リスティング広告と聞くと、「運用するのが難しそう」「どうやって始めて良いかわからない」と感じる方もいるのではないでしょうか?自分でやるのはハードルが高い、なんて思う方もいると思います。
実はリスティング広告は、イメージとは対照的に、最低限の予算で簡単かつ気軽に始められるWeb広告です。
このコラムでは、自分でリスティング広告を始めるための方法、手順や、初心者でも成果を出すことができるようになるためのポイントについて解説します。なお、今回はGoogle広告でのリスティング広告運用を前提として解説しています。難しいと思われがちな広告運用も、本記事を読むことで簡単に始めることが可能になります。
これから初めてリスティング広告を始める人や、会社で新しくWeb広告の担当者になって何から始めたら良いか分からないという人に向けてのガイドとして、役立つ情報を提供します。ぜひ最後までご覧ください。
リスティング広告を自分で始める前の基礎知識を解説
まずは、リスティング広告についての基礎知識について解説します。リスティング広告とは何か、その特徴とメリット、そしてリスティング広告にかかる費用について詳しく見ていきます。
リスティング広告とは?
リスティング広告とは、検索エンジンの結果ページの画面に掲載される広告で、ユーザーが入力したキーワードに基づいてWebサイト上にテキスト形式で表示されます。ユーザーの検索意図に応じた広告を表示するため、ターゲティング精度の高さと即効性が特徴です。例えば、名古屋でランチが食べられるお店を探しているユーザーが「名古屋 ランチ」というキーワードで検索した場合、そのキーワードに関連する広告がWenサイト上に表示されます。
リスティング広告は、Google広告やYahoo!広告などさまざまな種類のプラットフォームを通じて配信され、クリック課金型(PPC:Pay-Per-Click)で費用が発生します。この広告形式は、ユーザーの検索意図に応じた広告を表示できるため、高いコンバージョン率が期待できます。
補足になりますが、リスティング広告は一般的には、検索連動型広告と呼ばれることがありますが、厳密には別の扱いです。
リスティング広告と検索連動型広告の違いについては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。
(参考)
リスティング広告と検索連動型広告の違いとは?メリットなどをわかりやすく解説!
リスティング広告は検索ワード(語句)に連動して表示されるため、媒体側の仕様だけでなく、広告主がどのワードを選ぶかで成果が大きく異なります。たとえば「完全一致」「フレーズ一致」など一致条件を適切に決めると、同じ予算でも無駄なクリックを抑えやすくなります。逆に、意図が広すぎるワードを用いると離脱が増え、費用対効果が下がるリスクがあります。
リスティング広告のメリットは?
リスティング広告の概要について理解したところで、次はリスティング広告のメリットについて、その理由とあわせて3つ紹介します。
高いコンバージョン率が期待できる
リスティング広告は、ユーザーが入力する検索キーワードに基づいて広告を出稿し、表示されるため、興味を持つ可能性の高いユーザーである、顕在層にリーチできます。例えば、ユーザーが「メンズ パーカー」というキーワードで検索を行った場合、ユーザーはパーカーを購入したいと思って検索を行っている可能性が高いため、広告がユーザーの目に留まり、クリックした場合、そのまま購入に繋がる可能性も高くなります。
ターゲティング精度が高い
リスティング広告は、広告が表示されるタイミングや場所、年齢や性別などをキーワードに基づいて調整できるため、広告を表示する相手を限定することが可能であり、無駄な広告費を削減することができます。例えば、地域・性別・年齢をターゲティングとして設定することで、名古屋に住む20〜30代の女性に対してのみ広告を配信するということが可能です。
即効性がある
リスティング広告は、配信を開始するまでのハードルが低く、アカウントの開設や支払い方法の設定など、最小限の設定ができれば配信をすぐにスタートすることができます。バナーを活用したディスプレイ広告などと比べて、素材の準備に時間がかかることもなく、比較的早く始めることが可能です。名古屋で期間限定のイベントを実施するため、その期間に合わせてすぐに広告を配信したいという場合でも、リスティング広告であれば実現可能です。
費用対効果が良い
リスティング広告はクリック課金型を採用しているため、広告費用を無駄にすることなく、興味を持ったユーザーだけにコストを費やすことができます。また、日額予算や月の上限予算を設定できるため、小規模なビジネスでも手軽に始めることが可能です。また、広告効果を測定しながら柔軟に予算配分を変更することもできます。限られた少額の予算の中でユーザーにアプローチが可能であり、その費用対効果が高いこともメリットの一つです。
初心者が最初に詰まるポイントと対処
リスティング広告は手順通りに進めれば配信自体は開始できますが、実務では「設定はできたのに成果が読めない」「画面が画像と違って操作が止まる」といったところで手が止まりやすいです。特に管理画面は更新が入るため、同じ場所に同じボタンがあるとは限りません。画像と差分がある場合は、機能名(コンバージョン、タグ、オーディエンス、キーワード、表示項目など)を起点に探すと、順番の迷子になりにくくなります。
また、最初の設計で迷いやすいのが「一致タイプ(完全一致・フレーズ一致など)」です。広く取りすぎると意図しない検索語句でも表示され、クリックは増えても離脱が増え、費用対効果が下がるケースが起こります。逆に絞りすぎると配信量が出ず学習が進まないため、最初は“狙いたい語句を中心に、無駄を増やしすぎない範囲”で組み、検索語句レポートをもとに除外を増やしていく考え方が現実的です。
コンバージョン計測も、サンクスページがある前提で説明されがちですが、フォームが同一ページ内で完了するタイプや、完了がモーダル表示のケースでは計測条件が変わります。その場合は「ボタンのクリック」「フォーム送信」「特定要素の表示」など、サイト側の仕様に合わせたトリガー設計が必要になります。ここを曖昧にすると、広告主側は費用をかけているのに成果が見えず、判断を誤るリスクが上がります。
リスティング広告を始めるために必要な準備
リスティング広告の基礎知識について理解できたところで、実際にリスティング広告を始めるために必要な準備について解説します。準備のステップは次の通りです。
- 広告アカウント作成と支払い方法を設定する
- キャンペーンを作成する
- キーワードを設定する
- 広告文を作成する
- 日額予算を設定する
- コンバージョンを設定する
上の手順は、初心者が迷わないように「前から順番」に並べています。最初にアカウント作成と請求(支払い)設定を行い、次にキャンペーン→広告グループ→キーワード→広告文という構成を作る流れです。ここで大切なのは、いきなり施策を詰め込みすぎないことです。まずは最低限の構成で開始し、パフォーマンスを見ながら上げるべき部分を判断していく方がよいです。
また、リスティング広告の運用を開始するために必要なものとして、以下の3つを用意しましょう。
・パソコン
・Googleアカウント
・自社のランディングページ:LPとも呼ばれる
・支払いを行うクレジットカード
用意ができたら、早速広告アカウントの開設から始めましょう。
ここから先は、管理画面の操作を画像で確認しながら進める構成です。2025年の管理画面はアップデートで表示やボタン配置が変わることがあるため、画像と同じ画面にならず「わからない」と感じるケースもあります。その場合は、同じ意味の項目名を探す(例:設定やツール内のメニューを順番に辿る)と解決しやすいです。広告運用は一度で完全にやり切るより、流れを理解して実践し、必要に応じて更新に追従する姿勢が大切です。
広告アカウント作成と支払い方法を設定する
まずは、アカウントを作成します。Google広告のページへアクセスし、画面右上の「今すぐ開始」をクリックしてログインします。ログインには、自身のGoogleアカウントのログイン情報を入力します。Googleアカウントを持っていない場合は、作成する必要があります。

ログイン後、「最初のキャンペーンを作成」という画面に遷移します。ここではまず、会社名・ビジネス名と、自社ウェブサイトのURLを入力し、「次へ」をクリックします。

「次へ」をクリック後、アカウントのリンクについて設定する画面へ遷移しますが、こちらは左下「スキップ」をクリックします。もしYoutubeアカウントなどを持っている場合は、リンクを行っても問題ありません。

続いて、キャンペーン作成の画面が表示されます。ここからすぐにキャンペーンを作成することもできますが、今回は画面中央下の「アカウントのみを設定」をクリックします。

ビジネス請求先住所国やタイムゾーンを設定します。国内での配信を考えている場合は、元々の入力から特に変更する必要はありません。

最後に、支払い設定の設定を行います。支払いを行うクレジットカードの情報を登録しましょう。利用可能なカードは、American Express・VISA・Mastercard・JCBです。
下の2つについてはどちらも「はい」にチェックを入れることをおすすめします。Google広告の運用にあたって、新規の登場時にメールで教えてくれたり、役立つアドバイスを電話にて教えてくれます。
入力が完了したら、「送信」をクリックします。
これでアカウントの開設は完了です。

キャンペーンを作成する
広告アカウントが作成できたら、広告設定の土台となる「キャンペーン」の作成を行います。
Google広告の管理画面から、「+ 新しいキャンペーン」をクリックします。

キャンペーン目標を設定します。配信を行う目標によって選択する項目は変わりますが、今回は販売促進を目的として検索広告(リスティング広告)を作成します。
目標で「販売促進」、キャンペーンタイプで「Search」を選択します。を選択します。


続いて、キャンペーンでどのような手段で目標を達成するかを設定していきます。今回はWebサイトへのアクセスと電話での問い合わせを想定し、WebサイトのURL、電話番号を入力しています。また、販売促進の購入目標として、「購入」を選択します。
その後、キャンペーン名を設定します。キャンペーン名は「検索広告_購入」など、分かりやすいものに設定することをおすすめします。ちなみにキャンペーン名は後ほど変更することも可能です。
入力が完了したら「続行」をクリックします。
続いて、単価設定を行います。広告運用を行うにあたって重視する項目を設定していきます。項目の候補は以下の通りです。
・コンバージョン :購入や問い合わせの件数。CVとも呼ばれる
・コンバージョン値 :コンバージョンの価値
・クリック数 :広告のクリック数
・インプレッションシェア:広告の表示率
今回は「コンバージョン」を選択します。
コンバージョンを選択した場合、任意で「コンバージョン単価」を設定することが可能です。コンバージョン単価とは、「コンバージョン1件あたりにかかった費用」のことを示す指標で、CPAや顧客獲得単価とも呼ばれます。例えば、広告費用を1万円使って2件のコンバージョンが獲得できた場合、コンバージョン単価は5,000円となります。つまり、5,000円で1件のコンバージョンを獲得できるように運用を行いたい場合は、目標コンバージョン単価を5,000円で設定することで、Googleの機械学習で目標コンバージョン単価が達成されるように広告の表示を行ってくれるというわけです。
ただし、この目標コンバージョン単価は万能ではなく、必ずしも設定した目標の通りに運用が進むわけではないことを理解しておきましょう。
目標値を決める際は、感覚ではなく売上と利益をもとに計算しておくと運用が安定します。たとえば、月10万円の広告費をかける場合でも、商品単価や粗利によって許容CPA(獲得単価)の目安は異なります。ここを曖昧にすると、成果が出ても利益が残らないケースが起こりやすいです。
「顧客の獲得」についてはチェックを入れずに「次へ」をクリックします。

次に、配信ネットワークの設定です。こちらは、「Google検索パートナーネットワーク」のみを選択することをおすすめします。検索パートナーとはGoogle検索以外の広告掲載先です。パートナーネットワークを選択することで、Googleが持つ配信面以外にも広告が表示され、広告の成果を拡張してくれます。
Google検索ネットワークについて、詳細はこちら
ディスプレイや動画など別メディアの手法は、ブランド認知を上げる目的では強みがありますが、初心者が「今すぐ成果」を求める導入段階では混ぜすぎると検証が難しくなります。まずは検索(リスティング)に絞ってリード獲得の流れを作り、慣れてきたらインスタやYouTubeなど媒体を検討して追加する、という順番が現実的です。
ディスプレイネットワークは含めないことをおすすめします。ディスプレイネットワークを有効にすることで、検索結果以外の箇所にも広告が掲載されてしまうため、効果が出にくいところに配信を行い、費用を浪費してしまうことになりかねません。

次は配信地域と言語の設定です。配信地域は、広告の配信を行いたい地域を設定します。ECサイトの場合は基本的に「日本」を選択します。店舗ビジネスの場合は店舗住所から半径⚪︎kmや、⚪︎⚪︎市という設定を行います。
また、設定した配信地域に関心のあるユーザーも含めるかを設定することも可能です。
言語設定は、基本的には日本語のままで問題ないかと思いますが、国内に住んでいる外国人向けにも配信を行いたい場合などは該当する言語を選択してください。

オーディエンスセグメントは未設定のままで問題ありません。

その他の設定を行います。ここでは、広告の開始日と終了日や広告の配信スケジュールを設定することが可能です。期間や配信する時間帯を指定したい場合はこちらを設定しましょう。入力が完了したら「次へ」をクリックします。

キーワードを設定する
キャンペーンの作成ができたら、次は入札するキーワードを設定していきましょう。キーワードの入力欄にはすでにいくつかのキーワードが入力されています。これは、先ほど入力した自社のWebサイトから関連性のありそうなものを自動で読み取って初期のキーワードとして入力されているものです。ある程度の関連性はありますが、こちらのキーワードは一旦削除して、自分で調査を行なったうえで、キーワードを設定することをおすすめします。
キーワードの選び方や手順については、以下のコラムで紹介していますので、参考にしてみてください。キーワード選定はリスティング広告において最も重要な要素の一つであるため、決して手を抜かないことをおすすめします。
リスティング広告の効果を高めるキーワード選定とは?選び方と手順を徹底解説!

広告文を作成する
続いて、広告文を作成していきましょう。広告文は、検索を行ったユーザーがWebサイト上で実際に目にするものであり、キーワード同様、広告の成果に大きく影響を与えるものです。こちらもしっかりと考えた上で作成することをおすすめします。
文字数の制限として、広告見出しについては30文字、説明文は90文字まで入力が可能です。
広告見出しには簡潔で分かりやすい訴求内容を盛り込み、説明文には、具体的な内容やセールの概要などを入れると良いでしょう。
作成が完了したら「次へ」をクリックします。


日額予算を設定する
1日で配信したい広告費を設定しましょう。デフォルトでは推奨予算が選択されていますが、自身が配信したい金額を「カスタム予算の設定」から入力しましょう。推奨予算は高めに設定されていることが多いため、注意が必要です。始めたての場合や、運用初心者の場合は、1,000円などの低い予算からスタートしても良いでしょう。その運用結果に応じて徐々に予算を増やしていくことも可能です。
日額予算を設定後、「次へ」をクリックします。

遷移後の画面では、これまであなたが設定してきた内容が確認のために表示されます。これらの内容に誤りがなければ、右下の「キャンペーンを公開」をクリックします。クリック後すぐに配信が開始されるわけではなく、Google側の審査の時間がありますので、審査が完了次第、配信が開始します。

コンバージョンを設定する
これまでの手順で、広告が無事配信されると思いますが、配信された広告がそのような成果をあげているのかを確認することも非常に重要です。ただし、今の状態では残念ながら、広告の効果を確認することはできません。厳密には、表示回数やクリック数などの数値は確認できますが、そこから何件、購入や問い合わせに繋がったのかを確認することができません。これらを確認するために、コンバージョンを設定していきます。
コンバージョン計測は「設置して終わり」ではなく、取得できているかを必ず確認する必要があります。特にリンク先(遷移先)が複数ある場合や、同じページ内で完了するフォームの場合は、ボタンのクリックやサンクス表示など、どの条件で発火させるかを決めるのが重要です。設定が合っていないと、広告は回っているのに成果が見えず、改善が進まない課題になります。
今回は、Googleタグマネージャー(GTM)というツールを活用してコンバージョンの設定を行います。
Googleタグマネージャーにログインし、画面右上「アカウントを作成」をクリックします。

アカウント名を入力し、国を設定します。国内で配信を行う場合は「日本」を選択しましょう。その後コンテナ名を入力しますが、コンテナ名はサイトの名前など、分かりやすいものに設定します。
ターゲットプラットフォームは、実際に測定を行いたいプラットフォームを選択します。今回はウェブサイトでの測定を想定して進めるため、「ウェブ」を選択します。選択が完了したら「作成」をクリックします。利用規約が表示されるため、「はい」をクリックします。

コンテナの作成が完了すると、タグが発行されます。画面中央に表示されたコードをコピーし、サイトに埋め込みます。ちなみに画面に表示されたメッセージで誤ってOKを推してしまっても、画面右上のIDをクリックすることで再度表示することができます。
これで下準備は完了です。

それでは実際に、コンバージョン測定の設定を行います。今回は、配信する広告の遷移先Webサイトページで、申し込みや購入が完了した際に表示されるサンクスページが表示された際に、コンバージョンを計測することを想定して解説していきます。
Google広告管理画面で 目標>コンバージョン>概要を選択します。すでに管理画面上に「購入」というコンバージョンアクションが存在するため、「購入」をクリックします。

「タグを設定する V」をクリックし、「Googleタグマネージャーを使用する」を選択すると、GTMの設定で必要となる「コンバージョンID」と「コンバージョンラベル」が表示されます。ここまで進んだら、再度GTMの画面へ移動します。

GTM画面左側「タグ」を選択し、移動後の画面で右上「新規」をクリックします。

画面上部でコンバージョン名を入力します。今回は「購入画面到達」という名前をつけました。
その後、タグタイプをクリックし、「Google広告のコンバージョントラッキング」を選択します。

コンバージョンIDとコンバージョンラベルの欄に、先ほどGoogle広告管理画面で表示されたコンバージョンID、ラベルを入力します。
入力が完了したら、GTM画面右上「保存」をクリックします。

続いて、トリガーを設定していきます。トリガーとは、どの行動をした時に先ほど設定したタグが発動するかを決定するきっかけのようなもので、トリガーを設定しない限りタグは発動しません。ちなみに、タグが発動することを「発火」を呼びます。タグを発火させるためにトリガーを設定していきましょう。
「トリガー」をクリックします。

画面左側の「トリガー」をクリックし、「新規」をクリックします。

トリガーのタイプを選択します。
今回は、サンクスページが表示された際にコンバージョンを計測したいので、ページビューを選択し、一部のページビューを選択します。
「Page URL」を選択し、サンクスページのURLを入力します。
最後にトリガー名を入力し、「保存」をクリックします。
これでトリガーの設定は完了です。


トリガーが作成できたら、先ほど作成した「タグ」へ移動し、タグ名を選択します。選択後の画面で「トリガー」をクリックし、先ほど作成したトリガー名を選択します。

最後に、画面右上「公開」をクリックし、バージョン名と説明を入力します。再度「公開」をクリックすると、コンバージョン測定の設定が完了します。


リスティング広告で見るべき数値と運用のポイント
ここまで、リスティング広告運用を行うにあたってアカウントの作成からコンバージョン測定の設定までを自分自身で行う手順について解説しました。これで配信がスタートできる状態にはなりましたが、広告運用は、自分自身でその効果を分析し、改善していくところまでがセットです。せっかく配信が無事スタートできても、その効果を自身で見ることができなければ、あまり効果は期待できません。
ここでは、リスティング広告で最低限見るべき数値と、運用のポイントについて解説していきます。
Google広告の数値
Google広告でリスティング広告を運用するにあたって最低限見るべき数値は以下の通りです。
・表示回数 :広告が表示された回数
・クリック数 :広告がクリックされた数
・クリック率 :広告が表示された回数のうち、クリックされた割合。CTRとも呼ばれる。
・平均クリック単価 :1回のクリックにかかった費用の平均。CPCとも呼ばれる
・費用 :配信に使った費用
・コンバージョン :コンバージョンの数。CVとも呼ばれる。
・コンバージョン単価:1件あたりのコンバージョンにかかった費用。CPAとも呼ばれる。
・コンバージョン率 :広告が表示された回数のうち、コンバージョンに至った割合。CVRとも呼ばれる。
Google広告では、上記の数値指標を常に表示し、確認を行うことをおすすめします。
なお、指標は全体で見るだけでなく、「各キーワード」「各広告文」「各デバイス(PC/スマホ)」のように単位を揃えて比較するのがコツです。主要な切り口で分解して蓄積し、同じ基準で繰り返すと、どこに改善余地があるかが見えやすくなります。
管理画面での表示方法は以下の通りです。
管理画面から、「表示項目」をクリックします。

その後、先ほど記載した指標を追加し、「適用」をクリックすれば完了です。

これらの数値の動向をこまめに分析し、数値が悪化してきた場合はキーワードや広告文などの修正を行う必要があります。
運用のポイント
運用を行うにあたって、意識しておいた方が良いポイントを紹介します。
常に数値への疑問を持つ
表示された数値指標を確認するだけでは、広告の成果向上にはつながりません。なぜこのような数値になっているのか、どこを改善することで数値が良くなるのかを常に考え、「もしかしたらこれが原因かもしれない」という仮説と「実際にそうなのか」という検証を繰り返していく必要があります。これを常に行うことで、ボトルネックが解消され、最適化が進み、効果が向上していきます。
特定の数値だけで判断しない
数値を分析する際に、一つの数値だけを見て、効果の良し悪しを判断する方も多くいらっしゃいますが、これは危険です。広告の成果は、複数の事象から判断すべきものだからです。例えば、コンバージョン単価が高くなっており、これは広告の成果が悪い、と思っていても、実際には扱っている商材自体の単価が高いだけであり、クリック率やコンバージョン数は良好であるという可能性もあります。この場合、効果が悪いと決めつけて日額予算を減らすなどの対応を行うと、機会損失に繋がりかねません。分析の際は、Googleアナリティクスという管理ツールの活用をお勧めします。
広告の効果は常に複数の指標、状況から判断するようにしましょう。
なお、在宅で運用する担当者の場合、日々の作業時間を確保しにくく、チェックが粗くなるリスクがあります。管理ツール(Google広告・アナリティクス・スプレッドシート等)を組み合わせ、毎日見る項目と週次で見る項目を決めておくと、効率的に運用方法を継続できます。
運用を始めた直後に起きやすい課題と、判断の順番
リスティング広告は手順通りに設定すれば配信自体は開始できますが、実務では「配信はできたのに成果が読めない」「何を先に直すべきかわからない」といった課題が最初に出やすくなります。特に2025年は管理画面の更新が細かく入り、記事や画像で見た配置と異なり「ボタンが見当たらない」「同じ名称が出てこない」といったケースも起こります。そのため、操作で迷ったときは画面上の位置にこだわらず、機能名(コンバージョン、キーワード、広告グループ、検索語句、表示項目など)を起点に探す方が、順番の迷子になりにくいです。
また、初心者が最初にやりがちなのが「いろいろ同時に触ってしまい、原因が特定できない」状態です。成果が伸びないときは、以下のように“判断の順番”を固定すると、改善の打ち手が整理しやすくなります。
まず、広告が意図したワードで表示されているか(検索語句)を確認します。次に、広告文が検索意図に合っているか(CTRや広告文の訴求)を見ます。その後、リンク先のLPが広告と一致しているか(離脱やCVR)を確認し、最後に入札・予算・配信スケジュールを調整します。逆に、いきなり単価や予算だけを上げる・下げると、根本原因が解消されないまま費用だけが増える、あるいは学習が進まずパフォーマンスが落ちるリスクがあります。
リスティング広告は、検索意図が明確なユーザーを拾いやすい一方で、訴求の幅を広げたい場合は媒体を組み合わせる視点も重要です。たとえば、インスタ(Instagram)やYouTubeのような動画・画像中心のメディアは、検索前の段階の認知や比較検討に強みがあります。検索広告だけで完結しにくい商材では、リスティングで獲得したリードを軸に、他媒体のリマーケティングで接触回数を増やす構成も検討できます。
なお、在宅で運用する場合は「作業時間が限られる」ことが前提になるため、毎日すべてを細かく見るより、最初に“見る範囲”を決めるのが現実的です。管理ツール(Google広告の管理画面やGoogleアナリティクスなど)で最低限の指標を固定表示し、定点観測できる状態を用意しておくと、少ない時間でも改善判断がしやすくなります。
開始前チェックリスト
ここでは、リスティング広告を公開する前に「これだけは用意しておくと失敗しにくい」という項目をまとめます。完全に網羅する必要はありませんが、最低限ここを押さえるだけで、初期の無駄クリックや離脱を減らしやすくなります。
- 目的を1つに決める(売上・問い合わせ・リード獲得など)。最終成果を決めることで、運用方法や施策の優先順位がブレにくくなります。
- リンク先(LP)を1つ決める。LPが複数ある場合は、広告グループ単位で役割を分け、同じ訴求を混在させない構成にします。
- ワードの粒度を揃える。ビッグワードは費用がかかりやすいので、最初は意図が明確な語句(地域+サービス、悩み+解決、比較+目的など)を中心にします。
- 一致タイプの方針を決める。広げすぎると無関係の検索語句が増え、離脱が増えます。絞りすぎると配信量が出ず学習が進みにくいので、最初は「意図がズレない範囲」で始め、検索語句を見て調整します。
- 広告文は複数パターン用意する。完全に正解を当てにいくより、複数案でABテストし、良いものを残す方が実践的です。
- 計測を先に固める。コンバージョンが取れないと改善ができません。サンクスページがないケースでも計測できるように、ボタン押下やフォーム送信などの条件を検討します。
- 予算の目安を決める。最初は小さく始めてもよいですが、極端に低いとデータが蓄積しません。目安として「学習に必要なクリック数が溜まるか」を基準に考えます(10万円のように上限が明確な場合も、運用の順番は同じです)。
広告運用を代理店に依頼するメリットとは?
様々なメリットや大きな成果が期待でき、すぐに始めることができるリスティング広告ですが、知識がない初心者の方がいきなり運用、管理を行うのは難しく、かえって逆効果になってしまうこともあります。せっかくリスティング広告運用を行うのであれば、知識を有した広告運用代行業者や、広告代理店などの専門家に任せることも有効な手段です。ここでは、リスティング広告運用を専門家に任せることで得られるメリットについて紹介します。
自社のリソースを節約できる
リスティング広告運用を専門の代理店に依頼することで、広告運用に関する全ての業務を任せることができます。これにより、自社のマーケティング担当者は他の重要な業務に集中できるようになり、効率的な業務運営が可能になります。運用代行にかかる手数料は発生しますが、結果的に広告効果が出て売り上げを最大化できたという事例も珍しくありません。
キーワード選定や運用ノウハウの活用
広告代理店などの専門家は、これまでの豊富な運用経験と実績データを有しています。そのため、実績に基づき、効果を最大化するための最適なキーワード選定と運用を行うことが可能であり、失敗の可能性を低くすることができます。
レポート分析と継続的な効果測定と改善提案
広告代理店では、広告運用の効果測定を行い、その結果を定期的にレポートにまとめて分析し、広告の最適化を図ります。そのため、データに基づいた客観的な分析を行うことができ、また、豊富な実績と掛け合わせて広告効果を最大化することが可能です。また、定期的な分析を行うことで効率が悪い部分についての改善を迅速に行うことができ、効率良く広告を運用していくことができます。
最新情報を入手しやすく最適な運用が可能
運用を行う代理店が、Yahoo!やGoogleなどの認定代理店である場合は、リスティング広告の最新の情報を常に入手可能であるため、それらの情報を基に最適な運用方法を提案をしてもらうことが可能です。自身でリスティング広告を運用する場合には、インターネット上の様々な情報を参考にしていくことになるかと思いますが、情報が古かったり、内容が間違っているといったことも多くあり、判断が付かない状態で正しい、かつ最新の情報を集めるのは困難と言えます。
その点、認定代理店に運用を任せる場合は、最新の情報が優先して伝えられるため、広告代理店を通じてその最新情報を得ることが可能となります。
以上のように、代理店に運用を任せることでさまざまなメリットがあります。ただし、どの専門家に依頼するべきか、どのような代理店であれば自社のニーズに応えて成果を出してくれるのか、迷う人も多いでしょう。そのような時はまず、代理店をいくつかピックアップし、資料をダウンロードして比較してみるのがおすすめです。代理店によって得意な業界も異なるため、その違いや自社の業界と相性が良さそうなところがどこなのかを把握しましょう。また、料金の相場や代理店ごとの特徴の違いなどを抑えたうえで相談したい代理店を選定することも大切です。
外注を検討する際は、単に価格が安いかどうかだけでなく、担当者(運用者)のスキルや体制、人材の質、改善提案の頻度、クリエイティブ(画像・デザイン・動画)制作の有無、レポートの粒度など、求める範囲を明確にして選ぶのが注意点です。任せてもらいきりにせず、施策の意図を共有してもらうことで、成果の再現性も上がります。
よくある質問(初心者がつまずきやすいポイント)
Q1. 画像の手順と管理画面が違っていて進めません。どうすればいいですか?
管理画面は更新されるため、画像と同じ位置にボタンがないケースがあります。その場合は、機能名で辿るのが早いです(例:コンバージョン、広告グループ、キーワード、表示項目、ツールなど)。画面のレイアウト差分に引っ張られず、目的の設定名を起点に探すのが実践的です。
Q2. 一致タイプ(完全一致など)は最初から厳しくした方が良いですか?
厳しくしすぎると配信量が出ず、学習が進みにくくなります。一方で広げすぎると無関係の語句が増えて離脱が増えます。最初は意図がズレない範囲で始め、検索語句の実績をもとに、除外と絞り込みを増やしていく方がリスクが低いです。
Q3. コンバージョンが取れているか分からない状態でも運用できますか?
できますが、改善の精度が落ちます。クリックや表示だけで判断すると、売上やリードが増えていないのに費用だけが増えるリスクがあります。最初に計測の条件を決め、最低限の指標を管理ツールで見える化してから進めるのが安全です。
Q4. 予算が少ないと成果が出ないですか?
少額でも開始できます。ただし、極端に低いとデータが蓄積せず、改善の材料が不足しがちです。最初は小さく始め、検索語句や広告文の方向性が見えた段階で、効率的なところに寄せていく考え方が現実的です。
Q5. リスティングだけでなく、インスタやYouTubeもやるべきですか?
商材次第です。検索でニーズが顕在化している領域はリスティングが強い一方、比較検討の前段階の認知にはインスタやYouTubeのような動画・画像系の媒体が役立つことがあります。リスティングで獲得したユーザーに対して、他メディアで再接触する構成も検討できます。
Q6. 代理店に任せる範囲はどう決めればいいですか?
運用スキルや作業時間が限られる場合、設計や改善の施策まで任せると成果が安定しやすいです。一方で、社内に知見を蓄積したいなら、レポートの読み方や改善の考え方を共有してもらう形もあります。「何を社内に残したいか」を基準に決めるとブレにくいです。
株式会社ArchRiseもリスティング広告運用に対応しています。
株式会社ArchRiseもリスティング広告運用における豊富な実績を持っています。また、リスティング広告運用の他にも、SEO対策やSNS広告、コンテンツマーケティングなど多岐にわたるWebマーケティングに関するサービスを提供しています。様々なご要望に向き合い、クライアントの目標達成をサポートします。ご相談は無料で可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
本コラムでは、初心者がすぐにリスティング広告を始めるために必要な準備と手順について解説しました。今回はGoogleについて解説しましたが、YahooやBingなどでもリスティング広告を出稿することは可能です。リスティング広告は手軽に始めることができ、即効性があるため初心者の方には非常におすすめです。一方で、その効果を最大化するためには一定の時間や知識が必要であり、場合によっては代理店の活用も有効な手段となり得ます自身で運用を行うか、専門家に依頼するか、自身のニーズやメリット・デメリットを考慮した上で慎重にご判断ください。効果的なリスティング広告運用で、あなたのビジネスを成功に導きましょう!あなたの成功を応援しています。本コラムを最後までお読みいただきありがとうございました。

