リスティング広告のエリア指定とは?地域ターゲティングの仕組みと効果を徹底解説

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リスティング広告のエリア指定(地域ターゲティング)は、特定の地域に絞って広告を配信できる強力な手法です。
実店舗の来店促進や、特定エリアに根ざしたサービスの集客など、地域密着型のビジネスで特に効果を発揮します。

広告配信の範囲を最適化することで、無駄なクリックを減らし、費用対効果を高めることが可能です。また、反響の高い地域に予算を集中させたり、成果の見込めない地域を除外したりすることで、限られた広告費をより効率的に活用できます。

本記事では、リスティング広告のエリア指定の仕組みや設定方法、除外設定の活用法、さらに効果を最大化するための実践ポイントまで詳しく解説します。地域ターゲティングを戦略的に活用し、成果を伸ばしたい方はぜひ参考にしてください。

目次

地域ターゲティングとは

地域ターゲティングとは、特定の地域を指定して広告を配信できる機能のことです。
設定したエリア内のユーザー、またはその地域に関心を持つユーザーに限定して広告を表示できるため、無駄な配信を防ぎながら、より効果的なターゲティングが可能になります。

地域ターゲティングを活用することで、次の2つの配信が実現できます。

  • 地点Aにいるユーザーのみに広告を配信する(他地域のユーザーには表示しない)
  • 地点Aに興味・関心を示しているユーザーにも広告を配信する(例:検索語句に「地点A」を含むユーザーなど)

このように、地域を絞り込むことで、広告を本当に届けたいターゲット層に限定して配信することが可能です。

特に以下のような業種・ビジネスにおすすめです。

  • 特定エリアで割引キャンペーンを行う飲食店や小売店
  • 学区や通学圏に絞って生徒募集を行う学習塾や予備校

地域ターゲティングを効果的に活用することで、ターゲットユーザーへの到達率が高まり、コンバージョン数やコンバージョン率の改善、費用対効果の向上が期待できます。

この章では、「Google広告」と「Yahoo!検索広告」における地域ターゲティングの種類・設定方法・ターゲット設定の違いについて詳しく解説します。

また、地域密着型ビジネスにおいては、MEO(Map Engine Optimization/ローカルSEO)の活用も重要です。
MEOは、Googleマップ上の検索結果で自社情報を上位に表示させる施策であり、地域ターゲティングと組み合わせることで、より高い集客効果を発揮します。

エリアターゲティングによるメリット

ここからは、エリアターゲティングを導入することによって得られる主なメリットについて、具体的に見ていきましょう。

地域ごとに予算配分できる

リスティング広告の「エリアターゲティング」による大きなメリットは、地域ごとに予算を配分できる点です。

通常、リスティング広告の費用は、配信する時間帯や範囲によって変動します。
たとえば、東京都内に複数店舗を展開している整骨院が「東京 整骨院」や「東京都 整体」といった広いキーワードで広告を出稿すると、競合が多くクリック単価が上昇し、広告費が高額になってしまう傾向があります。

そのようなときに有効なのがエリアターゲティング戦略です。
同じ東京都内でも「新宿 整骨院」「高田馬場 整骨院」「早稲田 整体院」など、地域名を組み合わせたミドル〜スモールキーワードを設定し、それぞれに予算を配分することで、広告費を抑えつつ、的確なユーザー層にリーチできます。

地域ごとに配信比率を変更できる

リスティング広告の「エリアターゲティング」では、広告の反響率に応じて地域ごとに配信比率を変更することも可能です。

たとえば、カフェチェーンが複数の駅近くに出店している場合、アクセス数やコンバージョン率の高いエリアに予算を集中させる運用ができます。
「新宿駅エリア 40%」「高円寺エリア 35%」「荻窪エリア 25%」といった形で配信比率を最適化することで、広告効果を高めつつ、予算のムダを抑えられます。

地域の反響データを基に柔軟に配信比率を調整することで、広告予算の最適化と地域密着型の集客が両立できます。

エリアに特化した情報を届けられる

実店舗を利用するユーザーは、たとえば「カフェ 東京」と検索しても「どこでも良い」と考えるわけではなく、自宅や勤務先、通勤経路の沿線、よく立ち寄る駅周辺など、生活圏内でアクセスしやすい場所を選ぶ傾向があります。

つまり、ユーザーにとって行動範囲と関係のない情報はあまり必要とされません。
そのため、エリアを考慮せずに広告を配信しても、クリック率・CV率の両方が低下してしまうケースが多いのです。

リスティング広告の「エリアマーケティング」を活用し、特定地域に特化した情報を配信することは、配信側にとっても広告効果を高めるだけでなく、ユーザーにとっても有益で信頼性の高い情報提供につながります。
結果として、地域性を重視した広告配信はユーザー満足度を高め、コンバージョン率の改善にも大きく寄与します。

リスティング広告と地域ターゲティングの相性がいい理由

リスティング広告とは、Webページに表示されるテキストや画像を含む広告の総称で、GoogleやYahoo!が提供する検索エンジンの検索結果に連動して表示される広告です。そのため「検索連動型広告」とも呼ばれ、クリックごとに課金される仕組みから「PPC(Pay Per Click)」とも呼ばれます。

リスティング広告の大きな特徴は、購入意欲のある能動的な消費者と接点を持ち、直接訴求できる点です。ユーザーが自ら検索したキーワードに基づいて広告が表示されるため、購買意欲が高く、より効果的にアプローチできます。

また、リスティング広告と地域ターゲティングを組み合わせることで、集客したい店舗の近くに住んでいるユーザーや、よくそのエリアに足を運んでいるユーザーの中でも、より能動的に情報を探している感度の高いユーザーに絞り込んで広告を出すことが可能です。これにより、成果に繋がりやすくなる点が大きな特徴です。

さらに、リスティング広告では、Google/Yahoo!ともにデバイス・地域を絞り込むだけでなく、配信する曜日と時間帯の調整も可能です。Googleでは、ユーザーの属性を細かく設定する「デモグラフィックターゲティング」ができ、より精度の高い配信が実現できます。

ユーザー属性には、年齢・性別・子どもの有無・世帯収入といった項目があり、より詳細なターゲティングが可能です。こうした機能を活用することで、地域ターゲティングと組み合わせた高度な広告戦略を構築できます

リスティング広告における地域ターゲティングの指定方法

地域ターゲティングの指定方法について、Google広告とYahoo!検索広告のそれぞれについて解説します。簡単に指定方法を表したものが下記になります。

出稿サービス指定方法の種類
Google広告任意の地点を指定する
Google広告半径によって指定する
Yahoo!検索広告任意の地点を指定する

Google広告の地域ターゲティングの指定方法

Google広告の地域ターゲティングの指定方法は、主に以下の2つの種類があります。

  1. 国や都道府県などの任意の地域を指定する
  2. 半径によって指定する

まず「国や都道府県などの任意の地域を指定する」方法では、国や都道府県といった任意の地域をターゲットに設定できます。1つの国を指定して広告配信を行った場合、その国内にいるユーザーに広告を掲載し、国内全土に向けた広告配信が可能となります。

また、1つの国だけでなく、複数の国にまたがって配信を行うことも可能で、世界に向けて同時に広告を配信できます。さらに、国という大きなカテゴリだけでなく、都道府県や、より狭い範囲となる市町村(ただし一部の地域を除く)でも地域設定が可能です。

自社の商品やサービスの特徴に合わせて、県内や特定の市町村といった地域でターゲットを絞り込み、効率的に広告配信を行うことができます。Google広告でターゲットに設定できる地域の一覧については、Google Ads APIのターゲット一覧ファイルを参照してください。

次に「半径によって指定する」方法では、任意の地点を中心に一定の半径を範囲として地域を絞り込むことができます。定めた地点から設定した半径内に存在するユーザーのみに広告配信が可能です。

たとえば、半径を10kmに設定した場合、任意の地点から半径10km以内に存在するユーザーに限定して広告を掲載できます。区や市町村の中でさらに広告配信エリアを細かく絞り込みたい場合や、自社ビジネスの商圏が限定的である場合に適した指定方法です。

なお、この「半径指定」はGoogle広告のみで利用可能な機能です。

Yahoo!検索広告の地域ターゲティングの指定方法

Yahoo!検索広告の地域ターゲティングでは、「国や都道府県などの任意の地域を指定する」ことができます。Google広告と同様に、特定の地域をターゲットとして広告を配信することが可能です。

Yahoo!検索広告で地域指定を行うことで、自社広告を特定エリア内に限定して掲載できます。また、逆に広告を掲載したくない地域を除外設定として指定することも可能です。これにより、特定の地域への広告配信を停止し、より精度の高い広告運用が実現します。

地域ターゲティングの対象となるユーザーをどうやって決めるのか

リスティング広告における地域ターゲティングでは、どのユーザーに広告を配信するかを判断するために、検索エンジンごとに異なる判定方法が用いられています。ここでは、Google広告Yahoo!検索広告それぞれの地域ターゲティングにおける「対象ユーザーの判定基準」について詳しく説明します。

参考:『リスティング広告で地域ターゲティング!設定の違いと仕組み』

Google広告での広告配信先の判別

Google広告では、地域ターゲティングを行う際、ユーザーのスマートフォンやIPアドレスの位置情報、検索キーワードや検索履歴の情報などをもとに、広告配信先を大きく3つのタイプに分けて判別しています。

① ターゲット地域にいるユーザーと、ターゲット地域に関心を示しているユーザー(推奨)

この設定では、ユーザーの所在地がターゲット地域にある場合、またはその地域に興味・関心をもって検索している場合に広告が配信されます。
たとえば、地点Aをターゲット地域に設定した場合、地点Aに住んでいるユーザーに加えて、地点Bに住んでいながらも地点Aについて検索行動を行っているユーザーにも広告が表示されます。

② ターゲット地域に所在地があるユーザーと、ターゲット地域を定期的に訪れているユーザー

この設定では、①の「関心を示しているユーザー」に代わり、実際にその地域を頻繁に訪れているユーザーを対象とします。
そのため、興味関心レベルではなく、実際に行動圏内にあるユーザーを中心に広告を配信することが可能になります。より来店や購買につながるユーザーに限定して広告を届けたい場合に有効です。

③ ターゲット地域に関心を示しているユーザー

こちらの設定では、ユーザーの所在地情報を基準とせず、ユーザーのWeb上の行動履歴や検索アクションをもとに、Googleのアルゴリズムが「その地域に関心がある」と判断したユーザーに広告を配信します。
地理的な位置よりも、行動・興味関心データを重視して広告を出したい場合に有効です。

Yahoo!検索広告での広告配信先の判別

Yahoo!検索広告においても、地域ターゲティングの際に広告配信先を判別するための3つの設定項目が用意されています。以下のいずれかを選択し、ターゲット地域を指定することが可能です。

  1. ユーザーの所在地、検索キーワードに含まれる地域、ユーザーが関心を示している地域(推奨)
  2. ユーザーの所在地
  3. 検索キーワードに含まれる地域、ユーザーが関心を示している地域

それぞれの指標の名称はGoogle広告とは若干異なりますが、判定基準の考え方そのものは同様です。
つまり、ユーザーの「現在地」や「検索行動」「関心のある地域情報」をもとに広告を出す仕組みであり、Google広告と同じように柔軟なターゲティングが可能です。

それぞれの地域ターゲティング設定方法

ここからは、地域ターゲティング指定方法のうち
「国や都道府県などの任意の地域を指定する方法」と「半径によって指定する方法」について、
Google広告およびYahoo!検索広告それぞれの設定手順を詳しく解説します。

国や都道府県などの任意の地域を指定する方法(Google広告)

Google広告では、ターゲット地域を国単位から市区町村単位まで細かく設定することができます。
以下の手順に従って、任意の地域を指定して広告を配信する設定を行いましょう。

① Google広告の管理画面にアクセス

まずは、Google広告の管理画面にアクセスします。
ログイン後、地域ターゲティングを設定したいアカウントを開いてください。

② 地域指定対象のキャンペーンをクリック

左側のサイドバーにあるメニューから、地域設定を行いたいキャンペーンをクリックします。
地域ターゲティングはキャンペーン単位で設定するため、必ず対象のキャンペーンを選択する必要があります。

③ 「地域」の項目を選択

次に、画面左側のオプションメニューから「地域」をクリックします。
ここで、広告を配信する地域や除外する地域の設定が行えます。

④ 地域を追加する

地域を新たに追加したい場合は、画面に表示されている青いペンのアイコン(編集ボタン)をクリックします。
これにより、ターゲット地域を入力・設定する画面が開きます。

⑤ ターゲットにしたい任意の地域を入力

「ターゲットにする地域」の欄に、広告を配信したい地域を入力します。
例:「日本」「大阪府」「名古屋市」など。
この際、1か所だけでなく複数の地域を一括で設定することも可能です。

⑥ 地域を一括で指定する場合

複数の地域を一括で設定したい場合は、入力欄の上部にある「場所を一括で追加」のチェックボックスにチェックを入れます。
これにより、最大1,000件まで地域を同時に指定できます。
全国チェーン店舗や広範囲の広告配信を行う場合に便利な機能です。

⑦ 指定できる地域の範囲

Google広告で指定できる地域の範囲は、以下の通りです。

  • 国全体(例:日本、アメリカなど)
  • 都道府県単位(例:東京都、大阪府など)
  • 市町村単位(例:横浜市、福岡市など)※一部地域を除く

自社のサービス内容や商圏に合わせて、最適な範囲でターゲットを設定することがポイントです。

国や都道府県などの任意の地域を指定する方法(Yahoo!広告)

Yahoo!広告では、Google広告と同様に、任意の地域を指定してリスティング広告を配信できます。
ここでは、Yahoo!検索広告における地域ターゲティング設定手順を順に説明します。

① Yahoo!検索広告の管理画面にアクセス

まず、Yahoo!広告の管理画面にアクセスします。
ログイン画面が表示されるため、Yahoo! JAPANビジネスアカウントでログインしてください。

② キャンペーンを選択

ログイン後、左側のサイドバーから設定したいキャンペーンを選択しクリックします。
地域設定はキャンペーン単位で適用されるため、正しいキャンペーンを選択して進めましょう。

③ 「地域」を選択

次に、左側メニューの中から「地域」をクリックします。
地域配信設定の画面が開き、広告配信エリアを指定・除外するための操作を行えます。

④ 「地域を編集」を選択

表示された画面内で「地域を編集」をクリックします。
ここから、広告を配信したい地域を都道府県または市区町村単位で設定することが可能です。

⑤ 都道府県の一覧の中からターゲットにしたい地域を選択

都道府県の一覧が表示されるため、配信したい地域の「配信」ボタンをクリックします。
また、地域名の左にあるプラスマークをクリックすることで、より細かく市区町村単位まで展開して選択できます。

複数地域を指定する場合は、同様の手順で複数の地域を選択してください。

⑥ 「適用」を選択して完了

ターゲットに設定した地域に間違いがないことを確認したら、画面下部にある「適用」ボタンをクリックします。
これで地域ターゲティングの設定が反映されます。

⑦ 指定完了の確認

最後に、「地域」管理画面に戻ります。
先ほど設定した地域が一覧に表示されていれば、正しく手順が完了していることを示しています。

半径によって指定する方法

こちらの指定方法は、リスティング広告ではGoogle広告のみで利用可能です。
そのため、この章ではGoogle広告における設定手順を解説します。

半径指定には、大きく分けて次の3つの方法があります。

  1. 地名や住所、郵便番号から半径を指定する
  2. 特定の店舗や施設の名前から半径を指定する(※有名施設のみ可能)
  3. ピンを立てて半径を指定する

いずれの方法でも、距離の単位は「Km」または「マイル」から選択できます。

地名や住所、郵便番号、店舗から半径を指定する方法

まずは、上記のうち
「①地名や住所、郵便番号から半径を指定する」
「②特定の店舗や施設の名前から半径を指定する」
の2つの方法について説明します。

① Google広告の管理画面にアクセス

まず、Google広告の管理画面にアクセスします。
任意の地点を指定して地域ターゲティングを設定する場合と同様の手順です。

② 地域指定対象のキャンペーンをクリック

左サイドバーから、地域ターゲティングを行いたいキャンペーンをクリックします。
地域設定はキャンペーン単位で反映されます。

③ 「地域」を選択

画面左側のオプションメニューから「地域」をクリックします。
配信エリアを指定・変更できる設定画面が開きます。

④ 指定する地域を新規追加

画面上部にある青いペンのアイコンをクリックし、新しい地域設定を追加します。

⑤ 「範囲」に切り替える

初期状態では「地域」にチェックが入っていますが、
「範囲」タブをクリックして切り替えてください。
この工程が、通常の地域指定との大きな違いとなります。

⑥ 地名を検索して半径を指定

入力欄に、ターゲットとする地名・住所・郵便番号、または店舗・施設名を入力します。
続いて、半径の距離をKmまたはマイルで指定します。

たとえば「大阪駅 半径5km」と設定すると、
大阪駅を中心とした半径5km圏内に存在するユーザーへ広告を配信できます。

ピンを立てて半径を指定する方法

次に、「③ピンを立てて半径を指定する方法」について説明します。
1~4までは、先ほどの手順と同じ流れで進めてください。

① Google広告の管理画面にアクセス

Google広告の管理画面にアクセスします。
地域ターゲティングの設定を行いたいアカウントを開きましょう。

② 地域指定対象のキャンペーンをクリック

左サイドバーから、地域指定を行いたいキャンペーンを選択します。

③ 「地域」を選択

同様に、画面左側のオプションから「地域」をクリックします。

④ 地域を新規追加

画面に表示されている青いペンのアイコンをクリックして、新しい地域設定を追加します。

⑤ ピンモードから場所を指定

地図画面の左上にある「ピンモード」をクリックします。
ピンモードを有効にすると、地図上の任意の地点を中心として半径を設定できるようになります。

続いて、ターゲットにしたい地点へピンを立て、半径を入力欄で指定します。
(例:「半径5km」「半径10マイル」など)

⑥ 「目標」を確認して完了

ピンを立てると、地図上に座標情報と「目標」が表示されます。
内容を確認し、問題がなければ「目標」をクリックして設定を完了します。

地域の除外設定

ここまでエリアターゲティングの設定方法を中心に見てきましたが、
リスティング広告の効果を最大化するためには、「地域の除外設定」も欠かせません。

地域の除外によるエリアターゲティング戦略とは

地域の除外設定とは、広告を配信したくない・配信する必要のない地域を手動で指定する機能のことです。
不要な地域への配信をあらかじめ除外することで、無駄なクリックコストを削減し、広告の費用対効果を高めることができます。

地域の除外設定が効果的に機能する主なケースは次のとおりです。

  • 商品やサービスの提供対象外となる都市や地域が存在する場合
  • 商品やサービスの提供対象外となる複数の地域を一括で除外したい場合

(参考:Google 広告ヘルプ

たとえば、東京都の渋谷・新宿・池袋に3店舗を構える美容室であれば、
半径設定で広範囲に広告を出すよりも、店舗が存在しない地域を除外設定することで、
集客可能性の低いエリアへの広告配信を防ぎ、広告費を効率的に節約することができます。

それでは実際に、「Google広告」と「Yahoo!広告」での地域除外設定方法を順に見ていきましょう。


Google広告の地域除外設定方法

除外対象となるユーザーの判定基準

Google広告における地域除外設定では、主に以下の3つの条件に当てはまるユーザーを配信対象から除外します。

  1. 位置情報により指定地域に所在するユーザー
  2. 指定地域を頻繁に訪れているユーザー
  3. 指定地域に関心を示しているユーザー

(参考:Google 広告ヘルプ

設定方法

  1. 左下の「ページメニュー」から「キャンペーン」をクリック
  2. 地域除外を設定したいキャンペーン名を選択
  3. 設定メニュー内の「地域」をクリック
  4. 検索ボックスで除外したい地域を入力し、「除外」をクリック
  5. 設定が完了したら「保存」を押して完了
  6. 最後に「除外した地域」の一覧を開き、正しく反映されているか確認します

注意点

例えば、「渋谷・池袋・新宿」などの地域を配信ターゲットにしている場合に、
上位の行政区である「東京都」を除外設定してしまうと、
東京都全域の配信が停止されてしまう可能性があります。

除外設定を行う際は、配信対象地域と除外地域の重複に注意し、
設定内容を必ず確認した上で保存することが重要です。

Yahoo!広告の地域除外設定方法

除外対象となるユーザーの判定基準

Yahoo!広告における地域除外設定では、以下3つの条件に該当するユーザーを配信対象から除外します。

  1. 指定した地域に所在している可能性があるユーザー
  2. 指定地域に関する関連語句を検索したユーザー
  3. 指定地域に関心を示している可能性のあるユーザー

(参考:Yahoo!広告ヘルプ

設定方法

  1. 広告管理ツール」を開き、検索広告のアカウントを表示
  2. サイドメニューから「地域」をクリック
  3. 除外設定をしたいターゲティング項目にチェックを入れる
  4. 除外したい地域を選択してチェック
  5. 設定後、「保存」をクリックして完了
  6. 最後に、画面下部の「除外地域」欄に設定地域が表示されているか確認

注意点

Yahoo!広告の地域除外設定は、Google広告に比べてやや精度にばらつきが出る場合があります。
そのため、設定後は実際の配信データや反響を定期的にチェックし、
必要に応じて調整を行うことが大切です。

ユーザーの地域を判断する方法

リスティング広告の「エリアターゲティング」を設定するうえで、
まず理解しておきたいのが「ユーザーの地域はどのように判定されているのか」という仕組みです。

GoogleやYahoo!などの広告プラットフォームでは、主に次の3つの情報をもとにユーザーの地域を判断しています。

1. IPアドレス

IPアドレスとは、インターネット上でユーザーを識別するための番号であり、
「Internet Protocol(インターネット・プロトコル)」の略称です。

例えるなら、IPアドレスはインターネット上の住所のようなもの。
PCやスマートフォン、サーバーなど、通信に利用されるすべての機器に一意のIPアドレスが割り当てられています。

インターネット通信では、発信側(ユーザーのデバイス)と受信側(接続先サーバー)双方のIPアドレスを利用してデータをやり取りしており、
これによってアクセスしてきたユーザーの大まかな地域を特定することが可能になります。

IPアドレスを使った地域判定は、後述する方法に比べると精度がやや劣る場合がありますが、
おおまかな地域を把握するには十分な手段です。

特に、広域での配信設定や国・都道府県単位のターゲティングでは、今でも多く活用されています。

2. デバイスの位置情報

デバイスの位置情報とは、スマートフォンやタブレット、ノートPCなどの端末に搭載されたGPS機能から取得される位置情報を指します。

この方法の最大の特徴は、ユーザーの現在地を最も正確に特定できる点です。
たとえば、来店促進を目的とした店舗ビジネスや、イベント会場周辺での集客など、
「今まさにその場所にいる」ユーザーに訴求したい場合に非常に有効です。

ただし、位置情報を利用するには、ユーザーがデバイス側で位置情報をオンにしていることが前提です。
また、GPS機能が搭載されていないデバイスも存在するため、すべてのユーザーに適用できるわけではありません。

それでも、店舗周辺への広告配信や地域イベントの集客など、
「リアルタイムで地域にいるユーザー」を狙う施策では最も強力なターゲティング手段です。

3. ユーザーの関心対象(検索クエリ)

3つ目の判断基準は、ユーザーの関心対象です。
これは、ユーザーが検索した「キーワード(検索クエリ)」をもとに、興味・関心のある地域を推定する仕組みです。

たとえば、東京にいるユーザーが「美容室 大阪」と検索した場合、
位置情報としては「東京」ですが、検索内容から「大阪」に関心を持っていると判断されます。

つまり、ユーザーが今どこにいるかではなく、
どの地域に興味を持って情報を探しているかを基準にターゲティングすることが可能です。

このような「関心ベースのターゲティング」を活用することで、
旅行・不動産・教育・引越しサービスなど、将来的に別地域での行動が想定される商材にも有効なアプローチができます。

地域ターゲティングを行う際に気を付けるべき4つのポイント

ここまで、リスティング広告の地域ターゲティングについて、その仕組みや設定方法を解説してきました。
しかし、実際に運用する際には注意しておきたいポイントがいくつか存在します。

地域ターゲティングを活用するうえで、特に気を付けるべき4つのポイントは以下の通りです。

  1. 全ての地域を対象とした場合と比べ、広告の配信量が減少する
  2. 極端なエリア指定は取りこぼしにつながる
  3. 地域ターゲティングの精度は必ずしも正確ではない
  4. あまりにも狭い範囲でのターゲティングはできない

1. 全ての地域を対象とした場合と比べ、広告の配信量が減少する

地域ターゲティングによって配信エリアを絞ると、無駄な広告費を削減し費用対効果を高めることができます。
しかし同時に、広告の配信量が減少するという点に注意が必要です。

エリアを限定することで、広告が届くユーザー数そのものが減り、結果的に本来獲得できたはずのコンバージョンを逃してしまう可能性があります。
費用対効果を高めたいあまり、配信対象を狭くしすぎないよう、広告配信量とのバランスを意識しましょう。

2. 地域の境界でターゲットエリアを絞りすぎない

地域ターゲティングを設定する際、エリアの境界付近を除外しすぎないことも重要です。

広告費削減を意識しすぎて配信エリアを極端に狭めてしまうと、狙ったユーザーに広告が届かなくなる場合があります。

たとえば、Yahoo!広告が公式に紹介している例では、広告主が「品川駅周辺」をターゲットに設定する場合、「品川区」を対象にしてしまうと、実際の品川駅が位置する港区のユーザーには広告が配信されません。

このように、行政区分と実際の地理的位置が異なるケースもあるため、ターゲットエリアの地理的な境界を正確に確認して設定することが大切です。

極端に限定した地域設定は、想定していたユーザー層への配信機会を失う原因となるため、境界エリアを含めた柔軟な設定を行いましょう。

3. 地域ターゲティングの精度は必ずしも100%ではない

地域ターゲティングは非常に便利な機能ですが、必ずしも正確とは限りません。

Google広告では、ユーザーの所在地や検索履歴、デバイスの位置情報などをもとに広告配信先を推定しています。
そのため、ユーザーの設定や利用環境によっては、正確に地域を特定できない場合があります。

たとえば、市町村単位で配信を設定している場合、市の境界付近にいるユーザーが誤って別地域に分類されることがあります。
また、逆にターゲット地域外にいるユーザーに広告が表示されるケースもあります。

このような誤差を完全に避けることは難しいため、地域ターゲティングを利用する際は、ある程度のズレを前提として設計することが重要です。

4. あまりにも狭い範囲でのターゲティングはできない

地域ターゲティングでは、広告を配信する地域を細かく絞ることができますが、絞り込みには限界があります。

Google広告では、プライバシー保護の観点からターゲットに設定できる地域の最小面積に制限が設けられています。
そのため、あまりにも小さな町・村や人口の少ない地域は、設定対象として指定できない場合があります。

小規模すぎる地域を設定しても配信対象が少なくなり、広告が表示されにくくなることもあるため、一定の商圏規模を持つエリアを選定することが望ましいです。

エリアターゲティングと掛け合わせたい施策3選

リスティング広告の「エリアターゲティング」は、他の施策と組み合わせることで、より高い効果を発揮します。
ここでは、エリアターゲティングと併用すると特に効果的な3つの施策を紹介します。

1. ランディングページ(LP)の出し分け

リスティング広告の「エリアターゲティング」では、地域ごとに異なるランディングページ(LP)を出し分けることで、成果を高めることができます。

LPは広告から遷移する最初のページであり、ユーザーの行動を左右する重要な要素です。地域の特性に合わせた内容にすることで、より成約につながりやすくなります。

たとえば、全国展開しているリフォーム会社が「外壁塗装 名古屋」で検索したユーザーを、東京エリアの事例を紹介するLPに誘導しても効果は上がりにくいでしょう。
地域別の施工実績やお客様の声、スタッフ紹介など、その地域に根ざしたLPを出し分けることで、信頼性が高まり、問い合わせ率の向上が期待できます。

2. Googleビジネスプロフィールの登録+住所表示オプション活用

「エリアターゲティング」とあわせて、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の登録と住所表示オプションを設定することも有効です。

住所表示オプションとは、Googleビジネスプロフィールと広告を連携させることで、広告下部に店舗住所を自動表示できる機能です。

たとえば「カフェ 札幌」と検索したユーザーには、広告文の下に住所・電話番号が表示され、タップすれば地図やルート案内が開きます。さらに、ユーザーの位置情報から最寄りの店舗を優先的に表示できるため、実店舗への来店促進にもつながります。

電話アイコンをタップすれば直接発信できるため、予約や問い合わせなどの行動をスムーズに促せる点も大きなメリットです。

3. 広告カスタマイザ/アドカスタマイザーによる出し分け

Google広告の「広告カスタマイザ」やYahoo!広告の「アドカスタマイザー」を併用することで、ユーザーの検索条件や地域に応じた広告文の自動出し分けが可能です。

たとえば、「エステ 大阪」で検索したユーザーに対しては「大阪駅徒歩3分」「地域限定キャンペーン中」といった地域特化の文言を、
「エステ 京都」で検索した場合は「京都四条エリア限定割引」と自動で切り替えるよう設定できます。

このように、検索キーワードや地域情報に合わせて動的に広告内容を変えることで、クリック率・成約率の両方を高めることができます。

広告カスタマイザ/アドカスタマイザーは、地域情報・時間帯・デバイスなどにも対応しているため、エリアターゲティングとの組み合わせで最大の費用対効果を発揮します。

リスティング広告なら 株式会社ArchRise

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「広告を出しているのに思うように成果が出ない」「ターゲット地域がうまく設定できない」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。ご提案から運用まで、広告効果向上に向けた最適な設計をともに行ってまいります。

まとめ

本記事では、リスティング広告における「エリア指定(地域ターゲティング)」の意味・設定方法・注意点について詳しく解説しました。
地域ターゲティングを活用することで、広告を届けるべきユーザーに絞って配信でき、広告費用の無駄を減らしながら成果を高めることが可能です。一方で、配信エリアを狭くしすぎたり、地域の判定精度を過信したりすると、期待した効果が得られないこともあります。
広告の配信対象地域、除外地域、ランディングページや広告文との整合性を意識して設計し、PDCAを回しながら運用を進めることが、地域ターゲティングによる成功の鍵となります。
ぜひ、貴社の広告戦略において地域ターゲティングを効果的に活用し、成果につなげていきましょう。

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