数や来店数が大きく伸び、購入に繫がっている事例が数多くあります。
■中古車販売店A様の事例
中古車販売店A様は、4店舗を展開する総合型の販売店です。これまでは主にポータルサイトを集客の柱として活用されてきました。都市部の店舗では引き続きポータルサイトからの反響が高い一方で、地方にあるローカル型の2店舗では反響が徐々に落ち込みつつありました。
そこで注力したのが「自社ホームページ」です。改善後は、ローカル型の2店舗だけで毎月約10組前後のお客様がホームページ経由で来場し、そのうち5〜6台の販売に安定してつながっています。つまり2店舗合計で、毎月10台前後を自社ホームページから安定的に販売できている状況です。
さらに問い合わせ件数も、ローカル型2店舗で月30件程度と堅調に推移しています。この事例からもわかる通り、中古車販売店においても自社ホームページは確実に成果を生み出す有力な集客チャネルとなり得ます。
■中古車販売店B様の事例
地方都市で1店舗のみを展開するB様は、今までポータルサイトからの集客に依存していました。しかし掲載料のコスト増に加え、競合店舗の掲載強化によって反響数が減少していました。そこで自社ホームページを刷新し、在庫連動型のシステムを導入。地域名を含めたSEO記事を追加した結果、半年でホームページ経由の問い合わせが月5件から20件に増加。安定的に毎月3台以上の成約につながっています。
■中古車販売店C様の事例
中古車販売店C様は、地域密着で1店舗を展開する販売店です。販促施策としてはポータルサイトに最低限の掲載のみを行っていますが、オプションを付けていないため、そこからの集客効果はほとんど得られていません。
しかしC様は、通りがかりの来店とあわせて「自社ホームページ」に力を入れることで成果を出しています。ホームページ経由では毎月10組〜20組程度の来場があり、直近では10台もの販売につながりました。
この事例は、限られた販促施策でも、自社ホームページを戦略的に運用すれば十分な集客と販売成果を実現できることを示しています。
■中古車販売店D様の事例
中古車販売店C様は、自社ホームページを立ち上げてから約5年後に、大規模なリニューアルを実施しました。初回制作時の費用は約50万円でしたが、リニューアル時には400万円弱を投資。さらに、自社ホームページに広告費を投じて集客を強化しました。
その結果、2店舗合計で毎月150〜200組の来場がホームページ経由で発生するようになり、大幅な集客増加を実現しています。
この事例は「適切な投資と継続的な運用」を行うことで、自社ホームページが中古車販売店の主要な集客チャネルへと成長し得ることを示しています。
中古車販売店で自社ホームページ集客に取り組まないことは機会損失
今回ご紹介した4社の事例からもわかる通り、小規模な販売店でも自社ホームページから毎月10組程度の来場を獲得でき、しっかり作り込みと販促費を投じれば、100組以上の集客も可能です。つまり、自社ホームページに取り組まないことは、大きな機会損失につながります。
実際に皆さま自身も、目的を持って店舗を訪れる際には、まずホームページをチェックしてから足を運ぶのではないでしょうか。そのときに古いホームページしかなかったり、そもそもホームページが存在しなければ、来店候補から外されてしまう可能性が高いのです。
確かに初期投資は決して小さくありません。しかし、自社ホームページは24時間365日稼働し、自由に活用できる「自社専用の集客装置」です。中古車販売店にとって、自社ホームページを持たないことは、今後ますます競争が激しくなる市場で大きな損失になりかねません。ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
中古車販売店のホームページ制作ならArchRiseへ
中古車販売店にとって、自社ホームページは「24時間働く営業マン」のような存在です。ポータルサイト任せの集客から一歩進み、来店や問い合わせにつながる仕組みを持つことで、大手に依存しない集客力を確立できます。集客の自動化が出来れば安心して現場対応や営業スキルを伸ばすことにリソースを割くことが可能になります。
ArchRiseでは、中古車販売店やクルマ屋の集客構造を理解したうえで、SEOに強いホームページ制作を提供しています。在庫連動やスマホ最適化、問い合わせ導線の設計など、成果につながる仕掛けを標準装備。さらに運用フェーズでも分析と改善を繰り返し、長期的に成果を出せるサポートを行っています。
自社ホームページからの集客を本気で強化したい販売店様は、ぜひArchRiseにご相談ください。
まとめ
中古車販売店にとって、自社ホームページは今や「持つか持たないか」ではなく「どう活用するか」が問われる時代です。ポータルサイト頼みでは競合との差別化が難しく、安定した集客を得ることも困難になっています。
一方で、きちんと作り込まれたホームページは24時間働く営業ツールとなり、来店や成約に直結する大きな武器になります。初期投資は必要ですが、それ以上に長期的な成果をもたらす可能性を秘めています。
「自社にとってホームページ集客はまだ早いかも」と感じる方こそ、今のうちから取り組むことで他社との差を広げられるチャンスです。