Xなどでで「動画広告で成果が出ている」という投稿を目にし、「自社でも動画広告を試してみたい」と相談を受ける場面が増えています。動画広告と聞くと、絵コンテの作成や撮影、編集など本格的な制作工程を想像し、ハードルが高いと感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、スライドショー広告であれば、複数の画像素材を用意するだけで動画形式の広告を作成できます。撮影や高度な編集が不要なため、これから動画広告を取り入れたいと考えている企業にとって取り組みやすい選択肢といえます。
本記事では、すでに広告を配信している担当者の方に向けて、スライドショー広告の基本的な仕組みから、成果につなげるためのポイント、具体的な配信方法までを順を追って解説します。
スライドショー広告とは
スライドショー広告とは、複数の静止画や短い動画素材を連続的に表示し、スライドショー形式で展開する広告フォーマットです。用意した素材が自動で切り替わりながら再生されるため、1つの広告の中で複数の情報を順番に伝えることができます。
配信先のプラットフォームやデバイスに応じてレイアウトや表示形式が最適化されるため、スマートフォン・タブレット・パソコンなど、さまざまな閲覧環境でも一貫した見え方を保ちやすい点が特徴です。画像や動画の切り替えタイミングは広告設定時に調整できるため、伝えたい内容に合わせてテンポを設計できます。
また、配信後はスライドごとのパフォーマンスを確認できるため、どの素材がクリックや反応につながっているかを分析し、内容の差し替えや順番の見直しを行うことも可能です。複数のコンテンツを活用しながら、ストーリー性を持たせた訴求ができる広告形式といえます。
スライドショー広告のメリット
スライドショー広告には、大きく分けて二つのメリットがあります。一つは複数のメッセージを段階的に伝えられる点、もう一つは視覚的な動きによってユーザーの注意を引きやすい点です。
複数のメッセージを伝えられる
スライドショー広告では、1つの広告枠の中で複数の画像や動画素材を順番に表示できます。そのため、単一のクリエイティブでは伝えきれない情報を、整理しながら提示することが可能です。
たとえば、最初のスライドで商品やサービスの特徴を示し、次のスライドで具体的な利用シーンを紹介し、最後にキャンペーン情報を伝えるといった構成が考えられます。商品ごとの特長や使い方、期間限定のオファーなどを段階的に見せることで、ユーザーの理解を深めやすくなります。
一枚の静止画だけでは訴求ポイントが限定されがちですが、スライドショー形式であれば、複数の切り口から情報を補足できるため、より立体的な訴求が可能になります。
ユーザーの注意を引きやすい
スライドショー広告は、画像や動画が自動で切り替わる設計になっているため、静止画のみの広告と比べて視覚的な変化を生み出しやすい特徴があります。フィード上で一定時間ごとにコンテンツが切り替わることで、自然と視線を引きつけやすくなります。
一枚の画像や単体の動画では、ユーザーがその瞬間に興味を持たなければ読み飛ばされてしまう可能性があります。しかし、スライドショー広告では継続的に新しい情報が表示されるため、途中のスライドで関心を持ってもらえる可能性もあります。自発的な操作を必要とせずに内容が展開される点も、閲覧のハードルを下げる要素といえます。
制作コストや工数を抑えやすい
スライドショー広告は、動画広告と比較すると制作にかかる費用や時間を抑えやすい点も強みです。一般的な動画広告では、撮影、編集、音声収録、エフェクト追加など複数の工程が必要になり、制作コストや期間が増える傾向があります。
一方で、スライドショー広告は既存の静止画素材を組み合わせるだけでも制作できるため、複雑な工程を踏まずに公開まで進めることが可能です。動画のような高度な演出を行わなくても、複数素材の切り替えによって十分な訴求を行えます。
また、内容の差し替えや順番の変更といった調整も比較的容易なため、A/Bテストなどの検証を行いやすい点も実務上のメリットです。予算や工数が限られている場合でも取り組みやすく、動画広告の代替や入口施策として活用しやすい広告形式といえます。
スライドショー広告のデメリット
スライドショー広告は取り組みやすい形式である一方で、いくつか注意すべき点もあります。特に、視聴体験の設計と表現の幅には工夫が求められます。
ユーザーが飽きやすい
スライドショー広告は複数の画像が順番に表示される形式であるため、構成によっては単調な印象を与えてしまうことがあります。コンテンツが自動で切り替わる仕様上、ユーザーの関心を十分に引きつけられなければ、途中で注意が他に向いてしまう可能性があります。
また、各スライドの表示時間の設定も重要です。切り替えが速すぎると内容が理解されにくくなり、遅すぎるとテンポが悪く感じられてしまいます。適切な表示時間を意識し、伝えたい情報量とのバランスを取ることが求められます。
さらに、スライド間の切り替えが不自然であったり、画像の内容が似通っていたりすると、視聴体験が単調になりやすくなります。単に画像を並べるのではなく、全体を通して一貫したストーリーや流れを設計することが、最後まで見てもらうためのポイントです。
動画と比べると表現の幅が狭い
スライドショー広告は画像を主体としたフォーマットであるため、動画広告と比べると表現の自由度に制限があります。動画広告では音声や動き、演出効果を組み合わせて細かなニュアンスまで伝えることができますが、スライドショー広告ではそのような多層的な表現は難しくなります。
特に、複雑なサービス内容や抽象的な価値を伝えたい場合には、画像だけでは情報量が不足することもあります。また、エフェクトやアニメーションの活用にも限りがあるため、強い視覚的インパクトを求める場合には物足りなさを感じることがあります。
そのため、スライドショー広告を活用する際は、伝える情報を整理し、シンプルかつ明確なメッセージ設計を行うことが重要です。目的や訴求内容に応じて、他の広告形式との使い分けを検討する視点も必要になります。
スライドショー広告の効果的な活用方法
スライドショー広告は、構成次第でさまざまな目的に活用できます。ここでは代表的な活用シーンとして、キャンペーンの紹介と商品のプレビューについて解説します。
キャンペーンの紹介
キャンペーンを訴求する場合は、伝えるべき情報を整理し、スライドごとに役割を持たせることが重要です。最初のスライドでキャンペーンの概要を示し、次に特典内容や対象条件、期間などを順番に提示することで、ユーザーが理解しやすい流れを作れます。
複数のスライドを活用することで、単一の画像では伝えきれない情報を段階的に補足できます。ただし、情報を詰め込みすぎると伝わりにくくなるため、各スライドではメッセージを絞り込むことがポイントです。
あわせて、スライド全体の流れを踏まえた位置にCTAを設置し、キャンペーンへの参加や購入といった具体的な行動につなげます。また、広告配信時にはターゲティング設定を活用し、キャンペーンに関心を持ちやすい層へ届ける設計を行うことで、効率的な訴求が期待できます。
商品のプレビュー
商品のプレビュー用途では、外観だけでなく、機能や使用シーン、得られるメリットなどを順番に見せていく構成が効果的です。単に商品画像を並べるのではなく、「どのように使われるのか」「どんな課題を解決できるのか」といった視点を取り入れることで、ユーザーの理解を深めやすくなります。
たとえば、最初に商品の全体像を提示し、次のスライドで具体的な使い方を紹介し、さらに活用シーンやアレンジ例を見せるといった流れを設計できます。ストーリー性を持たせることで、ユーザーが商品を利用しているイメージを描きやすくなります。
必要に応じて短い動画素材を組み込むことで、機能や使用感をより具体的に伝えることも可能です。スライドショー形式の特性を活かしながら、段階的に魅力を伝えていくことが、商品のプレビューにおける効果的な活用方法といえます。
スライドショー広告で成果を出すクリエイティブ作成のコツ
ここからは、実際の配信結果を踏まえて見えてきた、スライドショー広告で成果を出すためのクリエイティブ設計のポイントを整理します。やみくもに素材を組み合わせるのではなく、基本を押さえたうえで設計することが、広告費の無駄を防ぐことにつながります。
1. 画像単位で成果が出ている素材を使う
スライドショー広告は複数の画像を組み合わせて構成しますが、前提として「単体でも反応が取れている画像」を活用することが重要です。単体で成果が出ていない画像を並べても、全体のパフォーマンスが大きく改善する可能性は高くありません。
まずは静止画1枚で広告を配信し、クリック率やコンバージョン率などの指標を見ながら、反応の良いクリエイティブを複数見つけておきます。そのうえで、それらを組み合わせてスライドショーを構成することで、全体の精度を高めやすくなります。
もし成果の出る画像の傾向がつかめていない場合は、正方形サイズで作成し、画像内のテキスト量を抑えるなど、基本的なガイドラインを意識したクリエイティブから検証を始めるとよいでしょう。
2. 画像サイズは正方形を基本にする
スライドショー広告には複数のアスペクト比が用意されていますが、まずは縦横比1:1の正方形を基本に設計することをおすすめします。ピクセル数は1辺あたり1080ピクセル以上を目安にすると、表示品質を保ちやすくなります。
正方形はフィード上での占有面積が大きく、視認性を確保しやすい形式です。また、FacebookやInstagramのフィードで推奨されるサイズでもあるため、主要な掲載面で安定した表示が期待できます。
一方で、推奨外の縦横比を使用すると、配信面によって自動的にトリミングされ、意図しない位置で画像が切れてしまうことがあります。文字が見切れるなどのトラブルを防ぐためにも、あらかじめ正方形で設計しておくほうが安全です。
3. 画像枚数と表示時間はテキスト量に合わせて設計する
スライドショー広告では、最低2枚から最大15枚まで画像を設定できます。ただし、枚数を増やせば良いというわけではありません。重要なのは、画像内の情報量と表示時間のバランスです。
スライドショー全体の再生時間には上限があるため、枚数を増やしすぎると1枚あたりの表示時間が短くなります。画像内にテキストが多い場合、表示時間が短すぎると内容を読み切れず、訴求が伝わらない可能性があります。その場合は枚数を抑え、1枚あたりの表示時間を長めに設定するほうが適しています。
一方で、キャッチコピー中心で文字量が少ない場合は、やや短めの表示時間でテンポよく切り替えることで、リズムを保ちながら訴求できます。商品画像中心でテキストがほとんどないケースでは、さらに短い間隔で切り替えることで、視覚的な変化を強調できます。
最終的には、設定後に必ずプレビューで再生し、テンポが速すぎないか、遅すぎないかを確認しながら微調整することが重要です。情報量と表示時間のバランスを意識することが、スライドショー広告で成果を出すための基本となります。
スライドショー広告の作成方法
ここでは、広告マネージャを使用したスライドショー広告の作成手順を解説します。実際の管理画面に沿って、流れを順番に確認していきます。
1. 広告マネージャで作成画面を開く
まず広告マネージャを開き、該当するキャンペーンと広告セットを選択します。そのうえで「+作成」をクリックし、追加先のキャンペーンや広告セットに誤りがないか確認します。問題がなければ「次へ」を選択し、広告の設定画面へ進みます。
広告の編集画面に切り替わったら、ページ中部にある「クリエイティブ」項目までスクロールし、「動画を作成」をクリックします。ここからスライドショーの設定に入ります。
2. 画像を選択する
動画作成画面に切り替わったら、「+アップロード」をクリックして、スライドショーに使用する画像を選択します。すでに広告マネージャ内に保存されている画像は一覧に表示されるため、そこから選ぶことも可能です。
画像は選択した順番で並びますが、後の工程で順番を入れ替えることができるため、この段階では大まかな構成で問題ありません。
3. 「Slideshow」形式を選択する
画像を選択した後、画面右上のテンプレートからスライドショー形式を選択します。正方形画像を使用する場合は、四角形テンプレートの中から「Slideshow」を選び、「編集」をクリックします。
ここでスライドショー広告としての基本構成が確定します。
4. テンプレートで微調整を行う
次に、シーンの表示時間や切り替え効果などを調整します。画像から次の画像へ移る際の効果(トランジション)は、「なし」または「フェード」から選択できます。「設定」メニュー内の「シーンのトランジション」から選択します。
画像の順番を変更したい場合は、画面左側の一覧から対象画像をドラッグ&ドロップして並び替えます。
表示時間についても「設定」から選択できますが、注意点として、すべての画像が同じ秒数で表示されます。特定のスライドだけ長く表示するといった個別設定はできません。そのため、全体の情報量を踏まえて秒数を決めることが重要です。
また、スタンプ機能を使えば、画像上に値引き情報などを重ねて表示できます。訴求内容に応じて活用を検討します。
設定が完了したら、画面右側のプレビューで再生し、テンポや切り替えに違和感がないか確認します。一度作成すると後から細かい編集ができないため、この段階で十分にチェックしておきます。問題がなければ「動画を作成」をクリックし、保存します。
5. サムネイルやオプションを設定する
作成後、「メディアを編集」から「動画を編集」を選択すると、サムネイルや追加機能の設定が可能です。
サムネイルを変更する場合は、「サムネイル」項目から手動でシーンを選択できます。使用していない画像を設定したい場合は、アップロードから追加します。
キャプションの設定も可能ですが、対応言語には制限がある場合があります。音声なしで再生されるケースを想定する場合は、活用を検討します。
さらに、アンケート機能を追加することもできます。質問と二択の選択肢を設定し、選択内容によってリンク先を分岐させることも可能です。複数サービスを扱っている場合などに活用できます。
6. テキストやリンクを設定して完成
最後に、通常の広告と同様にメインテキストや見出し、リンク先URLなどを設定します。内容を最終確認し、問題がなければ広告を公開します。
以上が、広告マネージャを使用したスライドショー広告の基本的な作成手順です。設定項目自体はシンプルですが、構成や表示時間の設計によって成果が左右されるため、作成後のプレビュー確認と微調整を丁寧に行うことが重要です。
スライドショー広告の注意点
CTAの配置に注意する
スライドショー広告では、ユーザーに具体的な行動を促すCTAの設計が成果に直結します。CTAとは「今すぐ登録」や「詳しく見る」といった、ユーザーに次の行動を促すためのボタンや文言を指します。
スライドショー形式では、複数の素材が順番に表示されるため、CTAをどのタイミングで提示するかが重要になります。たとえば最終スライドにCTAを配置すれば、ユーザーが商品やサービスの内容を一通り理解した後に行動を促す流れを作ることができます。一方で、最初のスライドにCTAを強く打ち出してしまうと、十分な情報が伝わる前に判断を求めることになり、反応につながりにくい場合があります。
また、複数のスライドに異なるCTAを分散して配置すると、どのボタンを押すべきか分かりづらくなり、かえって行動を妨げてしまう可能性があります。訴求の流れを整理したうえで、最も自然なタイミングに明確なCTAを設けることが重要です。
その際は、ボタンの色やサイズ、配置位置などのデザイン面にも配慮しながら、広告全体のトーンやストーリーを崩さない設計を心がけます。目立たせることだけを優先するのではなく、視認性と一貫性のバランスを取ることが、スライドショー広告では求められます。
スライドショー広告に関するQ&A
Q1. スライドショー広告と動画広告の違いは何ですか?
スライドショー広告は、複数の静止画を組み合わせて動画形式のように見せる広告フォーマットです。動画広告のように撮影や高度な編集を行わなくても制作できる点が特徴です。一方で、音声や複雑なアニメーションを使った表現には制限があります。制作コストや工数を抑えたい場合や、既存の画像素材を活用したい場合に適しています。
Q2. スライドショー広告はどのような業種に向いていますか?
複数の商品やサービスを段階的に紹介したい業種と相性が良い傾向があります。たとえば、ECサイトでの商品紹介や、セミナー・キャンペーンの告知など、情報を順番に整理して伝えたいケースに活用しやすい形式です。一方で、細かな動きや演出で世界観を表現したい場合は、動画広告のほうが適していることもあります。
Q3. 画像は何枚くらい設定するのがよいですか?
設定可能な枚数には幅がありますが、重要なのは画像内の情報量とのバランスです。テキストが多い画像を使用する場合は枚数を抑え、1枚あたりの表示時間を長めに確保するほうが内容が伝わりやすくなります。逆に、テキストが少なくビジュアル中心の構成であれば、やや多めの枚数でもテンポよく展開できます。プレビューで実際の見え方を確認しながら調整することが重要です。
Q4. 音声は必須ですか?
スライドショー広告は音声なしでも配信可能です。実際、フィード広告は音声オフで再生されることも多いため、画像やテキストだけで内容が伝わる設計を意識する必要があります。音声に頼らず、視覚情報のみでメッセージが理解できる構成にしておくと安心です。
Q5. 配信後に内容を修正することはできますか?
スライドショー部分の構成や表示順などは、作成後に細かな編集ができないケースがあります。そのため、作成時にプレビューで十分に確認することが重要です。改善が必要な場合は、新たにスライドショーを作り直して差し替える形になります。配信後の分析を踏まえて、改善用のクリエイティブを別途作成する運用が現実的です。
Q6. スライドショー広告でもコンバージョンは狙えますか?
適切なターゲティングとクリエイティブ設計を行えば、コンバージョン獲得も十分に狙えます。特に、段階的に情報を提示し、最後に明確なCTAを設置する構成は相性が良いといえます。ただし、商材の特性や訴求内容によっては、他の広告形式との併用も検討するとよいでしょう。
スライドショー広告ならArchRise
スライドショー広告は、画像の選定や表示時間の設計、CTAの配置によって成果が大きく変わります。単に画像を並べるだけではなく、配信目的やターゲットに合わせてストーリーを設計することが重要です。
ArchRiseでは、既存の広告配信データをもとに、単体で成果の出ているクリエイティブの抽出からスライド構成の設計、表示時間の最適化まで実務ベースで支援しています。動画制作までは踏み込めないが、動きのある広告を試したいといったケースにも対応可能です。
スライドショー広告をテスト導入したい場合や、既存のFacebook広告の成果を改善したい場合は、選択肢の一つとしてご相談ください。
まとめ
スライドショー広告は、複数の画像を活用して段階的にメッセージを伝えられる広告形式です。動画広告と比べて制作ハードルが低く、既存素材を活用しながら取り組みやすい点が特徴です。
一方で、表示時間の設計やCTAの配置、画像単位での検証といった基本を押さえなければ、十分な成果につながらない可能性もあります。目的や商材に応じて適切に設計し、配信後はデータをもとに改善を重ねることが重要です。

