「スマホにリスティング広告を配信する具体的な方法を知りたい」
「スマホ経由の成果が思うように伸びず、改善策を探している」
本記事は、そのような課題意識をお持ちの方に向けて執筆しています。
運用型広告に携わる中で、「スマホ向けのリスティング広告設定が正しくできているか分からない」「スマホの成果改善方法を体系的に知りたい」といったご相談を多くいただいてきました。そこで今回は、スマホに特化したリスティング広告の考え方と実践的な改善ポイントをまとめています。
本記事では、意図した配信デバイスに正しく広告が表示されているかを確認する方法をはじめ、デバイス設定時の注意点や、スマホ向けに成果を高めるための運用ポイントについて詳しく解説します。
なお、リスティング広告は原則としてデフォルト設定のままでも、検索広告の場合はスマホ・PC・タブレットといった全デバイスに配信されます。そのため、スマホ配信において「必ずしも特別な設定が必要なわけではない」という点を正しく理解することが重要です。一方で、成果を最大化するためには、デバイス特性を踏まえた運用上の工夫が欠かせません。
LINEヤフー株式会社が実施した「インターネットの利用環境 定点調査(2023年下期)」によると、インターネット利用者の約91%がスマートフォンを利用しているという結果が示されています。スマホ利用は年々拡大しており、リスティング広告においてもスマホを前提とした設計が成果を左右する時代になっています。
「スマホを中心にリスティング広告を配信したい」
「スマホだけに広告を出すことは可能なのか知りたい」
このように考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、スマホ向けリスティング広告の特徴を整理したうえで、スマホ経由の成果を高めるための具体的な施策を5つ紹介します。これからスマホ重視で広告配信を行いたい方や、既存の運用を見直したい方は、ぜひ参考にしてください。
リスティング広告とは
リスティング広告とは、ユーザーが検索エンジン上で特定のキーワードを入力した際、その検索意図に連動して表示されるテキスト形式の広告を指します。「検索連動型広告」と呼ばれることもあり、ユーザーの関心や課題が顕在化しているタイミングでアプローチできる点が大きな特徴です。
検索行動を起点として広告が表示されるため、不特定多数に配信される広告とは異なり、情報を求めているユーザーに対して直接訴求できる仕組みとなっています。そのため、商品購入や問い合わせなどの成果につながりやすい広告手法として、多くの企業で活用されています。
リスティング広告の主な掲載場所は、以下のとおりです。
【リスティング広告の掲載場所】
検索エンジンの検索結果ページ
提携検索サイトの検索結果ページ
Googleディスプレイネットワークに参加しているウェブサイトやアプリ
スマートフォンで検索を行った場合も、検索結果画面の上部や下部に広告が表示され、自然検索結果と並ぶ形でユーザーの目に入ります。特にスマホでは画面占有率が高く、広告が視認されやすい点も特徴のひとつです。
スマホ向けリスティング広告の特徴
スマホ向けリスティング広告には、通常のリスティング広告と比べていくつかの明確な特徴があります。特に「画面サイズ」や「利用されるシーン」の違いは、広告の見せ方や成果に大きく影響します。これらの特性を理解したうえで運用することが、スマホで成果を出すための前提条件となります。
PCと比較した場合、スマホ向けリスティング広告には次のような特徴があります。
PCと比較すると画面が小さい
スマートフォンは表示領域が限られているため、一度に目に入る情報量が少なくなります。その分、広告文や訴求内容は簡潔で分かりやすい表現が求められます。
休憩時間に利用されやすい
スマホ検索は、通勤中や待ち時間、ちょっとした空き時間など、短時間で行われるケースが多いのが特徴です。そのため、じっくり比較検討するというよりも、直感的に判断されやすい傾向があります。
直接電話をかけられる
スマホでは、広告やランディングページからワンタップで電話をかけられるため、問い合わせまでのハードルが低くなります。業種によっては、電話コンバージョンを重視した設計が効果的です。
マウスの代わりに親指を使う
操作は主に親指で行われるため、リンクやボタンが小さいと押しづらく、離脱につながる可能性があります。広告だけでなく、遷移先ページも含めてタップしやすさを意識することが重要です。
このように、スマホ向けリスティング広告はPCとは異なる前提条件で設計・運用する必要があります。スマホ特有の利用環境を踏まえた広告設計を行うことで、成果を大きく改善できる可能性があります。
一方で、デバイスごとに利用シーンには違いがあります。スマートフォンは日常生活の中での調べものや比較検討など、プライベートな場面で使われることが多く、パソコンは業務中の情報収集や比較検討といったビジネス用途で使われる傾向があります。
そのため、取り扱う商材やサービス内容によっては、どのデバイスに重点的に配信するかを検討することが重要になります。スマホ利用が中心となる商材の場合は、スマホでの表示や導線を前提とした広告設計を行うことで、より高い成果が期待できます。
デバイス設定の確認方法
Google広告では、キャンペーンごとに配信対象となるデバイスが設定されています。スマホ向けにリスティング広告を配信しているつもりでも、設定内容によっては特定のデバイスへの配信が制限されているケースもあるため、定期的な確認が重要です。
Google広告の管理画面において、配信したいデバイス(スマホ・PC・タブレットなど)が正しく設定されているかを確認する手順は以下のとおりです。
- 左メニューの[キャンペーン]タブを開き、確認したいキャンペーンを選択する
- 左メニューの[分析情報とレポート]タブを選択する
- [広告が表示された日時と場所]を選択する
- [デバイス]タブを選択する
- タブレット・モバイル・パソコンそれぞれの入札単価調整比が「−」になっているかを確認する
入札単価調整比が「−」となっている場合、そのデバイスには通常どおり広告が配信されている状態です。一方で、いずれかのデバイスの入札単価調整比が「−100%」に設定されている場合、そのデバイスには広告が一切配信されません。
意図的に配信を停止している場合は問題ありませんが、知らないうちに「−100%」が設定されていると、スマホやPCなど特定デバイスの配信機会を大きく失っている可能性があります。想定どおりに配信されていない場合は、入札単価調整比を見直し、適切な設定に修正するようにしましょう。
デバイス設定における注意点
デバイス設定を行う際には、単にスマホ配信を有効にするだけでなく、運用面で注意すべきポイントがあります。ここでは、特に重要な注意点を3つに分けて解説します。
注意点①:1日の予算が切れていないかを確認する
スマホとPCでは、検索や利用が集中する時間帯が異なります。そのため、スマホユーザーが多く利用する時間帯に広告が表示されているかを確認することが重要です。
【デバイスごとの主な使用時間帯】
- PC:日中(職場での利用が中心)
- スマホ:基本的に1日中利用されるが、特に夜間の利用率が高い
1日の広告予算が十分に確保されていない場合、夕方から夜にかけて予算を消化しきってしまい、21時以降に広告が配信されないケースも少なくありません。スマホユーザーが増える時間帯に広告が表示されていないと、機会損失につながる可能性があります。
そのため、時間帯ごとの成果を確認し、効果が低い時間帯については配信停止や調整を行うことが有効です。
【時間ごとの配信状況の確認方法】
- 該当の期間(例:昨日)を選択する
- [分類]タブ >[時間]>[時間帯]を選択する
- 該当キャンペーンの表示回数やクリック数を目視で確認する
【運用ポイント】
- 時間帯ごとの配信状況を確認し、表示回数が「0」になっている時間帯がないかを確認する
- 必要に応じて成果の悪い時間帯を停止する
- 目標コンバージョン単価の調整を行う
時間帯設定の考え方や具体的な調整方法については、別記事で詳しく解説しています。
注意点②:デバイスごとにキャンペーンを分けない
スマホへの配信を強化しようとして、誤って行われがちな設定のひとつが「デバイスごとにキャンペーンを分けて作成する」ことです。
原則として、キャンペーンはデバイス別に分けず、ひとつに統合して運用する方が効果的です。理由としては、データが分散せずに集約されることで、Google広告の機械学習が促進され、最適化が進みやすくなるためです。
ただし、以下の条件に該当する場合は、キャンペーンを分けて管理する必要があります。
【キャンペーンを分ける条件】
❶ 検索・ディスプレイ・動画など、キャンペーンタイプが異なる場合
❷ 配信地域ごとに管理を分けたい場合
❸ 日額予算を明確に分けて管理したい場合
これらに該当しない限り、デバイス別にキャンペーンを分割する必要はありません。
注意点③:手動の入札調整が反映される(中級者向け)
近年はAIの進化により、自動入札(クリック数の最大化以外)が主流となっています。自動入札を利用している場合、多くの項目では手動の入札調整が反映されませんが、デバイス設定は例外となります。
デバイスの入札単価調整が設定されていると、自動入札を使用していても、その調整値が目標CPAに影響を与える場合があります。そのため、意図しない設定が入っていないかを必ず確認することが重要です。
たとえば、目標コンバージョン単価が1,000円に設定されている状態で、モバイルの入札単価調整を+40%にすると、モバイルデバイスの実質的な目標コンバージョン単価は1,400円になります。
なお、以下のカテゴリについては、自動入札を使用している場合、手動で入札調整を行っても反映されません。
【自動入札において手動による入札調整が反映されないカテゴリ】
- 地域
- 時間帯
- オーディエンス
- 通話
- ユーザー属性
デバイス設定は自動入札においても影響を与える数少ない項目のため、設定内容を定期的に確認し、意図した運用になっているかをチェックすることが重要です。
スマホ向けリスティング広告の運用ポイント
スマホにリスティング広告を配信し、安定して成果を出すためには、デバイス特性を踏まえた運用が欠かせません。ここでは、スマホ向けリスティング広告で効果を高めるために押さえておきたい運用ポイントを3つに分けて解説します。
- ポイント①:広告アセットをすべて活用する
- ポイント②:サイトのモバイル最適化をする
- ポイント③:商材によって配信デバイスを使い分ける
ポイント①:広告アセットをすべて活用する
広告アセットとは、見出しや説明文といった基本の広告文に加えて、追加情報を表示できる機能のことです。商品やサービスの特徴を補足できるため、ユーザーに伝えられる情報量を増やすことができます。
広告アセットを設定することで、検索結果画面における広告の占有率が高まり、視認性の向上が期待できます。また、ユーザーが求めている情報に直接触れやすくなるため、クリック率やコンバージョン率の改善にもつながります。
広告アセットは無料で設定できるため、費用をかけずに広告効果を高められる施策のひとつです。スマホ向けリスティング広告を運用する場合は、必ず活用しておきたい設定といえます。
【広告アセット一覧】
- サイトリンクアセット
- コールアウトアセット
- 構造化スニペットアセット
- 電話番号アセット
- 住所アセット(店舗)
- 価格アセット
- プロモーションアセット
- リードフォームアセット(BtoB)
Google広告では、できる限り多くの広告アセットを設定することが推奨されていますが、スマホ配信において特に効果が高いとされているのは、以下の3つです。
【スマホに効果的な広告アセット】
- サイトリンク
- 電話
- 住所
サイトリンクアセットでは、特定のページへのリンクを広告内に追加でき、ユーザーを目的の情報へ直接誘導できます。電話番号アセットを設定すると、広告上に電話番号が表示され、タップするだけで発信が可能になります。
電話番号アセットを活用することで、クリック率が4〜5%程度向上するとされています。スマホ特有の操作性を活かせる点が大きなメリットです。
住所アセットは、Googleビジネスプロフィールと連携することで、ユーザーの現在地に近い店舗情報を表示できます。来店型ビジネスの場合は、特に効果が期待できるアセットです。
ポイント②:サイトのモバイル最適化をする
スマホ向けリスティング広告で成果を出すためには、広告だけでなく、遷移先となるサイトやランディングページのモバイル最適化も重要です。スマホ対応が不十分なページでは、クリック後に離脱されやすくなり、広告費が無駄になる可能性があります。
Googleは公式に「ページエクスペリエンス」を評価指標として公開しており、モバイル対応はその中でも重要な要素とされています。
ページエクスペリエンスの評価項目
- ページのCore Web Vitalsは良好な状態か
- ページは安全な方法で配信されているか
- コンテンツはモバイルデバイスでも適切に表示されるか
- 主要なコンテンツを妨害するほどの大量の広告が掲載されていないか
- 煩わしいインタースティシャル広告がないか
- ユーザーがメインコンテンツを容易に見つけて移動できるか
- ユーザーがメインコンテンツとその他コンテンツを簡単に区別できるか
この中でも、「モバイルデバイスで適切に表示されるか」は、スマホ向けリスティング広告と特に関係の深い項目です。
具体的な改善ポイントは以下のとおりです。
【ページのモバイル最適化方法】
読み込み速度を改善し、離脱を防止する
スマホ画面に合わせて構成やメニューをシンプルにする
電話は1タップで発信できるようにし、フォームの入力項目は最小限にする
特に読み込み速度は、スマホユーザーの離脱率に大きく影響します。Googleが無料で提供している「PageSpeed Insights」を活用し、ページの表示速度を定期的に計測・改善することをおすすめします。
ポイント③:商材によって配信デバイスを使い分ける
スマホとPCでは、利用される時間帯や利用目的が異なります。そのため、すべての商材に対して同じデバイス配信設定を行うのではなく、商材やサービスの特性に応じて使い分けることが効果的です。
【商材別配信デバイスの設定】
- BtoBの場合:PC(+スマホ)に配信
- BtoCの場合:スマホ+PCに配信
以下は、BtoB向け商材を扱う広告主において、PCとスマホの両方に配信した際の事例です。
| デバイス | CV | CPA | 表示回数 | セッション数 | コスト |
|---|---|---|---|---|---|
| PC | 14 | 32,897 | 22,710 | 1,337 | 460,522 |
| スマホ | 0 | – | 4,922 | 314 | 32,553 |
表示回数はPCが22,710回、スマホが4,922回となり、BtoB商材ではPCの利用が多い結果となりました。スマホではコンバージョンの獲得が見られなかったため、最終的にスマホ配信は停止しています。
このように、デバイスごとの成果を確認しながら、商材に合った配信デバイスを選択することで、無駄な広告費を抑えつつ、全体の費用対効果を高めることが可能になります。
ポイント④:配信時間の調整
スマホ向けリスティング広告では、ユーザーが実際にスマホを利用している時間帯に合わせて配信時間を調整することで、広告の表示機会を無駄なく活かすことができます。時間帯を意識せずに配信していると、利用者の少ない時間に広告費を消化してしまい、費用対効果が下がる原因になります。
日本マーケティングリサーチ機構が実施したスマホに関する一般調査では、スマートフォンの一日の時間帯別使用率についてのデータが公表されています。この調査によると、スマホの利用頻度が最も高い時間帯は18時〜24時であることが示されています。
夜の時間帯は、仕事や学校を終えて帰宅した後に、ニュースやSNSを閲覧したり、動画や検索を行ったりと、リラックスしながらスマホを利用する人が多い傾向があります。そのため、この時間帯は広告が目に触れやすく、クリックやコンバージョンにつながりやすいタイミングといえます。
スマホ向けにリスティング広告を配信する場合は、こうした利用傾向を踏まえ、夜間の配信比重を高めたり、逆に反応の薄い時間帯を調整したりすることで、より効率的な広告運用が可能になります。時間帯別の成果を定期的に確認しながら、最適な配信スケジュールを見直していくことが重要です。
スマホ向けのリスティング広告ならArchRise
スマホ向けリスティング広告で確実に成果を出したい場合、単に広告を配信するだけでは不十分です。デバイス特性に合わせた広告設計や、ユーザーの行動傾向を踏まえた改善サイクルが欠かせません。その点、ArchRiseは、スマホ向け広告の設定・運用・改善まで一貫した支援ができる体制を整えています。
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また、検索広告と他施策(SNS広告、SEO、LP改善など)を組み合わせた総合的な集客設計にも対応しているため、一部のチャンネルだけで成果を出すのではなく、Web全体のパフォーマンスを高めることが可能です。スマホユーザーへのアプローチを強化したい企業担当者の方は、ぜひArchRiseへの相談を検討してみてください。
まとめ
本記事では、スマホ向けリスティング広告の特徴や運用ポイント、効果を高める具体的な施策をご紹介しました。スマホユーザーは利用シーンや行動特性がPCと異なるため、デバイスごとの設定や広告設計を意識することが成果に直結します。広告アセットの活用やモバイル最適化、デバイスの使い分けなどを適切に行うことで、クリック率やコンバージョン率の改善が期待できます。
スマホの利用率が高い現在のインターネット環境においては、スマホ向けリスティング広告の最適化が集客戦略の重要な柱となっています。自社の商材やサービスに応じて、配信デバイスや運用設計を見直し、成果につながる広告運用を目指してください。本記事が、スマホ向けリスティング広告の効果的な活用方法を理解し、実践につなげる一助となれば幸いです。

