リスティング広告は、Web広告の中でも特に利用率が高く、多くの企業が新規顧客獲得の主軸として活用しています。しかし広告運用には多くの指標が存在し、その中でも「CPA(顧客獲得単価)」は必ず確認すべき最重要指標のひとつです。CPAが高騰すると収益性が大きく損なわれるため、日々のモニタリングと改善が欠かせません。
「目標CPAを達成したいけれど、どこを改善すればいいのか分からない」「CPCやCVRをどうみればよいのか判断に迷う」そんな悩みを抱える担当者の方も多いでしょう。結論として、リスティング広告のCPA改善は 「CPCを下げる」「CVRを上げる」 の2つの視点からアプローチするのが基本です。現在の数値が業界相場とどの程度乖離しているかを把握し、優先すべき改善ポイントを見極めることで、CPAを着実に下げることができます。
本記事では、リスティング広告におけるCPAの「定義」「計算方法」「見極め方」から、現場で使える具体的な改善策まで、初心者でもPDCAを回せるように体系的に解説します。
自社のCPAが高いのか判断できない方、効果改善のヒントが欲しい方は、ぜひ最後まで参考にしてみてください。収益性を保ちながら新規顧客を獲得するための考え方と実践方法を、わかりやすくまとめています。
まずは押さえておきたいリスティング広告の基本
まずは、リスティング広告の基礎を簡単におさらいしておきましょう。ここでは、リスティング広告とはどのような広告なのかを分かりやすく解説します。
リスティング広告とは?
リスティング広告とは、Google や Yahoo! などの検索エンジンでユーザーがキーワード検索をした際に、検索結果ページの上部や下部に表示されるテキスト広告のことです。検索結果と同じように見えますが、URLの前に「広告」と表示されているのが特徴で、自然検索(SEO)とは明確に区別できます。
掲載場所は検索結果の上部が中心で、ユーザーの目に触れやすいポジションに表示されます。広告主が費用を支払い、特定のキーワードを検索したユーザーに向けて、最適なタイミングで広告を見せることができるのがリスティング広告の大きな強みです。
リスティング広告の種類
続いて、リスティング広告の代表的な種類を紹介します。現在の国内では、主に Google と Yahoo! の2つの検索エンジンで広告を配信することが可能です。
種類1:Googleリスティング広告
国内の検索エンジン市場で圧倒的シェアを持つのが Google です。検索結果画面の上部に表示される広告が Google リスティング広告にあたります。
Google の検索シェアは、PCで約77%、スマートフォンで約75%と非常に高く、リスティング広告を始める企業の多くがまず Google を選ぶ傾向があります。幅広いユーザーに広告を届けたい場合には、まず Google を中心に運用するのがおすすめです。
種類2:Yahoo!リスティング広告
もうひとつは Yahoo! の検索結果に表示されるリスティング広告です。配信される面が異なる点を除けば、基本的な仕組みは Google と同様と考えて問題ありません。
Yahoo! は検索シェアこそ Google より小さいものの、ユーザー属性に特徴があります。利用者は40〜50代の経営者層・主婦層が中心で、比較的高所得のユーザーが多いといわれています。そのため、ターゲットが Yahoo! のユーザー層と一致する商材であれば、積極的に活用したい媒体です。
商材や想定するペルソナに合わせて、Google と Yahoo! を使い分けながら運用するのが効果的です。
リスティング広告の課金方式
リスティング広告で採用されている課金方式は、主に 「クリック課金(CPC)」 です。ユーザーが広告をクリックしたときにだけ費用が発生する仕組みのため、無駄な広告費を抑えながら配信できるのが大きな特徴です。
クリックされるたびに発生する費用を クリック単価(CPC:Cost Per Click) と呼びます。広告が表示されるかどうか、また掲載される位置は、広告主が設定した上限クリック単価をもとに行われるオークションによって決まります。
そのため、競合が多い人気キーワードほどクリック単価は高騰しやすく、反対に競争が少ないキーワードであれば単価を抑えて配信することが可能です。これらの特性を踏まえて、適切なキーワード選定と入札調整を行うことが重要です。

CPAと一緒に確認したいリスティング広告の主要な指標と平均値
CPA(顧客獲得単価)をチェックする際は、単体で見るのではなく、関連する指標も合わせて確認することが重要です。ここでは、リスティング広告を運用するうえで必ず押さえておきたい主要指標と、その平均値について解説します。
リスティング広告の平均CTR(クリック率)
CTR(クリック率)は 広告がどれくらいクリックされたか を示す重要な指標です。以下の式で算出されます。
CTR = クリック数 ÷ 広告表示回数
リスティング広告の平均CTRは 約5%前後 と言われており、同じ運用型広告でもディスプレイ広告の平均CTR(約0.3%)と比べると、検索意図が明確なユーザーに届きやすいことがわかります。
リスティング広告の平均CPC(クリック単価)
CPC(クリック単価)は 1クリックあたりに発生する広告費 のことです。
例:クリック単価50円 × 10クリック = 500円
リスティング広告の平均CPCは 80〜1,000円ほど と幅があります。業種・競合状況・キーワードの人気によって大きく変動するため、一概に平均値を出すのは難しい指標です。
ディスプレイ広告のCPCは50〜100円程度で比較的安価ですが、CTRが低いため「CPCが安いから良い」と判断しないよう注意が必要です。
リスティング広告の平均CVR(コンバージョン率)
CVR(コンバージョン率)は クリックしたユーザーのうち、どれくらいが成果に至ったか を示す指標です。
CVR = コンバージョン数 ÷ クリック数 × 100
リスティング広告の平均CVRは 1〜5%程度が目安 とされます。業種や商品単価、LPの内容によって大きく変動するため、まずは「自社の商材で妥当なCVRか」を見極めることが大切です。
ディスプレイ広告の平均CVRは検索連動型より低い傾向にあります。
その他チェックしておきたい指標
上記以外にも、CPA改善に役立つ指標があります。
IMP(インプレッション数)
広告が 何回表示されたか を示す指標です。インプレッションが少ないと、クリックもコンバージョンも増えにくくなります。
リーチ数(Reach)
広告を 見たユーザーの実数 のことです。
- 1人が3回見た場合
→ インプレッション:3
→ リーチ:1
「どれだけの新しいユーザーに届いているか」を把握できるため、運用改善のヒントになります。
リスティング広告が効果を発揮するシーン
リスティング広告は、コンバージョン獲得を強化したい場面で特に効果を発揮する広告手法です。検索エンジンに入力されたキーワードをもとに広告が表示されるため、すでに課題意識や購入意欲を持っているユーザーに直接アプローチできるのが大きな特徴です。
そのため、問い合わせ・資料請求・来店予約・商品購入といった 成果につながるアクションを増やしたい場合に最適といえるでしょう。
また、リスティング広告は 新商品の認知拡大 に利用することも可能です。商品名や関連キーワードで広告を配信することで、該当する検索を行ったユーザーの目に自然と触れる機会が増え、結果的に認知からコンバージョンにつながる導線づくりに役立ちます。
リスティング広告におけるCPAとは
リスティング広告におけるCPAとは、広告によって1件のコンバージョン(成果)を獲得するためにかかった費用を示すマーケティング指標です。ここでいうコンバージョンとは、
「商品購入」「問い合わせ獲得」「資料請求」「アプリのダウンロード」など、広告の目的によって異なります。
要するに、リスティング広告を通じて1人の顧客を得るのにいくら費用がかかったのかを把握するための指標であり、費用対効果を判断するうえで欠かせません。
なお、CPAはリスティング広告に限らず、ディスプレイ広告やSNS広告など、あらゆるWeb広告で共通して使われる指標でもあります。
リスティング広告の顧客獲得単価(CPA)の計算式
リスティング広告におけるCPAは、次の計算式で算出できます。
CPA(顧客獲得単価)= 広告費 ÷ コンバージョン数
シンプルな指標ですが、広告運用の成果を正しく評価するうえで非常に重要です。コンバージョン数に対して広告費が大きければCPAは高くなり、効率的な配信ができていない可能性があります。
なぜCPAが重要なのか?
CPAは、リスティング広告を運用するうえで欠かせない指標です。
Webサイトへの訪問数(セッション数)やクリック率、コンバージョン率などの指標とは異なり、CPAは“収益性を直接判断できる財務指標” だからです。
広告運用では、どれだけ多くのユーザーを集客できたとしても、最終的に利益が出なければ意味がありません。そこで重要になるのが、**「1件の成果を得るためにいくらかかったか」**を示すCPAです。
事前に目標CPAを設定しておけば、
- 採算ラインを下回っているか
- 広告費が適正に使われているか
- どこに改善余地があるか
といった判断がしやすくなり、結果的に収益性の維持・向上や効果的な運用改善につながります。
リスティング広告のCPAの計算方法
リスティング広告のCPAは、次の計算式で求めることができます。
CPA=広告費用 ÷ コンバージョン数
例えば、1か月で100件のコンバージョンを獲得し、その間に50万円の広告費がかかっていた場合は、以下のように計算します。
50万円(広告費) ÷ 100件(コンバージョン数)=5,000円(CPA)
つまり、1件のコンバージョンを獲得するために「5,000円」の費用がかかっている状態だと判断できます。
限界CPAを理解する
リスティング広告を適切に運用するためには、限界CPA(自社が許容できる最大CPA) を把握しておくことが重要です。
たとえば、販売価格が1万円、商品原価が3,000円の商品を広告で販売するとします。この場合、利益は7,000円となるため、CPAが7,000円を超えると赤字になります。
この「7,000円」が限界CPAとなり、広告運用ではこの値を超えないように調整する必要があります。限界CPAを理解しておくことで、利益を確保しつつリスティング広告を運用できるようになります。
リスティング広告の平均CPAと他媒体との比較
リスティング広告の平均CPAは、業界によって大きく異なります。そのため、一概に「平均はいくら」と断定するのは難しく、自社が属する業界の平均値を把握した上で比較することが重要です。まずは主な業界ごとの平均CPAを確認し、自社のCPAが適正かどうか判断する指標として役立てましょう。
一般的なリスティング広告の平均CPA
主要業界におけるリスティング広告の平均CPAは以下のとおりです。
■リスティング広告の平均CPA(主要業界)
| 業界 | 平均CPA(リスティング広告) |
|---|---|
| Eコマース | 約5,206円 |
| 教育 | 約8,360円 |
| サービス | 約5,524円 |
| 金融・保険 | 約9,421円 |
| 医療 | 約8,980円 |
| 法律 | 約9,892円 |
| テクノロジー | 約15,354円 |
| 旅行 | 約5,143円 |
参照元:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!] | WordStream
【参考】他のWeb広告の平均CPA
比較対象として、ディスプレイ広告の平均CPAは以下の通りです。
■ディスプレイ広告の平均CPA(主要業界)
| 業界 | 平均CPA(ディスプレイ広告) |
|---|---|
| Eコマース | 約7,567円 |
| 教育 | 約16,486円 |
| サービス | 約6,839円 |
| 金融・保険 | 約6,527円 |
| 医療 | 約8,346円 |
| 法律 | 約4,544円 |
| テクノロジー | 約11,914円 |
| 旅行 | 約11,399円 |
参照元:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!] | WordStream
リスティング広告のCPAは業種別・業界別で異なる?
リスティング広告のCPAは、業種別・業界別で大きく異なります。
上記の一覧表からも分かる通り、業界によって CPA が高くなったり低くなったりする理由として、顕在層ユーザーの数の違いが挙げられます。
顕在層(=すでに課題やニーズが明確で、検索行動に移っているユーザー)が多い業界ほど、コンバージョンが獲得しやすく、結果として CPA も低くなります。
そのため、
- Eコマース
- サービス系
- 旅行業界
などは CPA が比較的安くなる傾向があります。
一方で、専門性が高く顕在層が限られる、
- 法律
- 金融・保険
- テクノロジー(IT)
といった業界は、必然的に競争も激しく、CPA が高くなりやすいのが特徴です。
自社の CPA を評価する際は、単純な金額だけを見るのではなく、必ず業界平均と比較することが重要です。
CPAを改善するには、大きく分けて2つの指標を見る
冒頭でもお伝えした通り、CPAを下げるためには、まず以下の2つの観点から改善ポイントを見つけ出し、施策を進めていく必要があります。
- CPCを下げる(インプレッション課金型の場合はCPMを下げる)
- CVRを上げる
なぜこの2つが重要になるのかというと、クリック課金型のCPAは次の式で表せるためです。
CPA = CPC ÷ CVR
つまり、CPAが高くなる理由は「CPCが高い」か「CVRが低い」か、そのどちらか(もしくは両方)ということです。
インプレッション課金型の場合は、CPCではなく 「CPM(広告1,000回表示あたりの費用)」 を下げることで、同じ予算でもより多くのユーザーに広告を見てもらえるようになり、結果としてクリック数やCVR改善につながります。
そのため、リスティング広告でCPAが高騰しているのであれば、まずは CPC と CVR のどちらに改善余地があるかを見極めることが重要です。
数値を確認し、なぜ現在の状態になっているのか原因を分析した上で対策を実行することで、CPAを改善できる可能性が大いにあります。
各指標に改善余地があるかどうかを判断する方法
次に行うべきは、「CPC」「CVR」それぞれに改善余地があるかどうかの判断です。
基本的には、業界の平均値と比較し、現在の数値にどの程度乖離があるのかを見ていきます。
例えば、次のようなケースを考えてみましょう。
| 指標 | 自社の数値 | 業界平均の数値 |
|---|---|---|
| CPC | 300円 | 310円 |
| CVR | 0.2% | 1% |
このケースでは、CPCは業界平均とほぼ同じ水準のため、大幅な改善は見込みにくいと判断できます。一方でCVRは平均より大きく下回っており、改善できる余地が十分にあると考えられます。
指標の平均値は、業界や商材の特性、価格帯などによって大きく異なります。
そのため、必ず 自社と近い条件のデータを参照することが大切です。
改善余地を判断するには、以下の方法が有効です。
- キーワードプランナーで調べる(CPCの把握に有効)
- 社内で過去に運用したデータを参照する
- 媒体社に競合比較レポートを作成してもらう
- 業界のCPC・CVRが分かるホワイトペーパーを入手する


このように事実ベースで自社の数値を把握し、「どちらを改善するべきか」を冷静に判断することで、より効率的にCPA改善へ近づくことができます。
CPA改善施策を実施する前に理解しておくべきこと
CPAを下げるための具体的な対策に入る前に、まず押さえておきたい前提が2つあります。
- 「これさえやれば必ずCPAを下げられる」という施策は存在しない
- CPAはあくまでも“費用対効果”を計測する指標である
それぞれ詳しく解説します。
「これさえやれば必ずCPAを下げられる」という施策は存在しない
CPAをはじめとした各種指標の改善には、絶対的な正解はありません。
「CTRを1.5倍にしてください」「CVRを2倍にしてください」といった要望に対し、
常に100%実現できる人はいませんし、そもそも市場環境は常に変動しています。
例えば、CVR改善のためにLPO施策を行っても、
ちょうど同じタイミングで競合他社が大規模セールを実施すれば、
ユーザーがそちらへ流れてしまう可能性もあります。
そのため重要なのは、
- 現在のCPCやCVRが悪化している原因はどこか
- その原因に対して、何を行えば改善できる可能性があるか
を都度冷静に分析し、
「改善効果が大きく、実行しやすい施策」から取り組んでいくことです。
CPAはあくまでも「費用対効果」を計測する指標
CPAは、Webマーケティングの成果を評価するうえで非常に重要な指標ですが、
CPAだけを下げることが目的化してしまうのは危険です。
CPAが低くても、売上や利益が伴わなければ広告効果が高いとは言えません。
以下は例です。
| キャンペーン | 広告費 | CV数 | CPA | 売上(単価1万円) | 粗利(25%) | 利益(粗利−広告費) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| A | 300,000円 | 300件 | 1,000円 | 3,000,000円 | 750,000円 | 450,000円 |
| B | 750,000円 | 500件 | 1,500円 | 5,000,000円 | 1,250,000円 | 500,000円 |
数字だけ見ると、
CPAが低いのは「キャンペーンA」です。
しかし実際には、
- CV数
- 売上
- 粗利
- 利益
これらすべてが キャンペーンBの方が高い という結果になっています。
つまり、
CPAが低い=ビジネス的に優れている、とは限らない ということです。
広告・マーケティングで重要なのは、
「CPAを下げること」ではなく、
最終的にどんなリターン(利益・売上)を得たいのかです。
そのため、CPAだけに囚われず、
- KGI(最終的に達成したいゴール)
- KPI(ゴール達成のための各指標)
を総合的に確認しながら改善を進めることが欠かせません。
CPAの改善方法1|CPCを下げる
ここでは、CPAを下げるためにまず取り組みたい「CPC(クリック単価)を下げる方法」を詳しく解説します。
リスティング広告では、CPCが高騰する原因として大きく以下の2つが挙げられます。
| CPCが高騰する原因 | 考えられる対策 |
|---|---|
| 広告やLPの品質が低い | 広告文・キーワード・LPの関連性を最適化し、品質スコアの向上を図る |
| 競合性が高い | ロングテールキーワードの強化、入札制御の最適化、上限入札の調整 |
CPCが上がってしまう場合、まずは 品質スコアで改善余地があるか を確認することが重要です。
品質スコアは、広告・キーワード・LPの整合性を総合的に評価する指標で、ここが低いほどCPCが上がりやすい傾向にあります。
対策1. 広告とLPを見直し、推定クリック率や関連性など(品質)を高める
品質スコアを確認した結果、
- 広告文やLPの内容がユーザーにとって分かりにくい・情報が不足している
- キーワードと広告文、さらにLPのメッセージが一致していない
といった課題が見られる場合、これらを改善することでCPCを抑えたり、同じ予算でもより上位に広告を掲載できる可能性があります。
「なぜ品質が影響するのか」「どのように改善すべきか」を理解するために、まずは広告とLPの品質がどのように評価されるのかを押さえておきましょう。
リスティング広告では、キーワードに対して広告文・LPの内容がどれだけ一致しているか、そしてそのページがユーザーにとって役立つ内容になっているかといった点が重視されます。これらが高いほど「品質が良い」と評価され、掲載順位に影響します。
広告がどの位置に表示されるかは、以下のように計算される「広告ランク」で決まります。
「CPC(入札単価)」 × 「広告の品質」 = 広告ランク
※実際には広告表示オプションなども考慮されますが、ここでは簡略化しています。
つまり、広告とLPの品質が高いほど、入札単価をそこまで上げなくても高い広告ランクを獲得できるため、上位表示されやすくなるのです。
次の例を見てみましょう。
| 上限CPC(入札単価) | 品質 | 広告ランク |
|---|---|---|
| 広告A | 400円 | 8 |
| 広告B | 900円 | 3 |
この場合、広告Aの方が広告ランクが高いため、広告Bよりも上位に表示されます。
広告Aは広告Bの半額以下の入札でも、品質の高さによって勝てているわけです。
つまり、競合が多いキーワードで上位を狙う場合は、品質改善により低CPCでも優位に立てるのです。
さらに、広告の品質が高まると、
- 実際のクリック単価が下がる
- 同じ予算でより多くのクリックを獲得できる
といった効果も期待できます。
広告とLPの品質を改善するには、主に以下3つのポイントを押さえることが重要です。
● 広告の推定クリック率を高める
● 広告文とキーワードの関連性を高める
● ランディングページの利便性・検索語句との整合性を高める
以下で、それぞれの改善ステップを詳しく説明します。
広告の推定クリック率を超える
「広告の推定クリック率」とは、設定キーワードで広告が表示された際に、ユーザーがクリックする確率を予測した指標のことです。検索ユーザーが探している情報に合致した広告文や、思わず続きを読みたくなるような魅力的な表現を使うことで、改善が期待できます。
ただし、掲載順位や広告表示オプションによる“見え方の良さ”は推定クリック率には直接影響しないため、この点は切り離して考える必要があります。
広告の関連性を高める
「広告の関連性」とは、ユーザーの検索意図と広告文の内容がどれほど一致しているかを示す指標です。検索したユーザーが何を求めているのかを把握し、そのニーズに応えられる広告文が設定できているかを考えることが重要になります。
店舗やサービスの種類が多い事業を行っている場合は、「広告カスタマイザ」を活用する方法もあります。広告カスタマイザとは、ユーザーが検索するキーワードや地域、時間帯などに合わせて、自動で広告文を最適化してくれる機能のことです。
例えば「福岡 カフェ」と検索したユーザーには「福岡の人気カフェをご紹介」と表示し、「天神 カフェ」と検索したユーザーには「天神のおすすめカフェ」など、細かな違いに応じた広告文を出し分けることができます。
このように、1つの広告グループでユーザーの細かな検索意図に対応した広告を出せるため、「広告の関連性」の改善に非常に役立ちます。
ランディングページの利便性を高める
「ランディングページの利便性」とは、ユーザーが検索したキーワードと広告文・LPの内容がどれだけ整合しているか、またページ内容がユーザーにとって役立つものであるかを示す指標です。
利便性を高めるには、以下の観点を見直してみましょう。
- ユーザーが検索キーワードからイメージした内容と、LPに掲載されている情報がずれていないか
- ページの読み込み速度やフォームの位置、導線が適切に設計されているか
もしユーザーが求める情報とLPの内容にズレがあったり、ページの使い勝手が悪かったりする場合は、早めに改善を行う必要があります。
なお、「広告の推定クリック率」「広告の関連性」「ランディングページの利便性」はいずれも Google 広告の管理画面から確認できる「品質スコア」でチェックできます。
品質スコアについての詳細は、別記事でも解説しているので、合わせて参考にしてみてください。

対策2. 競合が少ないロングテールキーワードの入札を強化する
設定しているキーワードの競合性が高く、それによってCPCが高騰している場合は、より競合の少ないキーワードに切り替えることも検討しましょう。
ロングテールキーワードとは、
「英会話 教室 渋谷 通学」 のように、3語〜4語で構成される複合キーワードのことを指します。
語数が増えるほど競合が減る傾向にあるため、比較的低いCPCでクリックを獲得しやすいメリットがあります。
そのため、競合性の高いメインキーワードを運用しながらも、同時にロングテールキーワードの比率を高めることで、CPCの改善が期待できます。
ただし、ロングテールキーワードは検索ボリュームが少ないため、単体でのコンバージョン数は多くなりにくい点には注意が必要です。
ロングテールばかりに偏らず、全体のCV数やCPCのバランスを見ながら構成を調整することが重要です。
また、キーワードが長くなるほど、ユーザーの検索意図がより明確になります。
例として、次のような違いがあります。
| キーワード | ニーズ |
|---|---|
| 英会話 教室 渋谷 | 渋谷周辺で英会話教室を探している |
| 英会話 教室 渋谷 通学 | 渋谷で「通学型」の英会話教室を探している |
このように、ロングテールキーワードを設定する際は、ユーザーがどのような背景で検索しているのかを踏まえ、広告文・LPの内容が意図に合致しているかも必ず確認しましょう。
対策3. ポートフォリオ入札戦略の上限CPCを設定する
ポートフォリオ入札戦略を利用している場合、上限CPCを設定することで、クリック単価の異常な高騰を抑制できます(ただし、Googleは公式には推奨していません)。
例えば、あるキャンペーンの平均CVRが「1%」の実績で、CPAを1万円以内に収めたいとします。
この場合、理論上の許容CPCは 100円(=10,000円 × 1%) となります。
しかし、自動入札を使用していると、Googleのシステムが「このユーザーはコンバージョンしやすい」と判断した場合に、1クリック 3,000円 など、明らかに高いCPCでも入札してしまうケースがあります。
これでコンバージョンが取れればよいのですが、
もし成果が出なかった場合、予算消化のロスが非常に大きくなってしまう という問題があります。
CPAの改善方法2|CVRを上げる
CVRを上げることでCPAを改善する方法について解説します。
まず、リスティング広告のCVRが低くなってしまう背景には、いくつかの代表的な原因があります。
下記に、想定される原因と考えられる対策をまとめていますので、どこに改善余地があるのかを最初に整理してみてください。
| CVRが低い原因 | 考えられる対策 |
|---|---|
| CVに繋がらないキーワードで出稿されている | ・効果が出ているキーワードに入札を寄せる ・CVに繋がらないキーワードを停止・除外する |
| 広告文がCVに繋がりやすいユーザーにクリックされていない | ・広告文の訴求を改善する ・「地域」「時間帯」などのターゲティングを見直す |
| LPでの離脱率が高い | ・「キーワード」「広告文」「LP」の関連性を高める ・LPOを行う ・効果が出ていないLPの配信を停止する |
| フォームでの離脱率が高い | ・EFO(入力フォーム最適化)を行う |
リスティング広告をはじめとしたWeb広告は、基本的に 「キーワード(ターゲット)」「広告(テキスト・バナーなど)」「リンク先ページ(LPなど)」 の3つの要素で構成されています。
そのため、これらの要素に一貫性を持たせつつ、
ユーザーが「検索 → クリック → ページ閲覧 → フォーム入力 → 送信」へと進む各ステップの通過率を高めていくことが、CVR改善の最も重要な考え方 になります。
対策1. 効果が出ているキーワードに入札を寄せる/CVに繋がらないキーワードを停止・除外する
広告配信の結果を分析すると、「コンバージョンにつながりやすいキーワード」と「つながりにくいキーワード」が必ず出てきます。まずはこの傾向を把握し、成果が出ているキーワードに予算を寄せて入札を強化し、反対に成果が出ていないキーワードは停止・除外することで、効率よくCVRを改善できます。
ただし注意したいのは、「効果が出ていない=必ずしも悪いキーワード」と決めつけないことです。
後述しますが、そのキーワードに対して
- 広告文が検索意図とズレている
- LPの内容がユーザーのニーズに合っていない
- キーワードの粒度に対して訴求が広すぎる/狭すぎる
といった理由で成果が出ていないケースも多くあります。
そのため、単純に成果が悪いからといって即除外するのではなく、
- 別の広告グループとして切り出して訴求内容を最適化する
- キーワードに合わせて広告文の表現を変更する
- LPで訴求すべきポイントを調整する
といった改善を加えることで、むしろ「伸びしろのあるキーワード」に変わる可能性もあります。
キーワードを停止する前に、「成果が出ていない本当の原因はどこにあるのか?」を分析することが、CPC・CVR改善の第一歩です。
対策2. 広告文を改善する
「推定クリック率より実際のクリック率が低い」「広告の関連性が低い」といった評価が出ている場合は、広告文が本当に検索意図に合っているか、ターゲットにとって魅力的な訴求になっているかを改めて確認する必要があります。
例えば、「オンライン英会話 比較」というキーワードで広告を配信しているとします。この場合、検索意図は「自分に合うオンライン英会話サービスを見つけたい」というものです。
そのため、
- 「無料体験レッスンあり」
- 「講師の指名予約が可能」
- 「1回◯円から始められる」
といった、ユーザーが比較時に気にしやすいポイントを広告文に含めることで、クリックされやすくなります。
また、LP側でキャンペーンを実施している場合には、
- 「初月50%OFF」
- 「入会金0円キャンペーン」
など、LPに確実に記載されている訴求内容を広告文に反映することで、「すぐに申し込みたい」ユーザーを確実に誘導でき、結果としてCVR向上につながる可能性があります。
ただし、広告文で訴求する内容は「LPに実際に記載されていること」が絶対条件です。LP側に存在しない内容を誤って広告に入れてしまうと、ユーザーが「思っていた内容と違う」と感じて離脱してしまい、逆にCVRが悪化するケースもあります。
次でも詳しく説明しますが、キーワード・広告文・LPの内容が一貫していることが、広告成果を改善するための前提条件です。
対策3. 「地域」「時間帯」などのターゲティングを見直す
効果が出ているキーワードへ入札を寄せるのと同じように、成果が出やすいターゲット属性が判明している場合は、その条件に合わせてターゲティングを調整することも有効です。
Google広告では、キーワードだけでなく「地域」「時間帯」「年齢層」などを細かく指定できます。
例えば、
- 特定エリアでの問い合わせが多い場合は、その地域にのみ配信する
- 深夜帯のCVRが極端に低ければ、その時間帯の広告配信を停止する
- 20〜30代の反応が良い場合は、年齢ターゲティングで優先的に表示させる
といった設定を行うことで、よりコンバージョンにつながりやすいユーザーに広告を集中させられます。
こうしたターゲティングの最適化は、無駄なクリックを減らしつつ「成果が期待できるユーザー」に配信リソースを寄せられるため、結果的にCVRの改善につながる可能性があります。
対策4. 「キーワード」「広告文」「LP」の関連性を高める
広告文のクリック率が低い、LPでの離脱率が高いといった課題がある場合は、「そのキーワードで検索するユーザーが求めている内容」「広告文」「LP」の三つが噛み合っていない可能性があります。
この関係性をイメージしやすくするために、家電量販店を例に置き換えて考えてみましょう。
たとえば「ノートパソコン 軽量」と検索し、広告文に
「持ち運びに強い軽量ノートPC|1kg以下モデル多数」という文言を見つけたユーザーは、
“仕事や外出先で使いやすい、軽いノートパソコンが揃っていそう”
という期待をもってLPへ訪れます。
しかし、LPを開いた瞬間に並んでいる商品が
- ゲーミングPC(重量2.5kg以上)
- 据え置き向けの大型ノート
- クリエイター向けの高負荷モデル
ばかりだったらどうでしょうか。
「自分の探している商品じゃない」と感じ、すぐに離脱してしまう人が多いでしょう。
これがまさに 「キーワード」「広告文」「LP」の不一致が起こしている状態 です。
逆に、LPに軽量モデルがしっかり揃っており、
- 重量がひと目で分かるスペック表
- 比較しやすい写真や特徴まとめ
- 「持ち運び用途」に寄せた説明
が整っていれば、ユーザーの期待と内容が一致し、購入につながりやすくなります。
この例をリスティング広告に当てはめると、以下の改善が必要になります。
- 広告文のクリック率が低い場合
検索意図に合った文言で興味を引けているかを見直す
(=軽量PCを求める人に、軽量モデルが揃っていることを端的に伝える) - LPでの離脱率が高い場合
広告文を見たユーザーが「期待している情報」が確実に載っているかを確認する
(=軽さ・サイズ比較・価格帯など、来訪理由に対応した情報構成にする)
このように「キーワード → 広告文 → LP」の流れを一貫させることで、ユーザーの期待を裏切らず、CVRを大きく改善できる可能性があります。
さらに、広告の品質向上につながるため、結果的に CPCの改善 にも寄与します。
対策5. LPOを行う/効果が出ていないLPの配信を停止する
LPでの離脱率が高く、キーワードや広告文を見直してもCVRが改善しない場合、根本的にLP自体の設計に問題がある可能性があります。
もし明らかに「キーワード → 広告文 → LP」の流れが噛み合っていないのであれば、そのLPで配信し続けること自体が非効率です。その場合は、該当LPの配信を停止し、より適切なページへ誘導することを検討しましょう。
一方で、構造は間違っていないものの成果が伸びないケースであれば、LPO(LP最適化)で改善の余地があります。
LPO施策の例
- ファーストビューで商品価値が伝わるデザインに変更する
- レビューや実績の掲載位置を上部に移動する
- ページの長さが適切かを検証し、ショート版・ロング版でABテストする
- CTAボタンの文言や色、設置位置を改善する
- 申し込みフォームの項目を削減して入力負荷を軽減する
- FAQや比較表を追加し、意思決定要素を補う
LPは「これさえやれば成果が上がる」という万能施策が存在しません。
まずは現在のLPで起こっている課題を正しく把握し、原因に合った改善策を仮説立てする必要があります。
ヒートマップ分析でLPの課題を特定する
LP改善を効率的に進めるためには、ユーザーがページ内でどのように動いているかを可視化することが重要です。そこで役立つのがヒートマップツールです。
ヒートマップでは、
- 熟読エリア(どこが読まれているか)
- 離脱エリア(どこでスクロールが止まり、離脱しているか)
- クリックポイント(どの要素がどれだけクリックされているか)
をひと目で把握できます。
たとえば、
- 重要な訴求を掲載しているのに、ほとんど読まれていない
- CTAの直前で離脱が急増している
- 意図していない箇所にクリックが集中している
といった課題が見つかれば、それに応じた改善アクションを取ることができます。
さらにヒートマップを使えば、数値分析だけでは発見しづらい「文章のわかりにくさ」「視覚的な誘導の弱さ」といったUX課題にも気付きやすく、デザイナーや営業担当など専門外のメンバーとも認識を合わせやすくなります。
こうしたデータと可視化情報をもとに仮説を立て、改善策を具体化させることで、LP全体のCVR向上に繋げていくことが可能です。
対策7. リスティング広告のアカウント構造を、目標コントロールや機械学習を正しく行いやすい状態にする
リスティング広告で安定したCPAを実現するためには、日々の入札調整や広告改善だけでなく、アカウント構造そのものが適切になっているかも重要なポイントです。
例えば、「家具セット 通販」と「ラグマット 安い」というキーワードを同じ広告グループで運用していたとします。家具セットは単価が高く、一般的に目標CPAは高めに設定されるのに対し、ラグマットは単価が低いため、目標CPAも低めに抑えたいのが自然です。
しかし、これらを同じ広告グループに入れてしまうと、自動入札での目標設定を分けることができず、
- 本来CPAを高めに設定したい家具セット
- CPAを低く抑えたいラグマット
この両方に同じ目標を適用してしまうことになります。その結果、どちらも中途半端なパフォーマンスになってしまい、機械学習も正しく進まなくなるという悪循環が起きてしまいます。
また、自動入札は「関連性の高いデータがまとまっていること」を前提に最適化されるため、複数の商品カテゴリーや複数地域、複数ブランドを扱っているアカウントほど構造設計が重要になります。
例えば、
- 地域展開している店舗(東京・大阪・名古屋など)
- 複数カテゴリを扱うECサイト(家電・家具・生活雑貨など)
- 単価・CVポイントが異なるサービス(資料請求・無料相談・有料申込など)
こうした企業ほど、広告グループ単位での分類があいまいだと、機械学習に誤ったデータが混ざり、最適化どころかCPAが悪化するケースも少なくありません。
そのためアカウント構造は、「同じ指標で管理できるキーワードをまとめる」「異なるCVポイントは分ける」「地域属性をまたがせない」など、自動入札と相性の良い状態に整理しておくことが重要です。
対策8. 成果状況や事業フェーズに合わせたポートフォリオ(どのキャンペーン・媒体に予算を使うか)を組む
CPA改善だけに集中してしまうと、どのキャンペーン・どの媒体に最も投資すべきかという“全体最適”が見えにくくなるケースがあります。
例えば、複数のキャンペーンを同時に動かしている場合、
- 同じCPAでもLTVが高いキャンペーン
- CPAはやや高くても成約率が高いキャンペーン
- 認知は強いが刈り取りの弱い媒体
- セール期間中に強い媒体
といった特徴が異なります。
そのため、CPAの良し悪しだけではなく、
- LTV
- 商材単価
- 受注率
- 事業フェーズ(新規獲得強化期・利益確保期 など)
といった要素を踏まえ、どのキャンペーンに比重を置くべきかを設計し直す必要があります。
たとえば、
- 新規の問い合わせ数を最大化したいフェーズ
- 1件あたりの粗利を重視したいフェーズ
- リピートユーザーを増やしたいフェーズ
それぞれで割り当てるべき予算は変わります。
また、リスティング広告でどうしても目標CPAを下回らない場合は、
- Meta広告やディスプレイ広告に広げる
- 見込み層に向けた動画広告を強化する
- SEO記事でキーワード対策を並行する
など、媒体ポートフォリオを組み直すことで全体CPAが改善するというケースも多くあります。
広告運用はCPAだけを見るのではなく、事業全体の収益構造や成長段階を踏まえた「広告投資ポートフォリオの再構築」が成果に直結します。
対策9. 正しい戦略・施策を行うためには、伴走型コンサルティングを付けるのもおすすめ
リスティング広告をインハウスで運用している企業の中には、日々の運用だけで精一杯になり、
- 本来見直すべきKPI設定ができていない
- 構造設計が複雑化してしまった
- 機械学習が正しく働かない
- 施策優先度の判断が難しい
- CPA改善よりも重要な問題を見落としてしまう
といった課題を抱えているケースが少なくありません。
こうした状況にある企業にとって、伴走型コンサルティングを導入することは非常に効果的です。
伴走型コンサルティングでは、事業背景やターゲットを理解した担当者が、
- 正しい目標CPA・KPIの設定
- 機械学習が進みやすいアカウント構造への再設計
- 媒体ごとの予算ポートフォリオ構築
- 各指標の見方・改善の優先順位の透明化
- 考えるべき戦略・やるべき施策の判断整理
といった“成果に直結する根本部分”から支援してくれます。
適切に目標CPAを設定できていない場合、CPA改善に注力すること自体が間違いなケースもある
ここまでCPCとCVRという2つの指標を軸に、CPAを改善する方法を解説してきました。しかし現場で運用支援をしていると、「CPAを改善する」以前に、そもそも目標CPAの設定が適切ではない ケースが非常に多く見られます。
つまり、CPAが高いように見えても、実は“目標CPAの設定が間違っていた”せいで、必要以上にCPA改善に労力を割いてしまっているという状況です。
目標CPAそのものを見直すべきケース
以下のような場合は、CPA改善施策に取り組む前に、目標CPAの妥当性を疑う必要があります。
業界平均や商材単価的にその目標CPAが不自然
例えば、士業・医療・不動産・BtoB SaaS のように問い合わせ単価が高くなりやすい業界では、CPA1〜2万円が一般的な水準になることも珍しくありません。
にもかかわらず「CPA8,000円以内に抑えたい」と設定してしまうと、そもそも市場水準とかけ離れているため達成が困難になります。
受注率・LTV・販管費を考慮せず“なんとなくの勘”でCPAを決めている
とても多いケースです。
例えば、問い合わせ(リード)を獲得した後、
- 商談化率
- 受注率
- 契約単価
- 平均継続年数
- 粗利率
- 固定費・営業人件費
これらを考慮せずにCPAを“1件あたり◯円が理想”と決めてしまうと、適切な目標設定にはなりません。
具体例
たとえば、BtoB向けのシステム導入サービスを提供している企業があるとします。
- リード獲得 → 商談化率:25%
- 商談 → 成約率:8%
- 契約単価:年間120万円
- 平均継続期間:4年(LTV=480万円)
この場合、リード50件獲得で以下のような計算になります。
リード50件 × 商談化率25% = 商談12.5件
商談12.5件 × 成約率8% = 成約1件
成約1件 × LTV480万円 = 480万円の売上
つまりリード1件あたりCPAが96,000円以内であれば赤字にはなりません(480万円 ÷ 50件)。
しかしもし、LTVや商談化率を考慮せずに“CPA20,000円以内”を目標に設定した場合、
- 実際はCPA60,000円でも黒字なのに
- 無意味にCPA改善に追われてしまう
- 費用を増やせば獲得数が伸びるのに、予算を減らしてしまう
といった 大きな機会損失 が生まれてしまいます。
逆に、販管費や人件費を加味して計算し直すと、「今のCPAでは利益がほぼ残っていない」というケースも普通に存在します。
そのためCPA改善に目を向ける前に、
- 目標CPAは本当に正しいか?
- LTVや営業コストを考慮して設定されているか?
- 市場水準から乖離していないか?
こうした視点を持つことが重要です。
適切に目標CPAを設定する方法
CPAを設定する際は、表面的な原価や商材価格だけでなく、本当に利益が残る水準 を算出した上で決める必要があります。
まずは「上限CPA」を求め、その上で「目標CPA」を計算します。
上限CPA(損益分岐点)の計算方法
まずは“これ以上かかったら赤字になるライン”を計算します。
上限CPA = 顧客単価 × 利益率
または、
上限CPA = 顧客単価 − コスト
(※顧客単価はLTVで計算する場合も多いです)
例:単価10万円、利益率60%のサービスの場合:
10万円 × 60% = 上限CPA:6万円
つまり CPA 60,000円を超えると赤字になるため、これが“絶対に越えてはいけないライン”になります。
目標CPA(KPI)の計算方法
上限CPAが決まったら、次は“利益を確保しながら広告費として使える割合”を決めます。
目標CPA = 上限CPA × 広告費割合
または、
目標CPA = 上限CPA − 目標利益額
例:上限CPAが6万円・利益を60%確保したい場合:
60,000 × 40% = 24,000円(目標CPA)
あるいは
60,000 − 36,000 = 24,000円(目標CPA)
つまり企業としては CPA24,000円以下 に収まる運用ができれば、十分利益を維持できる計算になります。
リスティング広告なら ArchRise
当社ArchRiseは、累計100社以上・500以上のアカウント運用実績をもつ、広告運用・SEO・DX支援まで一気通貫で行うWeb集客プロフェッショナル集団です。
特にリスティング広告については、KPI設計からアカウント構造、入札戦略、ランディングページ最適化までをワンストップでご支援し、「目標CPAの達成」「獲得単価の最適化」「広告費効率の改善」にフォーカスしています。
もし「リスティング広告で思うようにCPAが下がらない」「目標CPAの設定自体に不安がある」という場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
本記事では、リスティング広告における「顧客獲得単価(CPA)」の定義・計算方法・目標設定の考え方から、CPC/CVRといった改善すべき指標、さらに実践的な対策を9選にわたってご紹介しました。
成果を出すためには、単に「クリックを増やす」「コンバージョンを増やす」という短絡的な施策ではなく、事業構造・利益構造・広告目的に即した「目標CPAの設計」が出発点です。
さらに、適切に設計されたアカウント構造・訴求整合性・配信ポートフォリオ・伴走型の支援体制を確保することで、持続的に成果を改善・最適化できるようになります。
ぜひ本記事の内容を、貴社の広告運用におけるチェックリストとしてご活用いただき、「費用対効果を最大化する広告運用」の実現にお役立てください。

